国連安全保障理事会といえば、アメリカ・中国・ロシア・フランス・イギリスの5か国が「拒否権」を持っていて、気に入らない決議は止められる──これが常識です。
だからこそ「制裁」や「戦争反対」の決議はなかなか通らない、とニュースで聞いたことがある人も多いと思います。
ところが、イランの核開発問題で2015年に採択された 国連決議2231号 には、とても珍しい仕組みが入りました。
それが 「スナップバック条項」 と呼ばれるものです。
この仕組みは簡単にいうと…
- 誰かが「イランが約束を守っていない」と通報すると、自動的に制裁復活の手続きが始まる
- 制裁を止めたければ、新しく「制裁解除を続けます」という決議を出さなければならない
- その決議なら拒否権で止められるけど、制裁復活そのものは拒否権で止められない
つまり、いつでも「自動的に制裁が戻る」仕掛けになっていたんです。
拒否権が無敵だと思われていた国連で、拒否権を封じる“裏ワザ”が実際に導入された瞬間でした。
これは国連史の中でもほとんど例のない出来事で、当時は「すごいことをやった」と国際政治の専門家も驚きました。
締めのひとこと
日本ではあまりニュースにならなかったので、多くの人が知りません。
でも「拒否権を超える仕組み」が現実に作られていたと知ると、国連も案外したたかなルールを持っているんだなと感じますね。

