2025年5月、アメリカは中国製品に対する関税を24%に引き上げ、米中間の関税戦争が再び本格化しました。
この引き上げはあくまで第一段階で、8月にはさらに大幅な関税率引き上げが予定されていました。中国も報復関税を準備し、両国の対立は激化する見通しでした。
しかし、期限直前の8月11日、トランプ大統領は大統領令に署名し、関税引き上げをさらに90日間延長することを発表。これにより、米国による中国製品への関税率145%への大幅引き上げと、中国の追加報復関税はひとまず回避されました。延長期間は11月上旬までとなります。
この発表と同じ日に、トランプ氏はSNSで「中国は大豆が不足している。我々の農家は世界最高の大豆を生産している。中国は大豆の購入を4倍に増やすべきだ」と投稿しました。
この“大豆不足”発言は、中国が米国農産物を必要としているという印象を与える政治的メッセージとみられます。実際には中国は国内生産や他国からの輸入も行っており、発言通りの不足状況であるとは限りません。
今回の延長は、アメリカにとってはインフレ懸念や農業州への配慮、中国にとっては景気減速や食料確保の必要性といった事情が背景にあります。
米中双方の思惑が一致したことで、大幅な関税引き上げは先送りとなり、交渉の余地がもう90日間与えられた形です。

