-早乙女 照-編 1-2
あれから半月が経過した。
警備期間は延長され、警備チームは岡咲が指揮を取ることになった。
岡咲は皆に言った。
「ややこしい警備は不要です。人員も半分に減らしました。
Gメンの方々には捜査から外れてもらいます。監視カメラのみの警備とさしていただきます。」
あまりにも無謀とも言える計画に従業員は驚いていた。
すると店長が岡咲に言った。
「岡咲さん、犯人は警備の隙をついてきます。カメラだけの監視では向こうの思うツボだ。姿すら目撃できないのに・・・どういうつもりかね・・・。
岡咲は薄笑いしながら言った。
「まぁ・・見ていてください。以前も伝えましたが私には特別捜査が許可されています。
簡単に言うなら、犯人自信から名乗りでていただきます・・・。」
どういう事なのか、検討もつかなかった。
そして明日、岡咲の計画が実行された。
店内は以前に比べ、スッキリとしていた。
警備員の数を減らしたせいか、客入りはいつもと変わらない。
事務所には監視カメラの映像モニター数台と、岡咲の手元にはスタンドマイクと・・・何かを探知しているであろう妙な機器が設置されていた。
それには無数の赤い光が点いたり消えたりしていた。
そして、丁度12時を迎え客入りはピークを迎えた。岡咲は体勢を整え言った。
「そろそろですね、この時間帯に犯行が行われていた可能性が大きいです。特にお惣菜コーナーはとくに被害が大きい。ここに注目しましょう。」
皆の視線がカメラに集中している。たくさんの客が映し出されている。
だが、これだけで犯人を特定できるのであろうか。
その時、岡咲の手元にあった機器から、「ビービービー!」とブザーが鳴り始めた。何かに反応したようだ。岡咲は言った。
「獲物がかかりましたね、場所は・・・既に店外に移動してますね。
では・・実行に移しましょう。」
岡咲はそういうと、スタンドマイクを手に取り、喋り始めた。
「驚きましたね・・・アナタは本当に我々の目をごまかし犯行に及んでいたんですね。アナタが手に持っている商品には、音声マイクロステッカーと特殊磁気バーコードステッカーが設置されています。レジカウンターにてバーコードスキャンを行わない限り、機能は解除されません。
尚、アナタは今店の外、半径1キロ以内にいます・・・。」
いきなり手元の商品から声が聞こえてきて驚きを隠せない犯人。
商品を手にしていたのは・・照だった。事故にあったせいか顔や手には傷が目立つ。
照は突然の出来事に驚きを隠せないでいた。
「なんだよ・・こりゃ・・・誰だこいつは・・・ふざけやがって・・どうなってんだよ。」
岡咲は照を煽るかのように・・・。
「聞く余裕があれば・・・今アナタを探しに捜査員が向かっています。居場所は限定されてますからすぐに追い付くでしょう。尚、5秒後にこの音声機は自動小爆発します。では泥棒さん、刑務所でお会いしましょう。」
「バシュー!!!」
鋭い爆発音と共に音声機は、岡咲の遠隔操作にて破壊された。
照は、すぐに商品を捨て遠くへ走って行った。
「ちくしょう・・・フザケやかって、捕まってたまるか。生き残ってみせてやるよ・・・くそ・・・くそくそくそくそ!!!!!。」
それから1分にも満たない間に警備員達が現れた。
「いない・・・だかそう遠くへは行ってないはずだ。捜し出せ!。」
警備員達は更に追跡を進めた。
そこへ岡咲が現れた。
「やはり、商品を捨て逃げさりましたか。期待はできませんが商品の指紋検査を・・そして直ぐに店へ戻り監視映像の確認を、逃げ足の早さからして年齢は若いはずです。」
10分後、事務所へと戻った岡咲はすぐに監視映像の確認をした。
その時、店長が岡咲に声をかけた。
「犯人は!捕まりましたか?!」
「いいえ、しかし犯人を特定する事が可能になりました。監視映像で注目すべきは商品に張りついていた特殊バーコードステッカーが反応した場所、つまり店をでて半径500メートルを商品を持って通過した人物、商品が落ちていた道は東の遊歩道でしたから店の東口から出ていった可能性が高いです。もっともこの番号の商品が置いてあったのがお惣菜コーナーの右端ですからそこに注目しましょう。」
店長は驚きながら期待を胸にカメラに注目した。
・・・・・映像を確認し始めて30分が経過した。何度も巻き戻し映像を確認したが犯人を確認する事ができない。それどころか奇妙な出来事が起こっていた。
それを見て、岡咲は顔を歪めながら言った。
「妙なだな、これは・・・どうなってる。犯人は・・いや・・それどころか盗難されたこの商品が・・・一瞬にして消えるのはなぜだ・・誰かが手にとる瞬間が映っていない。」
そう、照がこの商品を手にした瞬間が録画されていないのだった。映像が激しくブレて、映像が回復したときにはもう商品がないのだ。
店長が不思議そうに言った。
「どうなってるんだ。肝心の犯行現場が映らないじゃないか。それに肝心の所で映像がブレるのはなぜだ・・・・どうなってる!!!」
すると、岡咲は何かに気ずいたように口を開いた。
「まさか・・・いや・・・だがこんな短時間で・・。」
「なんですか岡咲さん!説明してください!!なぜ映像が!?」
興奮している店長に岡咲は目を大きく開いて言った。
「これは映像の重複録画、元に撮影された犯行現場の映像が削除されてます・・・この短時間で・・・・バカな・・・だが・・・可能なのか。・・・・・・何にせよ・・・・初戦は私の・・・・・・・惨敗ですかね。」
