報道によれば、NPO法人沖縄観光連盟(山入端好盛理事長)が行ったアンケート調査では、中国人の個人観光

客を対象にした数次ビザの発給に対する期 待度は、「期待している」が18.0%、「期待していない」が38.0%、「分か

らない」が44.0%となった。「聞き取り調査では、受け入れ態勢の不備 を指摘する意見があった」と報じられている

が、沖縄側の意欲の問題ではないかと思う。


 そもそも沖縄に行きたいと思って、ビザを取る中国人観光客は少ない。あくまでもより自由に日本に行きたいと


思うから、便利な数次ビザを取るのだ。 その意味では、沖縄訪問は中国人観光客から見ればビザ取得に支払う


一種の対価のようなものだ。一過性的な要素が大きい。一度だけ訪れてもいいと思っている 旅行客をいかに虜に


し、リピーターとしてまた来てもらえるかは、沖縄県民の皆さんの腕にかかっている。しかし、アンケートの期待度


から沖縄のやる気と意欲 は感じられない。これでは自らチャンスを殺してしまう恐れがある。



 日本に長く暮らしている私から見れば、日本人は本当にアピールが下手だ。そして、目先の利益にこだわりすぎ


る。



 数次ビザを入手して沖縄を訪れる中国人観光客は、確かに一度だけでいいと思って沖縄にやってくるのだが、


わずか数泊で沖縄を回りきれるとは思えな い。私は10回近く沖縄を訪問している。だが、石垣島以外の離島には


行っていない。海を渡る由布島の牛車にも乗っていない。クジラを海で追ったことがある が、あまりはっきりと見


えなかったので、もう一度見たいと思っている。



 観光客に1回の訪問でいくらお金を落としてもらえるかという問題には関心をもつべきだが、私に言わせれば、1


回しか訪れないだろうと思いこんでいる訪問客をリピーターにする力をどれほど見せられるかをチェックしたい。




沖縄の良さは日本に長く居住している私にはよく分かる。だから、何度も沖縄に行っている。老後は沖縄に住居を

構えてもいいのではと思ったこともあった。しかし、これをお客さんに分かってほしいと求めるのではなく、沖縄側

からその魅力を積極的にアピールすべきだ。



 中国人観光客に対する数次ビザの発給は沖縄にとってまたとこないビッグチャンスである。そのうち同様の待遇


を受ける地域も出てくるかもしれない。 たとえば、北海道や四国を訪れる中国人観光客にも数次ビザを発給する


ようになれば、沖縄はせっかく手にしたビックチャンスを無くしてしまう。それでもこの ような低い期待感でいいの


か。沖縄の皆さん、ぜひ考えてほしい。