多読ってなんのためにするのだろう？

「多読を通して

人生の楽しみを増やしてほしい」

貞野浩子先生 (福岡県 SADANO English School) ※

のお言葉です。

私も同じことを思っているのですが、

先生のお言葉以上に良い表現が思いつかなくて

今回、先生に掲載のご許諾をいただきました。

ABC4YOUの生徒の中で、

多読である境地にたどり着いた子たちに聞いてみました。

写真好きな生徒：インスタグラムで海外の人と交流できるようになった。
ゲーム好きな生徒：ゲームで海外の人とやりとりしている。
国際交流サークルに所属する生徒：交換留学生と英語で話せるようになった。
生徒ではないですが、これから留学予定の生徒のお母様：ホストファミリーとのメールのやりとりを、お子さまが頻繁に、しかもさらっとこなしている様子に大変驚いておられ、感激されていました。

全員に共通しているのは、

英語を使うときの壁がグッと下がっていて、

難なく飛び越えられるようになっている、

つまり、

気負わずに英語をつかえるようになっている、

ことです。

これが多読の真髄 なのかな、と思います。

気負わずにつかえるから、

興味の赴くままに

英語で世界中の情報にダイレクトにアクセスでき、

‘人生の楽しみを増やす’ことができるのです。

もう少し具体的に、説明しますね。

私は、ある日、若者向けの英雑誌で空飛ぶタクシーの記事を目にしました。

その記事をきっかけに、グーグル検索すると、空飛ぶタクシーの動画がありました。

それらはCGでした。

実写も探したのですが、まだ実験段階の、ほんの少し浮遊する乗り物の動画しか見つけられませんでした。

しかし、それから約半年後、

空飛ぶ無人タクシーを、購入予定の社長さんが

どこかの国のサッカー競技場で試乗している様子の動画が

YouTubeにアップされました。

空飛ぶタクシーの実現なんて、まだまだ先のこと、

とタカをくくっていた私は、大変驚きました。

私は理系だからか、このような

最新テクノロジーの情報にワクワクしてしまうんです。

それが英語でも全然気にならないんです！

＜そうなんです、

これら記事や動画はすべて英語でした。＞

多読を始める前の私では、

ここまで気負わずに各種情報を英語で視聴できたかどうか･･･

そもそも視聴する気になれたかどうか･･･

以上のように、

私の場合は、多読することによって

自分好みの情報を

英語であるにもかかわらず

ストレスフリーな状態で

手に入れられる、という喜びを知りました。

どんな‘楽しみ’を

見つけられるかは、

人それぞれ

です。

そして、その‘楽しみ’を見つけられるかどうかは、

ある意味、‘運’のようなものなのかもしれません。

「たまたまゲームをしていたら、海外の人と交流することになってしまった」

と、新しい世界への扉が開いた状態で生徒を待ち受けていることもあれば、

「海外への長期/短期留学してみたくなった」

と、自ら新しい世界への扉を開いた生徒もいます。

「辞書を引かないと読めなかった本や記事を

気づかぬうちに辞書も引かずに読めるようになっていた」

「英語で映画を観た時に理解できる量が増えていた」

と、自分自身の変化に気づいた生徒もいます。

気づかぬうちに、新しい世界へ踏み出していたのですね。

いったん新しい世界へ踏み出してしまえば、

あとは、多読を続ければ続けるほど、

はじめはぼんやりしていた新しい世界の景色が、

どんどんはっきり見えるようになって行くと思います。

↑

これはとても気持ちが良いものなのです。

（もやっとしていたものが、わかるようになるので。）

ぜひ、たくさんの人に、

読めば読むほど、

新しい世界の景色が

少しずつクリアになっていく快感を

味わってほしいです!

