高周波アンプ作り(その3) | バディ〜のブログ

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こんばんは

 

いつもお読みいただいてありがとうございます。

 

 

 

今回は連載3回目の高周波アンプの製作というより

アンプの特性調査の記事です。

 

 

****ぞれなりの長文になり、    ****

****やや専門的な内容となります。****

 

 

 

 

前半が説明、後半が写真集(?)です。

 

 

前回までの記事はこちら。

 

↓その1

https://ameblo.jp/abcd-zzz-1234/entry-12539066695.html

 

↓その2

https://ameblo.jp/abcd-zzz-1234/entry-12541141888.html

 

 

 

とりあえず

作った高周波アンプは200MHzの信号を入力すれば、

20dB増幅しているので

問題なく使えています。

 

 

このままクローズしてもいいのですが

せっかく作ったので、色々と特性を調べてみました。

 

 

 

 

 

 

まずは周波数特性です。

 

     ↓ 結論のグラフはこちら。

 

 

ここから説明になります。

 

周波数を100MHzから徐々に増加させて出力レベルを測定しました。

250MHzくらいまではゲイン20dBを確保していますが、

それ以上になると次第に減衰していき、

データシートと比べると大きく異なっています。

 

外付け部品は入力と出力の結合コンデンサと

電源のデカップリングコンデンサだけです。

(その他は配線用部品だけ)

 

周波数帯域が広いということで思いつくのは、

結合コンデンサの周波数特性です。

1種類のコンデンサでは全帯域をカバーできないときは

複数のコンデンサを並列接続するのは常套手段。

ということで、最初に使っていた0.1μFの入出力結合コンデンサに

1000pF(「1nF」は個人的にはあまりなじまないですね)のコンデンサを

並列接続して再度測定です。

 

どうやら、大同小異のようです。

 

しからば、さtらに高域に対応できるように

47pFを追加(並列接続)してみましたが・・・・

やはり大同小異。

(´・ω・`)

 

そういう問題ではなさそうです。

 

(ということで周波数特性を測るのは一旦中断し、

入出力特性を測ることになるのですが、

あちこち話が飛ぶのもわかりにくいので、

このまま周波数特性について書いてみます。)

 

さて、なにか他に問題になりそうな要素はないか?

という視点で基板を眺めてみると・・・

アンプICの入出力ピンの信号を見れるように

テスト端子を基板のパターン経由(長さ1cmくらい)で引き出しています。

普通はテスト端子は無負荷で解放なので問題ないと思っていたのですが、

これだけ周波数が高いとパターンのLと浮遊容量Cの影響がもろに出るかな?と思い

パターンをカットし、剥がして再度測定です。

お!

大異小異 (こんな熟語はない?)

特に600MHz以上が全然違いますね。

 

 

      ↓ 低い周波数帯域を部分拡大したものがこちらです、

 

 

使用する周波数200MHzに青色に丸印をつけています。

およそ20dBのゲインがあるので、問題なし。

(^.^)

これ以上の周波数になると

ゲインは次第に下がってくるのは変化無し・・・

ですが、

今回は使わないということで(ということにすれば?)

問題なし

としましょう。

(^_^;)

 

      ↓ こちらがさらに高い周波数帯域の拡大です。

 

 

ここではカーブの傾きに着目しました。

300MHzと600MHzの間でおよそ6dB下がっています。

つまり、減衰は-6dB/octですね。

ここから連想できることは、

CR若しくはLRのLPFが構成されていそうということです。

配線(パターン含む)のRと富裕浮遊容量CのLPF

 若しくは

配線(パターン含む)のLとアンプICの入力抵抗RのLPF

かな?

