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通勤中の読書について。


 

四冊目の藤岡さん。今回はどんな感動をくれるんだろうおねがい

 

 

 
 
 
 
 
 
 

 

●あらすじ

長年連れ添った夫が突然失踪し、思い出の詰まった家も失った。

理不尽な状況に園原聡子は戸惑い絶望の淵に立ったが、娘や名、誠実な弁護士たちに支えられ、新たな生活に向かって歩み出す。

そして夫を奪った不倫相手、沼田和恵と、法廷で対峙する日がやってきた。底知れぬ悪意に翻弄されながら、それでも強く生きる人々の姿を通して家族、夫婦のあり方を問う感動の長編。

(作品紹介より)

 

 

●感想

ん? 私の感動した藤岡さんはどこへ?

既読の三冊は人の温かさを感じ、涙が止まらない作品だったはずなのに、これはすごい…。

悪意だらけの嫌なやつばっかり。

まずは主人公の夫の裏切りがすごかった。家もお金もすべて処分してある日突然失踪。主人公が気づいたときは

もう家が売却され出て行かないとならない。60歳を過ぎ、まともに働いたこともないのにお金もない。

娘に面倒見てもらえるから…とほとんど何もない状態で家もお金も何とかしないといけない。娘も娘で家庭があるから

金銭的にも時間にも余裕はないのに、なんて勝手すぎる夫なんだ!!と頭にきて仕方がなかった。

不倫相手も、この夫が入院していた先の看護師。その不倫相手の夫や子ども、友人も本当に最悪だった。

類は友を呼ぶという言葉のように、同じような人間が集まるんだね。と自分も気を付けなければと深く思った作品。

主人公は真面目に生きてきたから、娘や姪、弁護士や職場にも恵まれ、誠実に真面目に生きてきた人が救われるラストになっている。

でも藤岡作品には珍しくモヤモヤと嫌な気持ちを持ちながら読んでいた。これって救いがあるの?と不安になるくらい。

そして感動して泣ける部分が一ミリもなかった…。

 

最後は悪い奴をやっつけてすっきりめでてしめでたし!なんだけど、すっきりしないなあ。

主人公の夫は不倫相手に騙されてるともしらず、妻子を捨て、お金をむしり取られ、最後はアパートで最低限のものしか持たずにわびしい生活を送っていて、ひっそりと最期を一人で迎えて…

さすがに目が覚めたんだろうけど、もう元の平凡だけど幸せだった生活に戻れないと分かった時ってどんなだったんだろう。

と、そこがすごく悲しくなってしまった。

バカだよね…。老いへの抗い方を完全に間違えているよ。

 

この主人公の夫もそうだけど、不倫相手もなんだかモデルがいて、著者が復讐の意味を込めて描いたのかなと思うくらい、

徹底的に痛い目を見るラストでちょっと怖かった。身近にそういう人がいたのかな?

 

あとは、この方の経歴に結婚を機に金銭的に夫へ依存することが嫌で、看護学校へ行ったみたいな紹介があったけれど、

その考えが反映されているのかな?

主人公とその娘の境遇や心境が、夫に依存しすぎて、常識もなかったり金銭的な収入がない事への恐怖みたいなのが感じられた。

これを書いたときは違うかもしれないけれど、過去のそういう自分の中での考えみたいなのが反映されてるのかな?

 

 

モヤモヤがとれないから次は明るい作品が読みたいな…と思ったのだけど、

まだまだ予約本の順番は回ってこないから、以前から気になっていた本を借りてみた。

初めて読む作家さん。