コツコツ。

ドアを叩く。

と、思ったら。


とさっ。


「うわぁ!!」

上から網が降ってきた。

少年と妖精は暴れに暴れたが、網は余計に絡みつくばかりだった。



家から罵声が聞こえた。


「かかったな!?泥棒!!」


泥棒とはなんのことか。

少年と妖精は、暴れるのをやめ、呆然としていた。


そして、ドアが勢いよく開け放された。
しばらく西へ進んだ。

しかしどこもかしこも藪で覆われ、手もつけようがない。

歩くのさえ一苦労である。

「あーーっ!!」

急に妖精が叫んだ。

「はぁ…。何だよー。」

少年はくたびれ過ぎて溜め息混じりに言った。

「ちょっとあんた、クリフィ!!しっかりしなさい!!馬鹿じゃないの!?ほら、あれ!!」
少年を力いっぱい叩きながらけたたましく言った。

少年は力無く妖精が指差す方向を見た。

灯りが灯っていた。

「こんな所に住む人なんているのか…」

少年は感嘆とも呆れているともとれる溜め息をついた。

「とにかく行こう!!泊めて貰えるかも!!」

妖精はずっと少年の肩に乗っていたのだから疲れる筈もない。
少年はまた溜め息をついた。
あの出来事は、少年もわからないらしく、結局うやむやとなった。

そして今の現状は、あまり喜ばしくないようで、此処にはフンダーはいない。
という所だ。

「仕方ない。帰ろう。」

と、しおれている妖精に少年は言った。

そして、マジック・レールの領域を抜け、霧が完全に晴れている所まで行くと、一体何時まであんな所に横たわっていたのか。
踏み込んだ時は早朝であったが、今はもう夕暮れなのだ。

「…これは、此処らで寝小屋を作った方が良いな。」

妖精は黙って頷き言った。

「でも、何処に造るのよ。」

「…」

少年は、顔を引きつらした。

最もな事で、此処は、藪で覆われて、明らかに場所が悪すぎる。

「もうしばらく探してみよう…。」

少し絶望気味に言った。