超音波パラメトリックスピーカー (その1) | バディ〜のブログ

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こんばんは

 

いつもお読みいただいてありがとうございます。

 

今年も押し詰まって残りは1日ちょっとになってきましたね。

 

PCのセットアップも何とか終わりサクサクと動作する環境で

この記事を書いています。

(^-^;

 

 

** 長文になります。 **

今回はガラッと変わったテーマの記事です。

 

記事の途中から、電気関係の専門用語が入ってくるはずですが、

それまでは門外漢のかたでも読めるように書いてみようと思います。

(途中にワーニングを入れています。)

 

発端は、ネットサーフィンをやっていたときにたまたま見つけた

超音波のスピーカキットです。

 

超音波は、人間には聞こえないとても高い音のこと

で、色々なセンサにも使われています。

 

聞こえないのにスピーカとはなんで?

となりますが、

この超音波(連続音)の音の高さ(周波数)を

音声信号で変化させると

音声がこのスピーカから聞こえるというものです。

 

わざわざそんなに面倒なことをせずに

普通のスピーカを使えばいいじゃん

と思いますが、

このスピーカから出た音は特定の方向だけが聞こえ

周りにはほとんど聞こえないという特徴があります。

(これを指向性があるといいますよ。)

 

 

 

ということで、キット(いじり倒したもの)はこちらです。

大きさがわかるようにボールペンを置いてみました。

 

 

 

 

 

 

 

一番右は別の超音波センサで、スピーカから出た超音波を聞く(受信する)目的で買いました。

 

 

 

裏側はこうなります。

 

 

 

 

 

特に、

真ん中の基板は改造や部品取りをやっているので、

原型を留めていませんね。

 

始めはこのキットを使って実験(遊び?)をやろうとしたのですが、

電源電圧を2倍ほど上げたい、

短時間の超音波を外部からON/OFF制御したい、

と改造を始めました。

 

キットの図面を見るとこのまま電圧を上げれば、

ある部品(パワーMOSFET)が壊れるはずというのは

わかりましたが・・・・

実際にやってみると、

やっぱり壊れた! (´・ω・`)

正しくは、「壊れた」ではなく「壊した」ですね。 ← これ大事

 

 

しかたなく壊した部品を交換して、

壊れないように対策をした(つもり)あと

またいじっているとまた壊れた(壊したか?)

 

再度部品をしようと思いきや、部品を取り外したあとに

基板のパターンが剥げて、

もう2度と部品を付けることはできない状態となり・・・

 

腹をくくって(?)

新たに自作する羽目になりました。

結果的にはこれが正解だった(はず)と思います。

 

ということで、

こちらの写真が壊れた部品をつけるために買った基板(上は取付前)と

部品(パワーMOSFET)を半田付けで取り付けたもの(写真では下)です。

大きさがわからないので、私の人差し指も写してみました。

(私の指の大きさは普通サイズですよ。念のため)

 

 

 

 

 

パワーMOSFETについて色々調べていくと、

キットの回路をそのまま使うと危険が危ないのがわかり、

結局設計からやり直しとなりました。 

 

こちらが、手書きのブロック図です。

本人さえ分かればいいので当分はこのまま。

(赤い文字はこれから改造が必要な部分・・・)

 

 

 

 

 

で、こちらがユニバーサル基板で作ったものです。

 

 

 

 

こちらが裏側。

性能は部品配置とパターンの引き回し(配線)で決まる!

という私の信条からすれば、

あまりにもひどい(ひどすぎる!)出来なのですが・・・・・

もう一度やり直すという根性がないのでこのまま進めています。

 

 

 

 

ワーニングです。

ここから専門用語が入った記事になります。

とりあえず、読んでもらってもいいし、スルーしてもいいですよ。

 

 

 