その頃事務所の裏手、店の裏側にあるコンテナの影で何かをしている人影が見える。
「ハァ・・ハァ・・・くっ・・・クククククク・・私の惨敗か・・その通り・・・・お前負けだ・・間に合ったようだな・・あらかじめ手に入れておいて良かったよ。」
照は小型のパソコンのような物を持っている。何かを操作しているようだ。
そう、監視映像を削除したのは照だったのだ。
あの時、商品を捨て逃げ去ったと思われたが照は、真っ先に店へと裏回りしていた。
監視映像を確認されてしまう危険性を一早く感じ、映像を消すために逆戻りしていた。
「万引きするたびに監視映像をいじればいつか怪しまれちまうからな・・・こういう時の為に手段を温存しておいて良かった・・・多少荒くなったがこれで・・・証拠は消えた・・・だが・・・しばらくはこの店には近ずけなくなったな・・・まぁ・・・・・楽しかったよ・・・岡咲・・さん。」
照は、人目を警戒しながら遠くへ歩いていった。
その夜店の事務所では暗い空気の中、店長と支配人、そして岡咲と数人の警官がいる。
すると、岡咲が・・・
「店長さん、この店の被害状況は金額にするとどれくらいですかね。」
「いや・・正確な金額は計算しないとわかりませんが・・ざっと一ヵ月の売上の3分の1以上って所でしょうか。大半が食料関係に被害が・・・。」
すると、岡咲が何かの資料を取出し店長に見せて来た。
「・・・これは、特別令状というもので、通常の逮捕、捜査令状とは若干違います。
これは、未成年犯罪や軽犯罪に関わらず強制逮捕、刑務所への送検が許されます。
今回の事件のように、店などに莫大な被害を浴びせられたなどの場合、店側が申請すれば発令することができます。
捜査は通常よりも強化され、犯人に対して監禁、強制尋問、場合によれば射殺さえも許されます。
どうでしょうか?・・・申請していただければすぐに捜査本部を立ち上げ特別令状を発令させます。」
店長は急な問い掛けに戸惑いを隠せなかった。しかし、これまでの被害を考えると何としても犯人を捕まえたい。
店長と支配人は迷っている暇はなかった。
「分かりました。当店が申請しますよ。犯人は複数かもわかりませんが時間は惜しみません。他でも被害が増大しない内に捕まえていただきたい・・・よろしくお願いします。」
支配人が頭を下げ、書類にサインを書き始めた。
すると、岡咲が店長に言った。
「おそらく犯人は一人でしょう。しかも・・・かなり頭の良い人間だと思います。犯行は一回ではなく1日に数回・・犯人なりに計算した時間帯に現れ犯行を繰り返しているのでしょう。
盗まれる食材の種類、衣類にいたるまでの年齢層を考えるとかなり若い・・・食料にまで手を出してくるという事は・・・生活に困っているか・・・例えば・・・両親不在とか・・今回の捜査は決して無駄ではなく、正確な手掛かりを手に入れる事ができました。」
支配人は書類を書き終え、顔を上げて言った。
「我々にはもう何もできないが、是非なにかあれば協力しますよ。」
岡咲は立ち上がり言った。
「ありがとうございます。では私達はこれで失礼します。
しばらくの間は犯人はこの店には手を出しては来ないと思いますが、警戒することに越した事はありません。
では・・・特別令状が発令されましたら後日連絡させていただきますので・・・。」
岡咲と警官達は店長と支配人に頭を下げ、店を後にした。
帰り道、車の中で警官の一人が岡咲に聞いてきた。
「岡咲さん、確かに手掛かりは手に入りましたが・・・証拠としては不充分ではありませんか?・・例の商品からも指紋結果はでなかったらしいですよ・・・?」
すると岡咲は薄笑いしながら・・・
「大丈夫ですよ、犯人はおそらく子供で間違えない。盗品の種類からみても大人とは考えにくい・・・だが・・・子供にしては・・・犯行手段といい・・・監視映像の削除といい・・・やる事はまさに天才というべきか・・・店側には伝えてませんでしたが、一つ気になる事があって・・事務所の裏側へ行ってみました。外へ突き抜けている換気扇ダクトを調べていたら奥の方にこれが仕掛けられてました。
岡咲はポケットから照が仕掛けていた小型盗聴機を出してきた。
「それは!!なんでそんなものが事務所の裏に!?」
「犯人が監視映像を捜査できたという事は、事務所にあった録画機器らの周波数をあらかじめ調べてあったという事になる。そしてここまでの完璧な犯行を遂行できるという事は、店側の情報を手に入れていたからだという事です。・・・・実に腹が立つ話です。」
岡咲は怒った表情で盗聴機を警官に渡した。
「この盗聴機からも指紋採取を・・・・・」
警官は盗聴機を受け取ると岡咲に恐る恐る聞いた。
「あの・・・必ず捕まえてやりましょう。」
岡咲はニヤリと笑い答えた。
「そうですね・・・おそらく思ってるほど長期戦にはならないでしょうね。・・・しかし・・・こんな犯罪者がいたとはね・・万引きという犯罪をここまで正確にこなすとは・・笑うに笑えませんね。
しかし、悪の芽は必ず摘んでおかないと。
巨大な悪魔に成長する前に・・・」
岡咲達の車は全日本警察本部へと向かうのであった。
警備期間は延長され、警備チームは岡咲が指揮を取ることになった。
岡咲は皆に言った。
「ややこしい警備は不要です。人員も半分に減らしました。
Gメンの方々には捜査から外れてもらいます。監視カメラのみの警備とさしていただきます。」
