こんばんは。

訪問ありがとうございます。


通勤中の読書について。




伊吹さんの「犬がいた季節」を読みました。
借りたときは0だったのに、なぜか予約数が増えていて延長ができない。

 

●あらすじ

1988年夏の終わりのある日、高校に迷い込んだ一匹の白い子犬。
「コーシロー」と名付けられ、以来、生徒とともに学校生活を送ってゆく。
初年度に卒業していった、ある優しい少女の面影をずっと胸に秘めながら…。

昭和から平成、そして令和へと続く時代を背景に、コーシローが見つめ続けた18歳の逡巡や決意を、
瑞々しく描く青春小説の傑作。


●感想

まず、大きな勘違いをしていました。町田そのこさんの予約している「52ヘルツのくじら」と完全にあらすじを混同。

あれ?と思いながら読んでいて途中で気づきました。どちらも昨年からはまっていて読破を目指しています。


今回も、すっごく良かったです!!

公立高校で迷い込んだ犬を飼い始めた時から始まります。犬を世話する会があり代々生徒が代わる短編。犬のコーシロー視点もあり、桜の咲く頃に送り出すと言うのがなんとも切ない。

と同時に生徒たち側も恋愛や友情など思春期特有の出来事がありそれがまた切ない。

三年間の短い中に、いろんな物語があるんだと思うと、私もそういう時代があったな、と懐かしくなる。

昭和、平成、令和と時代は移るけれど、私の時代は見事に飛ばされている。

でも、懐かしいしその時代を象徴する出来事は覚えており、そこも懐かしい。

ノストラダムスの大予言とか、たまごっちとか本当に真っ只中にいた。

1999年7月に地球が滅ぶと言う予言に小学生だった私たちは振り回された気がする。

8月の学校行事ができない!と思ってドキドキしながら7月を過ごしたのを覚えている。

高校視点は分からないけれど、小学生でも地球滅亡への不安は感じていた。

懐かしいなあ。


1話目の二人がとっても気になったし、章の終わりの早瀬の言葉に電車の中でうるうるしてしまった。「もっと大人だったら」というような。

伊吹さんって恋愛モノうまいよな。

独りよがり感はなく、素直に感動してしまう言葉や表現をつかってくれる。


2話目の友情モノも良かった。

共通点がなくても、三年間で考えるとほんの一瞬にあたる数日を過ごした二人がずっと忘れられない思い出となるんだと思うと、また泣けた。

卒業と同時に潔く別れても、あの数日を思い出すんだろうなとか。


他の話も全部それぞれに泣けた。

爽やかだけど、卒業が別れになって、送り出すコーシローの心情も切ない。


最終章の終わりは上手く纏めた感じはするけれどその後を知ることができて良かった。

切ないだけでなく、ほっこり温かく、全てを読み終えたあとは笑顔になれた。


青春モノって大人になると気が乗らないので避けていたけれど、伊吹さんの作品なら積極的に読みたいと思える。


すごいなー。本屋大賞ノミネートも納得!

今年も早々に良い本に出会えた。

これを打ち込んでいる今も思い出してちょっとうるうる。

もう一回読み直して、余韻を味わおう。


そう言えばこの本を読んでいて思い出した。

飼育小屋で飼われていたウサギが年を取って体が不自由になったので、5年生の頃から教室で飼われていた。飼育小屋にいたときはかなり狂暴で、飼育委員をしていた私もあんまり近づきたくないというか、他の子が噛みつかれたり蹴られたていたのだけど、すっかり動けなくなってしまったのを見て結構ショックを受けた気が。

2年間飼われていて、ふつうにクラスに溶け込んでいたけれど、私たちが卒業した春休みに死んでしまった。

あのウサギも私たちを送り出したと寂しくなっていたのかな?とちょっと、しみじみ。

2年間の短い間だったけれど、なんとなく忘れられずにいる。


それもあってかコーシローが生徒を見送るところとかよけい感動した。

ウサギはうるさい子どもたちがいなくなった!と思っていたかもしれないけど赤ちゃん泣き



自分も生徒の一員であるような気分になった。

不覚にも家で思い出してうるうる…次の日目が腫れていたので、休みで良かった(花粉症もあるとは思う)

自分の学生じだいも大人から見るとキラキラしていたのかな?

学生時代って限りある時間だからこそ中身の濃い期間だったな、と大人になり振り返ると思う。

もっと1日1日大事にしておけば良かったかも。



彼方の友への次にこの本が好きかも。




次はこちら↓

これはかなりヤバイ…(良い意味で)
通勤中には読めない内容。朝から涙腺決壊しないように慎重に読んでいる。
今は最終章なんだけど、だいたい予想がつく展開で、電車の中ではちょっと読めないな。
休み前に号泣しながら読み終えようと思っているえーん
じっくりと世界観に浸りながら読み終えたい作品。