飲酒と健康4
赤ワインの効用、コレステロールの蓄積防止、卒中の危険性低下、ヘリコバクター・ピロリ菌の除去など世界的に認知
赤ワインはコレステロールの動脈壁への蓄積を防止し、心臓病を防ぐ(ニュージャージー州の研究者グループによる試験管での研究)
ワインを1日1杯程度を毎月1回、毎週1回、毎日飲んだ場合、卒中の危険性がそれぞれ16%、34%、32%低下(デンマークの研究グループ:1万3千300人を対象に16年間調査)
1週間にコップ1杯から13杯のワイン、肺がんの罹患率が22%減少(デンマークの研究者グループ:1964年から92年までに行われたのべ2万8千人以上が参加した研究を分析)
ワインに胃潰瘍の原因となるヘリコバクター・ピロリ菌を除去する働き(ドイツの研究者グループ:18歳から88歳までの男女1千785人を対象に調査)
心臓病予防に有効とされているワインはどうでしょう?
特に赤ワインが白ワインに比べ抗酸化力に優れているといわれていますが、
赤ワインはコレステロールの動脈壁への蓄積を防止し、心臓病を防ぐという研究報告が発表されています(Journal of the American College of Nutrition4月号)。
ニュージャージー州の研究者グループが試験管による研究で、ワインがプラーク形成の第一段階であるコレステロールの酸化を抑制することを確認。
研究では、85~95%酸化を防いだといいます。
また、白ワインにも同じような効果が見られましたが、それには赤ワインの5倍の量が必要だったそうです。
卒中との関連も昨年報告されています。デンマークの研究グループが1万3千300人を対象に16年間にわたって、ワインを1日1杯程度を毎月1回、毎週1回、毎日飲んだ場合の卒中との関連性を調べたところ、卒中の危険性がそれぞれ16%、34%、32%低下したという(Stroke誌12月号)。ワインの有効性についてはこれまで心臓病の危険性低下が指摘されているが、成分のフラボノイド、タンニンが心血管の健康に有効であると研究者は述べている。
米国ではこうしたワインの心臓病への効果から、ラベルに健康へのプラス表示が検討されている。ちなみにこれまでは「妊婦はアルコールを控えるべき。健康障害を起こす場合もある」というものであった。
またアルコール摂取は男性の肺がん罹患率を高めることはこれまでの研究で指摘されているいますが、ワインは反対にわずかだが、ビールなどに比べ罹患率を低下させるという報告も出ている(American Journal of Epidemiology3月号)。デンマークの研究グループが、1964年から92年までに行われたのべ2万8千人以上が参加した研究を分析したところ、1週間にコップ1杯から13杯のワインを飲んだグループは、別の種類を飲んだグループに比べ肺がんの罹患率が22%減少したという。また、13杯以上飲むと減少率は56%になったという。反対にビールを飲んだグループは、肺がんにかかる危険性が9%から36%アップしたという。
こうした赤ワインの効用は世界的にも認められるところだが、今年8月にバルセロナで開催された世界最大の心臓病会議(参加者17,000人)、欧州心臓学会(European Society of Cardiology)年次総会において、「肉は少な目で、魚と野菜が多く、オリーブ油を使い、赤ワインを飲む地中海式の食事」は心臓病の予防や脳溢血、脳血栓のリスクを減少させると発表、1日にビールまたは赤ワイン一杯(約10gramsのアルコール)の摂取は、心臓血管病の発作が起きるのを30%減少させると報告された。アルコールが動脈の血液凝固の原因となるフィブリン(繊維状蛋白質)を破壊するものとみられている。
また、ワインが胃潰瘍の原因となるヘリコバクター・ピロリ菌を除去する働きあるという研究報告も今年に入って発表されている(Epidemiology誌4月号)。ドイツの研究者グループが、18歳から88歳までの男女1千785人を対象に調べたところ、1日1~2杯ほど飲酒をする被験者はまったく飲まない被験者に比べ胃の中にピロリ菌が存在しにくくなっていたという。研究では、毎日ワインを飲む被験者にはピロリ菌が42%少なかったという。また、ビールを飲む被験者は26%少なかったといいます。
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