あまりにも無謀とも言える計画に従業員は驚いていた。
すると店長が岡咲に言った。
「岡咲さん、犯人は警備の隙をついてきます。カメラだけの監視では向こうの思うツボだ。姿すら目撃できないのに・・・どういうつもりかね・・・。
岡咲は薄笑いしながら言った。
「まぁ・・見ていてください。以前も伝えましたが私には特別捜査が許可されています。
簡単に言うなら、犯人自信から名乗りでていただきます・・・。」
どういう事なのか、検討もつかなかった。
そして明日、岡咲の計画が実行された。
店内は以前に比べ、スッキリとしていた。
警備員の数を減らしたせいか、客入りはいつもと変わらない。
事務所には監視カメラの映像モニター数台と、岡咲の手元にはスタンドマイクと・・・何かを探知しているであろう妙な機器が設置されていた。
それには無数の赤い光が点いたり消えたりしていた。
そして、丁度12時を迎え客入りはピークを迎えた。岡咲は体勢を整え言った。
「そろそろですね、この時間帯に犯行が行われていた可能性が大きいです。特にお惣菜コーナーはとくに被害が大きい。ここに注目しましょう。」
皆の視線がカメラに集中している。たくさんの客が映し出されている。
だが、これだけで犯人を特定できるのであろうか。
その時、岡咲の手元にあった機器から、「ビービービー!」とブザーが鳴り始めた。何かに反応したようだ。岡咲は言った。
「獲物がかかりましたね、場所は・・・既に店外に移動してますね。
では・・実行に移しましょう。」
岡咲はそういうと、スタンドマイクを手に取り、喋り始めた。
「驚きましたね・・・アナタは本当に我々の目をごまかし犯行に及んでいたんですね。アナタが手に持っている商品には、音声マイクロステッカーと特殊磁気バーコードステッカーが設置されています。レジカウンターにてバーコードスキャンを行わない限り、機能は解除されません。
尚、アナタは今店の外、半径1キロ以内にいます・・・。」
いきなり手元の商品から声が聞こえてきて驚きを隠せない犯人。
商品を手にしていたのは・・照だった。事故にあったせいか顔や手には傷が目立つ。
照は突然の出来事に驚きを隠せないでいた。
「なんだよ・・こりゃ・・・誰だこいつは・・・ふざけやがって・・どうなってんだよ。」
岡咲は照を煽るかのように・・・。
「聞く余裕があれば・・・今アナタを探しに捜査員が向かっています。居場所は限定されてますからすぐに追い付くでしょう。尚、5秒後にこの音声機は自動小爆発します。では泥棒さん、刑務所でお会いしましょう。」
「バシュー!!!」
鋭い爆発音と共に音声機は、岡咲の遠隔操作にて破壊された。
照は、すぐに商品を捨て遠くへ走って行った。
「ちくしょう・・・フザケやかって、捕まってたまるか。生き残ってみせてやるよ・・・くそ・・・くそくそくそくそ!!!!!。」
それから1分にも満たない間に警備員達が現れた。
「いない・・・だかそう遠くへは行ってないはずだ。捜し出せ!。」
警備員達は更に追跡を進めた。
そこへ岡咲が現れた。
「やはり、商品を捨て逃げさりましたか。期待はできませんが商品の指紋検査を・・そして直ぐに店へ戻り監視映像の確認を、逃げ足の早さからして年齢は若いはずです。」
10分後、事務所へと戻った岡咲はすぐに監視映像の確認をした。
その時、店長が岡咲に声をかけた。
「犯人は!捕まりましたか?!」
「いいえ、しかし犯人を特定する事が可能になりました。監視映像で注目すべきは商品に張りついていた特殊バーコードステッカーが反応した場所、つまり店をでて半径500メートルを商品を持って通過した人物、商品が落ちていた道は東の遊歩道でしたから店の東口から出ていった可能性が高いです。もっともこの番号の商品が置いてあったのがお惣菜コーナーの右端ですからそこに注目しましょう。」
店長は驚きながら期待を胸にカメラに注目した。
・・・・・映像を確認し始めて30分が経過した。何度も巻き戻し映像を確認したが犯人を確認する事ができない。それどころか奇妙な出来事が起こっていた。
それを見て、岡咲は顔を歪めながら言った。
「妙なだな、これは・・・どうなってる。犯人は・・いや・・それどころか盗難されたこの商品が・・・一瞬にして消えるのはなぜだ・・誰かが手にとる瞬間が映っていない。」
そう、照がこの商品を手にした瞬間が録画されていないのだった。映像が激しくブレて、映像が回復したときにはもう商品がないのだ。
店長が不思議そうに言った。
「どうなってるんだ。肝心の犯行現場が映らないじゃないか。それに肝心の所で映像がブレるのはなぜだ・・・・どうなってる!!!」
すると、岡咲は何かに気ずいたように口を開いた。
「まさか・・・いや・・・だがこんな短時間で・・。」
「なんですか岡咲さん!説明してください!!なぜ映像が!?」
興奮している店長に岡咲は目を大きく開いて言った。
「これは映像の重複録画、元に撮影された犯行現場の映像が削除されてます・・・この短時間で・・・・バカな・・・だが・・・可能なのか。・・・・・・何にせよ・・・・初戦は私の・・・・・・・惨敗ですかね。」
その頃事務所の裏手、店の裏側にあるコンテナの影で何かをしている人影が見える。
「ハァ・・ハァ・・・くっ・・・クククククク・・私の惨敗か・・その通り・・・・お前負けだ・・間に合ったようだな・・あらかじめ手に入れておいて良かったよ。」
