昨年末、旦那さんの父上が永眠されました。
長きに渡り闘病生活を続け、82歳にして永眠されました。父上は、右半身付随と重度の言語障害を患っておられました。

みなさんは「胃ろう(胃瘻)」と言う治療方法をご存じですか?
胃ろうとは、口からの食事が出来なくなった患者が、胃から脇腹部分まで管を挿入し皮膚に管を塞ぐ蓋のようなものを取り付け、食事の時間になると点滴の様にパックに入った流動食を皮膚に取り付けて有る蓋を開け、管と管とを合体させて胃に直接流動食を流すと言う治療です。
この治療を行う事により、「誤飲性肺炎」と言う、食べた物が誤って肺に入って起こる肺炎が防げます。
でも、これにより口からの飲食がほぼ出来なくなります。
完全に出来なくなるのではなくて、体調さえ戻れば胃ろうの力を借りずして、口からの飲食は可能になります。

実は、この治療を父上は行いました。
結果、最期まで口からの飲食は出来ませんでした。
父上は亡くなる約3ヶ月前にこの治療を行いました。
残念ながら、父上には助かる選択肢が、もう胃ろうしか有りませんでした。
言語障害と半身付随の父上に変わり、胃ろう手術の同意書にサインをしたのは旦那さんでした。

日本には、胃ろう治療を行って生活を送っておられる方が増えているそうです。
でも胃ろうは、治療を受ける側も、治療を選択する側もとても辛い治療方法です…
けして、胃ろうを受けた全員が、二度と口からの飲食が出来なくなるのではないと言う事だけはご理解下さい。
でももし、身近な方が胃ろうを治療の選択肢に上げられたら、みなさんはその時、胃ろう治療に賛成をされるでしょうか?
実際にその様な状況を迎えなければ想像もつかないでしょ…
胃ろうとは、受ける本人も、それを承諾する家族も辛い治療です。

胃ろうの治療を受け、口からの飲食を断たれた患者を抱えながら、周りの家族は当たり前に飲食を行う。
飲食を断たれたまま最期を迎えた父上…
その父上の亡くなる数日前の笑顔を思い出すと辛いです…
私よりも、胃ろうを受ける事に同意した旦那さんはもっと辛いのに…

胃ろう…
知らない方も多いと思いますが、今、元気で食べ物を自由に食べられるという事がどれだけ有り難い事かを改めて考えさせられる治療です…
医療の進化と共に、日々新しい治療を行う事が出来る様になる反面、元気で、当たり前で有る事がいかに大切かを問われるのも現状かもしれません…