と想像していますが、これ以上は追及は止めにしました。

(^_^;)

 

     ↓ こちらがさらに高域の拡大図です。

 

 

 

周波数1200MHz以上になると、

ケイン0dBで増幅はしなくなり

入力はそのまま出力される結果になりました。

この理屈も不明のままですね。

 

 

 

 

↓パターンカットしたあとの基板です。

(上の青いものは同軸ケーブル)

よーく見るとパターンをカッターで切った跡と剥がした跡がわかります。

 

 

 

 

ここで周波数特性の説明は終了です。

 

 

 

 

 

ここから入出力特性になります。

 

周波数を200MHzに固定し、

入力レベルを変化させたときの出力レベルを測定しました。

入力が小さくなると、

手持ちのパワーメータでは読み取るのが面倒になるので、

途中で止めて、残りは直線で代用・・・

(^_^;)

オシロで観測したノイズの電圧2mVp-pをdBmに換算して

グラフ化しました。

緑色と赤色の丸印の出力レベルは

オシロで波形を観測して写真撮影しています。

 

 

 

        ↓ こちらが結果です

 

 

入力を下げていくと出力は直線上を移動し、

ノイズレベルまで下げると以後は一定になる典型的な形ですね。

電子回路の教科書などにもよく出てくるもので、おなじみのグラフです。

 

 

外来ノイズ対策は基板を弁当箱に入れたり、

同軸ケーブル長を最小にしたりなどがありますが、

今回は何も施さずでやってみました。

 

外来ノイズは今回、周波数が低い順から、

ワイドFM放送、スマホ、Wi-Fiの電波が観測できました。

 

ワイドFM放送は時間的に持続する信号(当然)で、

スマホ、Wi-Fiは連続ではなく断続的に発生する信号です。

今回はワイドFM放送だけに着目して外来ノイズレベルを求めてみました。

 

熱雑音はおなじみの(?)KTBで表される雑音でこれ以下に下げることは理論的に不可能なものです。

等価雑音帯域幅Bがわかれば簡単に求められます。

今回は周波数特性の-3dB周波数fcと-6dB/octの傾斜特性から

B(=fc・π/2)を計算しています。

 

 

200MHzの信号-30dBmを入力したときの出力波形です。

S/Nはおよそ40dBです。

 

 

 

 

 

200MHzの信号-60dBmを入力したときの出力波形です。

S/Nはおよそ10dBです。

もわっとしているのはノイズ成分。

 

 

 

 

 

こちらは出力信号のスペクトル観測写真です。

写真の一番左の縦線が直流分、

そのひとつ右が信号(基本波)の出力レベルです。

 

 

入力レベルが-20dBmのときは、出力は飽和していて、

2,3,4,5倍の高調波が発生しています。

 

 

 

 

 

入力レベルが-25dBmのとき

高調波は2倍と3倍だけで、大きさも下がっています。

 

 

 

 

 

さらに実際に使う予定の-30dBm

のはずだったのですが、写真の撮り忘れ・・・

(´・ω・`)

肝心なところを忘れるという・・・たまにやらかします。

 

-25dBmと次の-35dBmの高調波との間になって、

-40dBより小さいでしょう。

 

 

-35dBm

高調波は実質無し

 

 

 

 

 

しつこく、-40dBm

 

 

 

 

 

本来やりたかったことは、

各入力レベルごとの高周波のレベルを記録しグラフ化したかったのですが、いかんせん、時間が掛かってめんどくさい・・・

ということで、せめて写真にでも残しておくかいな

といった結末になりました。

 

ここで入出力特性は終了です。

 

 

 

ここからはノイズの写真集(?)になります。

 

 

 

オシロで見ると

ハースト状のWi-Fiの信号(2.4GHz)がときどき混入しています。

 

 

 

スペアナではスペクトルはこうなります。

2.4GHz(中央から右に1目盛り)に見えますね。

一番左は直流分で0Hz、その0.5目盛り右が200MHzの入力信号、

2.5目盛りあたりの小さい信号はスマホの信号(900MHz前後)です。

 

 

 

 

 

 

こちらはワイドFM放送のスペクトルで、

中央に参照信号として91MHzを入力しています。

中央以外の5本(=5放送局分)のスペクトルを電圧に換算し、

加算した結果は-61.5dBmのノイズとなりました。

 

 

 

 

 

 

こちらはノイズだけの波形です。

ワイドFMの信号でオシロのトリガが掛かっています。

 

 

 

と、こんな感じになりました。

 

たかがアンプIC1個だけの回路ですが、色々やってみると

周波数が高いだけに難しいところもありますね。

 

完璧とは程遠いですが、

とにかく希望の特性は得られたので、

今回は良しとしましょう。

 

最後まで読んでいただいた方、

お疲れ様でした。

<m(__)m>