照は小型のパソコンのような物を持っている。何かを操作しているようだ。
そう、監視映像を削除したのは照だったのだ。
あの時、商品を捨て逃げ去ったと思われたが照は、真っ先に店へと裏回りしていた。
監視映像を確認されてしまう危険性を一早く感じ、映像を消すために逆戻りしていた。
「万引きするたびに監視映像をいじればいつか怪しまれちまうからな・・・こういう時の為に手段を温存しておいて良かった・・・多少荒くなったがこれで・・・証拠は消えた・・・だが・・・しばらくはこの店には近ずけなくなったな・・・まぁ・・・・・楽しかったよ・・・岡咲・・さん。」
照は、人目を警戒しながら遠くへ歩いていった。
その夜店の事務所では暗い空気の中、店長と支配人、そして岡咲と数人の警官がいる。
すると、岡咲が・・・
「店長さん、この店の被害状況は金額にするとどれくらいですかね。」
「いや・・正確な金額は計算しないとわかりませんが・・ざっと一ヵ月の売上の3分の1以上って所でしょうか。大半が食料関係に被害が・・・。」
すると、岡咲が何かの資料を取出し店長に見せて来た。
「・・・これは、特別令状というもので、通常の逮捕、捜査令状とは若干違います。
これは、未成年犯罪や軽犯罪に関わらず強制逮捕、刑務所への送検が許されます。
今回の事件のように、店などに莫大な被害を浴びせられたなどの場合、店側が申請すれば発令することができます。
捜査は通常よりも強化され、犯人に対して監禁、強制尋問、場合によれば射殺さえも許されます。
どうでしょうか?・・・申請していただければすぐに捜査本部を立ち上げ特別令状を発令させます。」
店長は急な問い掛けに戸惑いを隠せなかった。しかし、これまでの被害を考えると何としても犯人を捕まえたい。
店長と支配人は迷っている暇はなかった。
「分かりました。当店が申請しますよ。犯人は複数かもわかりませんが時間は惜しみません。他でも被害が増大しない内に捕まえていただきたい・・・よろしくお願いします。」
支配人が頭を下げ、書類にサインを書き始めた。
すると、岡咲が店長に言った。
「おそらく犯人は一人でしょう。しかも・・・かなり頭の良い人間だと思います。犯行は一回ではなく1日に数回・・犯人なりに計算した時間帯に現れ犯行を繰り返しているのでしょう。
盗まれる食材の種類、衣類にいたるまでの年齢層を考えるとかなり若い・・・食料にまで手を出してくるという事は・・・生活に困っているか・・・例えば・・・両親不在とか・・今回の捜査は決して無駄ではなく、正確な手掛かりを手に入れる事ができました。」
支配人は書類を書き終え、顔を上げて言った。
「我々にはもう何もできないが、是非なにかあれば協力しますよ。」
岡咲は立ち上がり言った。
「ありがとうございます。では私達はこれで失礼します。
しばらくの間は犯人はこの店には手を出しては来ないと思いますが、警戒することに越した事はありません。
では・・・特別令状が発令されましたら後日連絡させていただきますので・・・。」
岡咲と警官達は店長と支配人に頭を下げ、店を後にした。
帰り道、車の中で警官の一人が岡咲に聞いてきた。
「岡咲さん、確かに手掛かりは手に入りましたが・・・証拠としては不充分ではありませんか?・・例の商品からも指紋結果はでなかったらしいですよ・・・?」
すると岡咲は薄笑いしながら・・・
「大丈夫ですよ、犯人はおそらく子供で間違えない。盗品の種類からみても大人とは考えにくい・・・だが・・・子供にしては・・・犯行手段といい・・・監視映像の削除といい・・・やる事はまさに天才というべきか・・・店側には伝えてませんでしたが、一つ気になる事があって・・事務所の裏側へ行ってみました。外へ突き抜けている換気扇ダクトを調べていたら奥の方にこれが仕掛けられてました。
岡咲はポケットから照が仕掛けていた小型盗聴機を出してきた。
「それは!!なんでそんなものが事務所の裏に!?」
「犯人が監視映像を捜査できたという事は、事務所にあった録画機器らの周波数をあらかじめ調べてあったという事になる。そしてここまでの完璧な犯行を遂行できるという事は、店側の情報を手に入れていたからだという事です。・・・・実に腹が立つ話です。」
岡咲は怒った表情で盗聴機を警官に渡した。
「この盗聴機からも指紋採取を・・・・・」
警官は盗聴機を受け取ると岡咲に恐る恐る聞いた。
「あの・・・必ず捕まえてやりましょう。」
岡咲はニヤリと笑い答えた。
「そうですね・・・おそらく思ってるほど長期戦にはならないでしょうね。・・・しかし・・・こんな犯罪者がいたとはね・・万引きという犯罪をここまで正確にこなすとは・・笑うに笑えませんね。
しかし、悪の芽は必ず摘んでおかないと。
巨大な悪魔に成長する前に・・・」
岡咲達の車は全日本警察本部へと向かうのであった。
-早乙女 照-編 1-1
この辺りでは大きく展開されている某ショッピングセンター。
最近、この店では万引きによる被害が絶えず、その被害状況はすでに万引きなどという低いレベルのものではない。
事務所ではその話題が広がり、徹底的に万引き対策を練られている。
その中で、支配人の苦汁の声が大きく広がっている。
「一体どういう事だ!これほどまで警備を厳重にし、監視システムに至るまで設置したというのに、なぜ犯罪を防止できない!!
万引きに働いてる奴らの被害は例年に比べ増加している!
