ニッポンの踏み絵 官僚支配を駆逐する五つの改革 玉川徹 幻冬舎新書

テレビ朝日モーニングバードでお馴染みの玉川さんの本。いやぁ~興味深かった。やはり、取材が裏付けられているから、門外漢の中身でも論に説得力がありますね。

議員報酬七〇〇万?公務員宿舎廃止?国鉄清算事業団?対GDPキャップ?原発廃止?この5つの最新トピックスで、政治家に物申すという感じですね。

(今回は、章別の簡単POP風に書いてみます)
<第一章 国会議員の歳費を700万にする>
議員歳費700万?んなアホな?そんなんで出来んの?いやいやちょっと待て~。
700万っていうと一瞬疑問に思うが、お手盛り過ぎな特典パラダイス。
家賃10万以下の高級住宅街にある議員宿舎・報酬以外の文書通信費・一〇年だけ支払えば貰える議員年金・JRや私鉄の無料パス等々、そして、議員宿舎には法的根拠なし。

そして、議員より酷いのは知事。退職金を込めた任期四年間での国務大臣との報酬格差(因みに知事が多い)普通の民間での退職金の計算とは異なる計算での課税漏れ。

議員ってのはお金ではなく名誉を与えるべきでは?待遇が悪いとそれだけ優秀な素材が集まるのでは?

国会議員さん。あなたは、ご自身の議員報酬700万にできますか?


<第二章 公務員宿舎を廃止する>
港・赤坂・南青山・霞ヶ関。ざっくりと一例を挙げてみたが、どれも東京有数の街ですね。こんなところにすめたらなぁ~と思うが公務員宿舎ならこれに10万円レベルで入れるって?!!凄いぽよ

公務員宿舎は、もともと緊急参集用の待合室。いわば仮眠室と言う法律上の定義だが、仮眠室とは思えない豪華さ。

そして、国会議員よりも待遇が良い幹部組。都心一等地・無料・豪華。

こういったおかしさが叫ばれ、都心での公務員宿舎が建てにくい風潮が際立ってどこに目を付けたのか?朝霞ですよ。例の朝霞の公務員宿舎建設再凍結になった一連のアホの件ですね。

やはり、それだけ公務員宿舎は公務員の一つのステータスで、給料や天下りを含めてそういった部分が既得権の温床になっているという部分に切り込む第一歩として・・・

国会議員さん。あなたは、公務員宿舎廃止できますか?

<第三章 年金は国鉄清算方式で>
年期財政は潰れません!国の国家財政が潰れた瞬間、年金財政も潰れます。だが、今の年金体制から変わらないと、孫にお小遣い一万円あげる代わりに10万円の賄賂よこせや!という構図が続きます。

また、これにも省益官僚は寄生虫のごとく引っ付き、年金の原資にも手を付け本当なら約950兆なきゃいけない原資が約150兆しか残っていない現状。これに、消えた800兆はグリーンピアに代表されるハコモノ施設を無駄に作った結果ですね。

そこで、注目されるのは積立方式。ただし、ここで注目してほしいのは、一度年金から離れてください。JALなんかも多額の債務を抱え、結局破綻し国によって債務を身軽にしてもらった。年金もそれにならう事です。

詳細を簡単に言うと、最初に普通の年金会計には、保険料収入しかいれずそこから年金清算事業団債購入と積立金にまわし、事業団にはそれに税収入を含めた収入を元手に年金を支払う。その際、消費税以外にも相続税も税率を上げて、収入の対象にするという事。

年金債務返済には一〇〇年程度掛かるが、年金事業団をうまく機能させれば大丈夫。なにより、うやむやになりがちな年期会計の見える化で省益官僚の勢いを殺す。

国会議員さん。あなたは日本の将来のために年金システムを変えますか?

<第四章 財政に対GDP比のキャップを設ける>
日本の財政危機はなぜ?バンバン無駄な歳出を増やした!では、なぜ増やすの?増やした分だけ評価が上がる。その最たる例が、事業仕分けで消えたという事業のゾンビ化ですね。

そこで、玉川さんの提言が対GDPキャップです。それに似てそれなりに機能したのが防衛費対GNP1%内。一時は1%越えの時もあったが、それ以外は1%以内。

だからこそ、こういった類のことをする。そのために、政治家のバックには脱藩官僚をつける。

<第五章 原発を廃止せよ>
原発に関わる嘘・原発依存体質の関電だからこその需給バランスの嘘・隠された政府試案。原発に隠された闇に注目