スピーカのドライブにはパワーMOSFET4個を使った

フルブリッジ回路でやっています。

ハイサイドとローサイドのFETの同時ONを防止するために

デッドタイム期間を設ける必要がありますが、

キットではこれが不十分なので

ロジックIC(74HCシリーズ)とCR積分回路で組んでみました。

セルフターンオン現象の防止も大事ですね。

どうやら2回目に壊したときはこの現象が発生していた感じです。

デッドタイム期間とセルフターンオン現象は

独立した関係ではないようなので、

結局、HL両サイドFETのゲート電圧Vgsと

ドレイン電流Id(に比例した電圧)の両方を見ながら

調整をしていきました。

 

 

 

 

現在の状態です。

 

こちらが、基板とスピーカをつないでオシロ波形を観測しています。

 

スピーカの等価回路はコンデンサCなので、

直列にインダクタLをつけて発信周波数に共振(正確さにはやや問題がありますが)させています。

 

 

 

 

 

 

オシロの画面です。

写真一番上がスピーカの片側とGND間の波形、

一番下がスピーカのもう片方とGND間の波形、

真ん中がスピーカ両端の波形(=上と下の差分をオシロで表示)です。

周波数は40kHz弱で、だいたい20Vp-pが加わっています。

残念ながら(当然ですが)人間の耳にはなにも聞こえませんよ。

 

 

 

 

 

若歪んだサイン波ですね。

スペアナで見るとこうなります。

ゼロ調がずれているのは、今は気にせずに・・・・・と、

一番左のピークが直流(スペアナの特性上出力されるもの)で、

二つ目が発信周波数で、

2倍(とっても小さい)、3倍、5倍、7倍と奇数次の高調波が並んでいます。

波形のデューティー比が完全に50%ならば、奇数次は現れませんから、

50%よりややずれていますね。

基本波より20dBほど低い3倍の高調波が歪みの原因ですが、

この原因と対策(もしくは何もしない)これからですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ここまでが連続波形で、ここからパルス波形になります。

 

スマホのアプリでパルジェネ(2ch出力)を見つけたので、

外部トリガとしてこれを使います。

 

 

 

 

 

ちらがオシロの波形です。

一番上がスピーカの両端。

見ずらいですが、

その下で前半はバタバタし後半は静かにHになっているのが

40kHz発信機の出力。

一番下がスマホで発生したトリガ信号で、Hで動作、Lで停止です。

動作時と停止時に過渡応答で波形が乱れています。

 

 

 

 

動作時の立ち上がりを拡大してみます。

発信機の出力はきれいですね。

この現象の発生原因はこの後の段です。

 

 

 

 

ということで、HサイドFETのゲート信号を見てみます。

 

 

 

一番上がゲート信号、

その下が反対側のHサイドのゲート信号、

3番目がトリガ、一番下が発信機出力です。

ゲート信号が両方ともなまっていますね。

ちなみに

写真はありませんが、L

サイドのFETは両方ともきれいにスイッチングしています。

 

 

 

 

拡大するとこうなります。

 

 

 

 

さらに拡大。

 

 

 

 

 

この原因は

(本人にしかわからないですが、当然か)

HサイドとLサイドのFETではドライブ方式が違っていて、

HサイドではC結合(負荷抵抗Rを含んだ微分回路)でドライブし、

Lサイドは直結しているためです。

今更ながら過渡応答はもっと早く考えておくべきでした。

 

ということで、これから対策。

 

時定数を小さくすれば改善されますが、

C結合の負荷抵抗Rを下げれば、

抵抗に流れる電流が増加して電源の効率が著しく下がる。

これでは何のためにフルブリッジを組んでいるのかわからない。

Cを小さくすれば、ゲート・ソース間の等価静電容量の影響が無視できなくなり、結果としてドライブするゲート電圧の振幅が小さくなりまともにドライブできなくなる。

 

まあ、これあちらを立てれば、こちらが立たずのよくあるパターンです。

 

色々と考えてみましたが、

結局、

 

(電源電圧24Vまでは今回はあきらめて18Vまでにしようか)

C結合をやめて、直結にすることにしました。

直結にするまでは簡単ですが、

スピーカに連続した直流が加わるので、これを防止する

ロジックが追加になります。

また、配線が汚くなりますが・・・・  (´・ω・`)

 

現状はここまでですね。

 

 

だけど、最後まで読んでくれた方はいるのかなあ。