ふざけてる・・・」
愚かにも、従業員は支配人を含め、犯人を目視、当然防ぐ事すらできていない。
従業員の一人が支配人に呟いた。
「私たちも仕事中も含め、休憩中も監視カメラを見て警戒しています。しかし、これほどの来客がある当店で一人の犯罪者をみつけだすのは・・・」
すると店長は、「不可能とでも言いたいのか!?こいつらさえ消えれば問題ないのだ!・・・しかし大事にはしたくない。店のイメージを悪くし、更に売り上げが落ちるのはゴメンだ。」
事務所内は静まりかえった。
目に見えもしない敵。あらゆる手段を実行しても、経費のみの減少。
誰もが呆れかけた時、店長が立ち上がり、皆に言った。
「だからこそ、私は決断した。
皆にはまだ未報告だが・・・経費もばかにならないが、悪の目は潰して置かねばならん。
明日より、警官数人による店内及び、店外1キロまでの完全監視。
さらに10人弱のGメンを配置。
これを、1ヶ月間実行する。
皆、協力してほしい。」
店長は、従業員の前で深々と頭を下げた。
当然、皆協力を惜しまず共に戦う決意を固めた。
だが、それを嘲笑う悪魔がいる事をまだ誰もしらない。
それはちょうど事務所の裏側、人目から離れた店の裏手から聞こえてきた。
「フフ・・能無しはかわいそうだな全く。
っていうか・・・そうか・・・お巡りさんによる完全監視ってか。
完全の裏には必ず抜け穴があるんだが・・・分からねぇか。
現に、アンタ達の些細な大作戦も筒抜けだっつの。
笑わせるよね。」
言うまでもなくそれは照だった。 なぜ店側の状況を把握できたのか。照は有能な犯罪を犯すために、必要なのは悪知恵だけでなく当然、小道具も所持している。
このショッピングセンターはオープン当初から照が目をつけていた場所である。
ここでの照の万引き回数は100を越えている。
その成功の裏に隠されている武器。
例にだすなら、盗聴機だ。
店側の情報が密集している事務所内部には必ず照は盗聴機を仕掛ける。
今回も同じ方法である。
夜の内に事務所から外へ出ている換気扇ダクト内部に設置。
できるだけ部屋に近い場所への設置が基本である。
照からすれば、犯行エリアは庭そのものだ。
翌朝、オープン15分前。
店内でミーティングが行われた。そこには、重装備をした警官10人と来客に化けたGメンが10人。
警官の一人が代表し、皆に声を上げた。
「今日より、こちらの警備に配置されました20人の警備員ですが、決して我々だけを頼りにしないでください。皆さんも協力を惜しまないでいただきたい。
不審人物がいた時は、すぐに我々に通達してください。
犯人は一人だけじゃないはずです。例え万引きにしても、犯罪なのです。大人はもちろん子供にしても決して油断しない事です。」
警官は厳しく注意した。
そして、オープンを迎えた。
同時に、決して少なくはない人数の客が店内入りした。
警備員達の目が光る。
監視カメラでの警戒。
Gメンの追跡調査。
出入口の完全警備。
抜け道などあるはずかない。
そして午前12時過ぎ、
悪魔が降り立った。
照は慣れた足取りで犯行エリアへと行った。
照は商品を手にとり、全く警戒する素振りすらせず上着の下にきているシャツの中、懐に入れた。
見た目では懐に何かが入ってるようには見えない。
あらかじめ照は大きめの服装を着こんできた。
盗品の膨らみをごまかす為だ。
照は2、3品を盗みそのまま外へと出て行ったのだ。
その犯行時間およそ5分。
外に出た照は・・・笑いを堪えつつ、心の中で言った。
(これが笑わずにいられるか・・・
あれだけの警備を配置したのにも関わらず何故わからない・・最もその完全監視という事こそ、まさに死角を生み出す餌なんだよ。
単純に考えて見ろ・・警備の数が増えるって事はそれだけ警官を特定できやすくなるんだよ。更に基本的にGメンは犯人を見つけだす為に視線があちこちに向けられる。無線を使用する為にマスクを着用し無線機の配線を隠す為に厚めの長袖を来ている。
今はもう春だから厚着をしている客は少ない。
そして監視カメラには必ず死角が存在する。
大抵ショッピングセンターにあるカメラは遠隔操作ができないタイプだ。
カメラの死角は真下、んでもって・・一般客は人が思ってるほど他人を見ていない。
盗むときな案外大胆にやったほうがいい・・・もっとも・・アンタ達の敗因は単純そのものだ。
それは・・・。)
(時間帯による警備力のレベルダウンだ。人間は1日の内もっとも疲れが溜まるのは昼間なんだよ。さらにこの店では昼どきになると来客数が倍増すると同時に従業員を増やす光景がある。
という事は、警備員達の警備範囲は広くなり、こちらとしては動きやすくなる。
よほど不審な行動を取らないかぎり、一人の客を警戒すらしないだろう・・・まぁ・・・とにかく僕の勝ちだ。・・・やれるだけやらせてもらう。)
照はその後、夕方、さらに閉店間際と犯行を繰り返した。
収穫は食品10品以上、衣類数着を盗んだのだ。
そして閉店を迎えた店では、事務所にてミーティングが行われていた。
支配人の声が響いていた。
「さきほど、売上げの確認と残品との比較を調べた。結果、反比例との結果だ。
会計ミスと考えても割に合わない計算です。
今日も・・・やられました・・・。」
従業員は肩を落とした。いつもにも増して警戒していた。更に警備員配置で安心すらしていた。
だが、結果は惨敗。
怒りすらわいてこない。
そんな中、Gメンの一人が話出した。
「まだ始まったばかりです。継続して警戒してる内に要注意人物等も浮上してくるはずです。必ず捕まえてみせます。」
Gメンは力強く声を発した。
しかし、その後前向きに立ち直った従業員はいなかった。
