百年続く企業の条件 帝国データバンク 朝日新聞出版


一言で言うと、さすが帝国データバンクやなと思いました。この本は、帝国データバンク内にある企業のデーターベースから100年を一つの区切りとし、100年以上を老舗と定義し老舗の凄さはなにかを探っていく本です。


老舗の凄さには二つあると私は思いました。


一つは、変化を恐れない。創業以来、同じものでやっていける企業はごくわずか。その中で、自社の売りをいかにして利用するのか!時には敵同士が手を組むとか・・・ 創業者家で継承するのか外部から引っ張るのか・・・とかとか、老舗は時代時代にフィットするように生きていてアメーバみたいだなと感じました。


<ツィッター>

・家訓・社是・社訓は、確かにGPSのようなものかも。企業がその目標に辿り着くために何をすべきか

・老舗と呼ばれる所の社訓は、現在の企業社会におけるCSRやコンプライアンスの参考書のような意味合いはあるかも。100年と10年どちらに重みがあるかと聞かれたら、真っ先に100年を取るね。

・社訓のかきくけこ 感謝 勤勉 工夫 倹約 貢献。 これは、ホントに現代の企業が考えるべき課題と言っても過言ではないかも。

・創業100年以上を老舗の定義としたとき、20000社もあるのに凄い驚いた。そして、ものによっては500年~600年辺りからの創業企業もあって凄いな日本。

・皆が、老舗の多い業種のイメージとして思うものの多くは、三越とか伊勢丹といったデパートを思うかも知れないが、実は、酒造関係が多い。そして、驚きはトップテンの中に貸事務所業種があるのが驚きだった。そもそも論として、このような業種があるんだ!!って

・百貨店にスポットをあてると、ホントに時代背景は日本史で勉強したなぁ~と思うものもあった。呉服屋からスタートし、明治の頃の脱亜入欧や明治維新の影響でデパートの概念が導入されて今のようなデパートになったんだなぁーって

・しかし、老舗も時には悪者になったり窮地に陥ったりする。その例が百貨店法だ。事業を許可制にすることで、新規参入を規制した。独禁法で一度は廃止になったが、1956年に復活した。

・時代は、高度成長期を迎え鎖国のような戦争期が終わり消費者のニーズも多種多様になっていった。そして、コンビニの出現により老舗百貨店は苦戦を強いられるようになった。2000年に入り、ライバル同士が合併したりして生き残りに必死だ

・老舗が多い地域はどこだろう?京都や新潟・山形滋賀や島根・福井と、想像がつくところが多い。では、東京は?と言うと、老舗と新規が切磋琢磨してるから企業数は多いが老舗は都道府県単位で見ると少ない。これも、想像がつくなぁ~と感じる。

・では、老舗が多いところの特徴は何か?城下町や寄港地が多い。昔の産業の中心地だもんな。

・現代のCSRに似た考えがある。売り手よし、買い手よし、世間よしの三方よしだ。これは、市場の失敗の反省格言にも聞こえるね。やっぱ、昔の人は凄いな。現代の当たり前を昔から考えていて。

・老舗のイメージとしては、地域密着というものがあると思う。その一つの目安は年商3億円だ3億円越えた老舗は、全国的にも有名らしい。しかし、今はネットの出現でそうじゃないところでも全国展開がしやすくなった。

・老舗社長の共通点は何か?それは、人脈だという。現に、老舗社長トップスリーの慶応、日大、早稲田は下部組織があるから付属からそのまま上がってくれば、そりゃ濃密になるよな

・この本に載ってる老舗の絶対的な概念があると思った。 曲げてはいけない社訓と、時代にフィットした展開。

・昨今、機械が発展している中で勝てないものが一つある。それは何か?伝統の味。 菌を使った食品は、機械では表せないかもね。

・企業も多種多様。社長(会長)も多種多様。ピンチに物怖じしないどっしりとした気構えや、会社の発展に頭を使ったり、婿養子・・・