支援学級に在籍すると、高校に入学するための勉強をしません。
中学の支援学級では、茶道の授業や、図工では、小さなテーブルを作ったり、畑を耕したり、支援学校へ入学するための練習をしたようです。
中学2年時の進路を決める個別懇談では、支援学校か、フリースクールを進められました。 (先生からは、支援学級に在籍すると、高校への進学は難しいとのこと。とくに公立高校は、息子の行っていた中学や、この地域では聞いたことがないとのこと)
息子には、将来の選択肢を増やしてやりたく、できれば高校に行かせたかったのです。
そのため自閉症と分かった時から、高校生になるための準備を、少しずつしていきました。
息子の様子を見て、学校の先生は、中学2年になるまでは「お母さん、息子君には無理やで。塾なんか行かせてもできんのに可哀想や。」と言われました。(学校での様子を見て、そう仰ったのでしょう)
病院の先生からは、「塾に行かせてもお金の無駄だから今すぐに塾をやめさせなさい」と命令されました。(発達検査の結果を見て、諦めるようにきつい言葉で私に説明してくれたのかもしれません)
息子は人を見て手抜きするところがあります。
母親だからか、育ててきたのでなんとなく分かるのです。
自閉症ですから、人より苦手なことはたくさんあります。黒板に書いた字をノートに書くのも苦手で、人より時間がかかったり、何を書き写したのか自分でも分からないこともありました。
病院の先生からも小学生の時に「これから板書に苦労するでしょう。」と言われてもいました。
確かに、板書は高校生になっても苦労したようで、本人からも、「黒板の字を書いていても、黒板に書く場所がなくなると先生は消してしまうから、授業が終わったら友達のノート見せてもらってる」と聞きました。
高校生になるくらいには、板書も訓練により、他の人よりはゆっくりですができるようになってきました(息子の場合)
専門学校になると、ほぼ授業では、板書はありません。
タブレットで授業は進むので、そこまで困ることはなくなったようです。
中学2年の夏に、薬物治療をやめてから、勢いよく成長が感じられました。たまたま薬物治療中止時期と成長時期がかぶっただけかもしれません。
中学2年の夏に発達検査をすると検査結果が
+10点、数値が上がっており病院の先生より「この年齢になるとこんなに上がることはないんやけどねぇ。でもこれ以上、上がることはもうないと思いますよ。」「それから、前、あんなこと言って、すみませんでした」(お金の無駄だから今すぐやめさせなさいと言ったこと)とも言われました。
それ以降、発達検査は療育手帳更新の時のみです。
無理だと言われた公立高校も、私達の住んでいる地域で初の支援学級在籍からの公立高校へ入学することができました。
支援学級にいても、道ができることにより次の年から1-2人、公立高校へ入学することができるようになりました。
誰もがしたことのないことをすることは、かなり嫌がられます。とくに学校は変化を嫌がるようです。
私がしたことが正解ではないし、いろんな方法があると思います。
障害があるからといって決めつけてしまうと、まだ伸びるかもしれないのに、成長を止めてしまうかもしれません。
どうにか、支援学級から高校に入学したものの、
ついていけず、退学してしまった子もいます。
どうしてやることが、子供にとって幸せかは分かりませんが、障害があっても選択できるようにしてほしい、「できた!」という証拠を作るために、ただそれだけのためにコツコツとやってきました。