長い1日が終わった。
その頃、店から3キロほど離れた公園。
照の姿がある。
照るには家がなく、まさにホームレス状態なのだ。万引きという快楽の裏には、苦しい現実が隠れていた。
だが照は、そんな苦しさなど感じさせないほど堂々と生活している。
「・・・・・・・・・ぁあ・・う・・・・う・・・・・・・・うめぇ・・や・・・・いやぁ食った食った。腹にたまったよ。
確か店のアレだと1ヶ月は警戒が続くんだよなぁ。油断はできねぇか・・・。」
照はこうして犯行に出た日の夜は必ず反省しながら更なる計画を練るのだ。それこそが成功の秘訣だと言う事だ。
「退屈だな・・・散歩でも行くかぁ。」
照は公園からでて街道へと出ていった。時間帯のせいか、歩いてる人は見当たらない。目立つのは薄暗い電柱に夜間トラック。
妙な静けさに包まれている。
照はフッ・・・と道を見た。
道のど真ん中で猫が倒れていたのだ。照は死んでいるのかと思い猫の所へ走っていった。
照が近ずいていくと、急に猫は起き上がり走り去っていった。
「何だよ・・・死んだフリってか。」
照は歩道へと戻ろうとしたその時・・・・。」
「ドカーン!!ギギィー!!」
一瞬の出来事だった。
大型トラックが照に猛スピードで突っ込んできたのだ。
照は猫に気を取られトラックの接近にきずかなかったのだ。
照は50メートルほど吹き飛ばされた。
トラックは急ブレーキをかけ、急停止した。・・・運転手が降りてきた。
「マジかよ・・・人間だったよな・・・何処だよ・・死体・・?? 生きてるのかよ・・・何なんだよ・・・」
運転手は頭を抱えながら照を探していた。
しかし、照の姿が見えない。
確認出来たのは、照が着ていた服の切れ端と、トラックのバンパーに付着していた血痕だけだ。
照は・・・死んでしまったのか・・
通常なら即死、あるいわ重傷のはずだ。
だがそこに、照の姿は無かった。
一ヵ月、例のショッピングセンターのは特別警備期間を終えようとしていた。
支配人は顔を歪めて話をしている。
「今日で警備態勢は解除される。・・・皆も分かっている事だろうと思うが、一体何が改善されただろうか。被害は増大する一方だ。こんな事は言いたくはないが、警備の意味は殆ど無く、無駄な経費が消えていっただけだ。・・・」
そう、肝心の犯行を押さえるどころか犯人すら分からないままなのだ。ただ虚しさが店内をうめつくしていた。
誰もが諦めかけていた・・・、
その時、事務所のドアが開いた。警官の一人が、見たことのない人物を一人連れて入ってきた。
そして、警官が皆に言った。
「今回の完全警備、確かに我々の惨敗です。我々は、万引きという犯罪をこれほどのまで確実かつ悪質にこなす輩がいた事に驚いています。
だからこそ、これは第一級犯罪として警察は認識致しました。
手段を選ばず、必ず犯人を逮捕します。」
警官は力強く行って来た。
しかし、店長は・・・
「これ以上の捜査方法があるのですか?正直我々はあなた達警察への信頼すら失いつつあります。」
その時、警官が連れてきた男が口を開いた。
「今は、犯人を捕まえる事が優先されます。その為にはまずアナタ方の協力が必要です。私が来た限り、犯人に逃げ場を与えません。必ず、犯人を縛り上げアナタ方の目の前でひれ伏させて見せましょう。」
男は自信をもって皆に言った。
だが、男の目に迷いは無さそうだ。真っ直ぐな目をしている。
すると店長は・・・、
「気持ちは有り難いが・・・いや・・・協力は惜しまないつもりだが、
アナタは一体・・?」
男はニヤリと笑い答えた。
「私は全日本警察、特例任務を請け負っています、諜報部員です。決して表の世界に顔を出さない警備機関かのです。
対応しているのは第一級犯罪のみ・・・。
偽名にて失礼します。
私の名前は岡咲 港(オカザキ ミナト)
宜しくお願いします。」
最近、この店では万引きによる被害が絶えず、その被害状況はすでに万引きなどという低いレベルのものではない。
事務所ではその話題が広がり、徹底的に万引き対策を練られている。
その中で、支配人の苦汁の声が大きく広がっている。
「一体どういう事だ!これほどまで警備を厳重にし、監視システムに至るまで設置したというのに、なぜ犯罪を防止できない!!
万引きに働いてる奴らの被害は例年に比べ増加している!
ふざけてる・・・」
愚かにも、従業員は支配人を含め、犯人を目視、当然防ぐ事すらできていない。
従業員の一人が支配人に呟いた。
「私たちも仕事中も含め、休憩中も監視カメラを見て警戒しています。しかし、これほどの来客がある当店で一人の犯罪者をみつけだすのは・・・」
すると店長は、「不可能とでも言いたいのか!?こいつらさえ消えれば問題ないのだ!・・・しかし大事にはしたくない。店のイメージを悪くし、更に売り上げが落ちるのはゴメンだ。」
事務所内は静まりかえった。
目に見えもしない敵。あらゆる手段を実行しても、経費のみの減少。
誰もが呆れかけた時、店長が立ち上がり、皆に言った。
「だからこそ、私は決断した。
皆にはまだ未報告だが・・・経費もばかにならないが、悪の目は潰して置かねばならん。
明日より、警官数人による店内及び、店外1キロまでの完全監視。
さらに10人弱のGメンを配置。
これを、1ヶ月間実行する。
皆、協力してほしい。」
店長は、従業員の前で深々と頭を下げた。
当然、皆協力を惜しまず共に戦う決意を固めた。
だが、それを嘲笑う悪魔がいる事をまだ誰もしらない。
それはちょうど事務所の裏側、人目から離れた店の裏手から聞こえてきた。
「フフ・・能無しはかわいそうだな全く。
っていうか・・・そうか・・・お巡りさんによる完全監視ってか。
完全の裏には必ず抜け穴があるんだが・・・分からねぇか。