もう一つ。

上記のような色々な喜びを知る

ずっと前の、私が多読をするのが

辛くなった時のことも書きます。

少しでも迷っている人の援けになれば良いのですが･･･

多読を始めた時と今とでは、

私の多読へのスタンスは全然違います。

多読を始めた当初、私は

ペーパーバックが読めるようになりたい、

と願っていました。

いつになったら難しい洋書を読めるようになるのだろう、

と悶々と思いながら多読をしていました。

多読し続ければ、

自然とペーパーバックを読めるようになることは、

今の私にとっては、自明なのですが、

当時は、半信半疑でした。

だからこそ、

早く難しい本を読めるようになりたい、

と焦っていたのかもしれません。

そのうちに･･･

‘読もう’とする気持ちに、

なにか無理を感じ始めました。

辛くなってきたのです。

私は悩んだ末、このとき、

‘読もう’とするのをやめました。

つまり、頑張るのをやめました。

「簡単でもなんでもいいから、

今、‘楽しめる本’を読む！」

（‘読める本’を読むのではなく） ←重要！！

と、考え方を変えました。

そのときは、一休みのつもりでした。

「また‘読もう’とする気持ちが復活したら頑張ろう！」

と思っていました。

･･･しかし、

そんな気持ちに戻ることはありませんでした。

なぜなら、

今、‘楽しめる本’を読んでいたら、

気づかないうちに、

昔読めなかった難しい本が、

読めるようになってしまったから、

です。

何週間も‘読もう’とし、

途中で眠くなってしまったために、

遂に、昔、読むのを諦めたその本を、

数時間で読み終えてしまった

のです。

そればかりか、

次に手に取った

もっと難しい本までも

一晩で読み終えてしまった

のです。

なんという衝撃！

その二冊の本を読み終えた時、

多読に対する考え方が

がらりと変わってしまいました。

無理せずに読めるようになるのに、

なぜ無理をしようとしたのか？

考えてみれば

日本語の本だって、

自然と絵本から挿絵の無い本へと

移行していきますよね。

多読は、簡単にいえば、

洋書を読書し続けるだけなのです。

だからこそ、

英語の絵本から挿絵の無い本へは

日本語と同様、

自然と移行していけるのです。

逆に、英語の難しい本を頑張って読むように、

日本語の難しい本を頑張って読んだら、

面白くないし、内容は頭に入ってこないし、･･･

イイことなんてないですよね。

読書嫌いになる可能性も出てきてしまいます。

そう考えると･･･

もし貴方が、今、‘読もう’としていて、

多読が辛くなっているとしたら･･･。

まずは、

‘読もう’と頑張るのをやめて、

‘心から楽しめる本’を読んでみましょう。

ちなみに、私は、

極端にやさしい絵本

（文字無し絵本やとても易しい絵本）

を暫くの間、読んでいました。

でも、これはあくまでも

私は絵本好きだったから楽しかっただけであって、

何を読むのかは、その人次第です。

悩みがいつ解決するのかは

誰にも分かりません。

私のように、今読んでいる本を

いつか読み直した時かもしれません。

でも、それはそんなに遠い将来ではありません。

どうか、それまでは、

無理せずに、

‘心から楽しめる本’を手に取ってください。

それと

‘心から楽しめる本’かどうか、

‘読もう’と頑張っているかどうか、

は、他人にはわかりません。

でもだからといって、

独りで悩む必要はありません。

多読している誰かに相談してください。

また、できることならば、

自分の興味と関連のある

新しい世界への扉を探してください。

たとえば、サッカーが好きなら、

サッカー選手の英語のインタビューを視聴する

など、です。

今は、チンプンカンプンでも、

多読を続けるうちに、

少しずつ理解できる量が増えていくことを実感できると思います。

実感し始めたら、貴方はもう、

扉の向こうの新しい世界に足を踏み入れています。

そのうち、もやっとしていたのもが

クリアに見えるときが来ます。

そのときの気持ちよさを楽しみにしていてください。

多読をしている皆さん、

多読を通して

人生の楽しみを

どんどん見つけてください。

応援しています。

ABC4YOU 多読・読み聞かせ教室

鈴木祐子

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※貞野浩子先生

SADANO English Studio 代表

多読指導をされています。