全くこれっぽっちも他意はありません。
ありませんが、なんとなくこの二人の守備成績を比較してみようと思います。

野球について多少知識がある人なら、“守備でも安打製造機”という言葉は一度は聞いたことがあるでしょう。特に巨人時代の張本勲氏を指した言葉であり、打撃においては現状NPB唯一の3000本安打記録者にして通算500本塁打300盗塁も記録という文句なしのレジェンドである一方、守備下手で有名な彼を揶揄したものです。

一方新庄剛志氏は、“記録よりも記憶”を地で行くような選手である一方その強肩と俊足を生かしたダイナミックな守備でファンを魅了し当時屈指の名手として知られています。

さて、そんな二人について、

守備率が大差ないからこの2人の守備に大きな差はなく、張本氏の“守備でも安打製造機”は間違い!!!!!

というお笑い主張を某所で見かけました。

実際、守備率は大差ありません。新庄剛志氏の守備率通算は.986、対して張本氏は.981。差は1%を切ってます。


ですが、ここで注目すべきは刺殺数。
新庄は晩年三年間も一試合平均二つ以上の刺殺を記録していますが、張本勲氏の巨人時代は刺殺数はギリギリ1前後。要は、張本氏と新庄氏が外野守備についた場合、数字上だけで単純比較すれば巨人時代の張本氏は新庄よりも一試合に一本確実に多くヒットを許すことになるという計算です。

勿論とんだ打球の数なども関係してくるので単純比較は出来ませんが、ほぼ一貫して左翼を守っていた中で東映フライヤーズ時代の若い頃・全盛期は新庄に近い水準の刺殺数だった時代もあります。なので、「ずーーーっと守備が下手であり続けた」というのは流石にバイアスがかかった見方だとしても、

新庄と比較して2倍のペースで安打を増やす計算となり、実際に当人比の水準でも大幅に数字が落ちている以上、巨人時代が「守備でも安打製造機」だったのは事実みたいですね