現に、アンタ達の些細な大作戦も筒抜けだっつの。
笑わせるよね。」
言うまでもなくそれは照だった。 なぜ店側の状況を把握できたのか。照は有能な犯罪を犯すために、必要なのは悪知恵だけでなく当然、小道具も所持している。
このショッピングセンターはオープン当初から照が目をつけていた場所である。
ここでの照の万引き回数は100を越えている。
その成功の裏に隠されている武器。
例にだすなら、盗聴機だ。
店側の情報が密集している事務所内部には必ず照は盗聴機を仕掛ける。
今回も同じ方法である。
夜の内に事務所から外へ出ている換気扇ダクト内部に設置。
できるだけ部屋に近い場所への設置が基本である。
照からすれば、犯行エリアは庭そのものだ。
翌朝、オープン15分前。
店内でミーティングが行われた。そこには、重装備をした警官10人と来客に化けたGメンが10人。
警官の一人が代表し、皆に声を上げた。
「今日より、こちらの警備に配置されました20人の警備員ですが、決して我々だけを頼りにしないでください。皆さんも協力を惜しまないでいただきたい。
不審人物がいた時は、すぐに我々に通達してください。
犯人は一人だけじゃないはずです。例え万引きにしても、犯罪なのです。大人はもちろん子供にしても決して油断しない事です。」
警官は厳しく注意した。
そして、オープンを迎えた。
同時に、決して少なくはない人数の客が店内入りした。
警備員達の目が光る。
監視カメラでの警戒。
Gメンの追跡調査。
出入口の完全警備。
抜け道などあるはずかない。
そして午前12時過ぎ、
悪魔が降り立った。
照は慣れた足取りで犯行エリアへと行った。
照は商品を手にとり、全く警戒する素振りすらせず上着の下にきているシャツの中、懐に入れた。
見た目では懐に何かが入ってるようには見えない。
あらかじめ照は大きめの服装を着こんできた。
盗品の膨らみをごまかす為だ。
照は2、3品を盗みそのまま外へと出て行ったのだ。
その犯行時間およそ5分。
外に出た照は・・・笑いを堪えつつ、心の中で言った。
(これが笑わずにいられるか・・・
あれだけの警備を配置したのにも関わらず何故わからない・・最もその完全監視という事こそ、まさに死角を生み出す餌なんだよ。
単純に考えて見ろ・・警備の数が増えるって事はそれだけ警官を特定できやすくなるんだよ。更に基本的にGメンは犯人を見つけだす為に視線があちこちに向けられる。無線を使用する為にマスクを着用し無線機の配線を隠す為に厚めの長袖を来ている。
今はもう春だから厚着をしている客は少ない。
そして監視カメラには必ず死角が存在する。
大抵ショッピングセンターにあるカメラは遠隔操作ができないタイプだ。
カメラの死角は真下、んでもって・・一般客は人が思ってるほど他人を見ていない。
盗むときな案外大胆にやったほうがいい・・・もっとも・・アンタ達の敗因は単純そのものだ。
それは・・・。)
(時間帯による警備力のレベルダウンだ。人間は1日の内もっとも疲れが溜まるのは昼間なんだよ。さらにこの店では昼どきになると来客数が倍増すると同時に従業員を増やす光景がある。
という事は、警備員達の警備範囲は広くなり、こちらとしては動きやすくなる。
よほど不審な行動を取らないかぎり、一人の客を警戒すらしないだろう・・・まぁ・・・とにかく僕の勝ちだ。・・・やれるだけやらせてもらう。)
照はその後、夕方、さらに閉店間際と犯行を繰り返した。
収穫は食品10品以上、衣類数着を盗んだのだ。
そして閉店を迎えた店では、事務所にてミーティングが行われていた。
支配人の声が響いていた。
「さきほど、売上げの確認と残品との比較を調べた。結果、反比例との結果だ。
会計ミスと考えても割に合わない計算です。
今日も・・・やられました・・・。」
従業員は肩を落とした。いつもにも増して警戒していた。更に警備員配置で安心すらしていた。
だが、結果は惨敗。
怒りすらわいてこない。
そんな中、Gメンの一人が話出した。
「まだ始まったばかりです。継続して警戒してる内に要注意人物等も浮上してくるはずです。必ず捕まえてみせます。」
Gメンは力強く声を発した。
しかし、その後前向きに立ち直った従業員はいなかった。
長い1日が終わった。
その頃、店から3キロほど離れた公園。
照の姿がある。
照るには家がなく、まさにホームレス状態なのだ。万引きという快楽の裏には、苦しい現実が隠れていた。
だが照は、そんな苦しさなど感じさせないほど堂々と生活している。
「・・・・・・・・・ぁあ・・う・・・・う・・・・・・・・うめぇ・・や・・・・いやぁ食った食った。腹にたまったよ。
確か店のアレだと1ヶ月は警戒が続くんだよなぁ。油断はできねぇか・・・。」
照はこうして犯行に出た日の夜は必ず反省しながら更なる計画を練るのだ。それこそが成功の秘訣だと言う事だ。
「退屈だな・・・散歩でも行くかぁ。」
照は公園からでて街道へと出ていった。時間帯のせいか、歩いてる人は見当たらない。目立つのは薄暗い電柱に夜間トラック。
妙な静けさに包まれている。
照はフッ・・・と道を見た。
道のど真ん中で猫が倒れていたのだ。照は死んでいるのかと思い猫の所へ走っていった。
照が近ずいていくと、急に猫は起き上がり走り去っていった。
「何だよ・・・死んだフリってか。」
照は歩道へと戻ろうとしたその時・・・・。」
「ドカーン!!ギギィー!!」
一瞬の出来事だった。
大型トラックが照に猛スピードで突っ込んできたのだ。
照は猫に気を取られトラックの接近にきずかなかったのだ。
照は50メートルほど吹き飛ばされた。
