白い無地のカーテンを開ける
こんなカーテンどこにだってある
でもこのカーテンを開けた先にある世界は僕だけのもの
同じものを同じように開けてもそこには全く別の世界が広がる
素晴らしい世界だ
でも、ある朝僕がカーテンを開けたらそこには僕だけの世界とは呼び難い世界があった
カーテンを開けたその場所にあるはずの窓側ないのだ
広がっていたのは季節など関係ない と言わんばかりの無表情のコンクリート
黒に近い灰色
なぜだか僕は親近感が湧いた
しかし僕が待っていたのはこんなものじゃなかった
僕が待っていたのは季節によって表情を変える世界だった
そんな変化を写し出す窓だった
しかしそれが今はなくただの壁になってしまった
僕は嫌になった
変化のない世界でなんか生きられない
生きる意味もない
僕は全てを包み込む桜が見たいんだ
僕らを燃やそうとする太陽が見たいんだ
真っ赤に色づいた紅葉が見たいんだ
寒さをしのがせてくれるマッチの炎が見たいんだ
それはこれまでは写し出された世界をただ見ていた僕が始めて~な世界が見たいと思った瞬間であった
その感情が生まれると同時に再び僕は絶望した
そして僕はコンクリートに向かって思い切り頭突きをした
どうか壊れてくれ
もう一度この場所から世界を見せてくれ
何度も何度も頭突きをした
しかしコンクリートが頭突き程度で壊れるわけもなくただ僕の額から血が流れるだけだった
僕はうずくまった
額が痛いからではない
もっとやれば壊れるかもしれないと思い、僕は立ち上がりコンクリートに目をやった
唖然としてしまった
そこにはあったのだ
桜も
太陽も
紅葉も
マッチの炎も
僕の額から出た血がコンクリートに飛び散って
その世界を作っていた
僕は僕自身で望む世界を造っていたのだ
己の身を削りながらも
気づかぬうちに
コンクリートが窓に変わった瞬間であった