トラックは急ブレーキをかけ、急停止した。・・・運転手が降りてきた。
「マジかよ・・・人間だったよな・・・何処だよ・・死体・・?? 生きてるのかよ・・・何なんだよ・・・」
運転手は頭を抱えながら照を探していた。
しかし、照の姿が見えない。
確認出来たのは、照が着ていた服の切れ端と、トラックのバンパーに付着していた血痕だけだ。
照は・・・死んでしまったのか・・
通常なら即死、あるいわ重傷のはずだ。
だがそこに、照の姿は無かった。
一ヵ月、例のショッピングセンターのは特別警備期間を終えようとしていた。
支配人は顔を歪めて話をしている。
「今日で警備態勢は解除される。・・・皆も分かっている事だろうと思うが、一体何が改善されただろうか。被害は増大する一方だ。こんな事は言いたくはないが、警備の意味は殆ど無く、無駄な経費が消えていっただけだ。・・・」
そう、肝心の犯行を押さえるどころか犯人すら分からないままなのだ。ただ虚しさが店内をうめつくしていた。
誰もが諦めかけていた・・・、
その時、事務所のドアが開いた。警官の一人が、見たことのない人物を一人連れて入ってきた。
そして、警官が皆に言った。
「今回の完全警備、確かに我々の惨敗です。我々は、万引きという犯罪をこれほどのまで確実かつ悪質にこなす輩がいた事に驚いています。
だからこそ、これは第一級犯罪として警察は認識致しました。
手段を選ばず、必ず犯人を逮捕します。」
警官は力強く行って来た。
しかし、店長は・・・
「これ以上の捜査方法があるのですか?正直我々はあなた達警察への信頼すら失いつつあります。」
その時、警官が連れてきた男が口を開いた。
「今は、犯人を捕まえる事が優先されます。その為にはまずアナタ方の協力が必要です。私が来た限り、犯人に逃げ場を与えません。必ず、犯人を縛り上げアナタ方の目の前でひれ伏させて見せましょう。」
男は自信をもって皆に言った。
だが、男の目に迷いは無さそうだ。真っ直ぐな目をしている。
すると店長は・・・、
「気持ちは有り難いが・・・いや・・・協力は惜しまないつもりだが、
アナタは一体・・?」
男はニヤリと笑い答えた。
「私は全日本警察、特例任務を請け負っています、諜報部員です。決して表の世界に顔を出さない警備機関かのです。
対応しているのは第一級犯罪のみ・・・。
偽名にて失礼します。
私の名前は岡咲 港(オカザキ ミナト)
宜しくお願いします。」
-早乙女 照-編 第一章
「この世にいろんな意味で苦しんでる人間はどれくらいいるだろうか。僕もその内の一人だ。
僕には両親がいない。母は僕の産んで間もなく死んだ。
その後父に育てて貰ったが、僕が中学に上がる時期に事故で死んだ。
それ以来、僕は学業を終えず怯える日々を生きてきた。
金もなければ食い物もない。こんなガキを雇ってくれる店もなければ頼れる身寄りすらいない。
自分の爪を、血肉を喰おうとした事も何度あったか。
だが、生きるという気持ちだけは残っていた。
様々な絶望を、まさに栄養とするかのように僕の脳は動き続け、生きる執念を僕に与えてきた。
そして、金のない人間の生きる為の手段、僕はその方法で今を生きている。
中学生のガキなら誰でも経験はあるだろう。
それは、万引きだ。
だが、バカは何度やっても捕まるものだ。
万引きとは、あらゆる情報、偵察能力、警戒心、大胆、あらゆる力を発揮してこそ成功するもの。
僕はバカじゃない。
僕に今必要なのは生活には決して欠かせない物、食品、衣類のみだ。
盗難可能なもののみを盗む。
万引きに高望みは禁物だ。
悪いように聞こえるだろうが、これは普通の人間からすれば犯罪、だが、それは幸せのあるやつらの詭弁に過ぎない。
僕にとっては希望そのものなのだ。
それを追い掛けてくる愚かで無能な存在、それは警察だ。
何が正義の機関だ。
笑わせる......。」
彼の名前は早乙女 照、 通常なら学生であって当たり前だ。
だが彼は尋常では計りしれないほどの悪知恵を働かせる。それはまさに悪魔のごどし。
悪魔を目覚めさせる者は現れるのか。
そして、ついに正義の槍の矛先が悪魔へと向けられるのである。
僕には両親がいない。母は僕の産んで間もなく死んだ。
その後父に育てて貰ったが、僕が中学に上がる時期に事故で死んだ。
それ以来、僕は学業を終えず怯える日々を生きてきた。
金もなければ食い物もない。こんなガキを雇ってくれる店もなければ頼れる身寄りすらいない。
自分の爪を、血肉を喰おうとした事も何度あったか。
だが、生きるという気持ちだけは残っていた。
様々な絶望を、まさに栄養とするかのように僕の脳は動き続け、生きる執念を僕に与えてきた。
そして、金のない人間の生きる為の手段、僕はその方法で今を生きている。
中学生のガキなら誰でも経験はあるだろう。
それは、万引きだ。
だが、バカは何度やっても捕まるものだ。
万引きとは、あらゆる情報、偵察能力、警戒心、大胆、あらゆる力を発揮してこそ成功するもの。
僕はバカじゃない。
僕に今必要なのは生活には決して欠かせない物、食品、衣類のみだ。
盗難可能なもののみを盗む。
万引きに高望みは禁物だ。
悪いように聞こえるだろうが、これは普通の人間からすれば犯罪、だが、それは幸せのあるやつらの詭弁に過ぎない。
僕にとっては希望そのものなのだ。
それを追い掛けてくる愚かで無能な存在、それは警察だ。
何が正義の機関だ。
笑わせる......。」
彼の名前は早乙女 照、 通常なら学生であって当たり前だ。
だが彼は尋常では計りしれないほどの悪知恵を働かせる。それはまさに悪魔のごどし。
悪魔を目覚めさせる者は現れるのか。
そして、ついに正義の槍の矛先が悪魔へと向けられるのである。