「一寸先は闇」という言葉があります。
なんとなく不安を掻き立てるものを持っています。映画のジャンルで分けると、サスペンス、スリラーに属するのではないでしょうか。
「順調に航海していた大型客船が、ある日突然のアクシデントに見舞われ・・・。」と、映画を観ている側からすると、予想がある程度つくのですが、こと自分の人生となると話は違ってきます。シナリオを監督から渡される訳でもなし、突然リストラされたり、配偶者から裏切られたり・・・。
この世に生まれてから、あの世に行くまで、人生にはサスペンスの要素は盛りだくさんです。
富裕な家庭に生まれて、たいした苦労もせず生きている人もいるし、その対極に生まれ育つ人もいる。
しかし、大どんでん返しが、あったりもします。
洗濯機が壊れて、新しいのが届くまでの間、コインランドリーの待ち時間を利用して、書店へ寄ってみた日、一冊の本を購入しました。
「荒木飛呂彦の奇妙なホラー映画論」です。
面白くて、気付いたらアッという間に洗濯物に乾燥が終わっていました。
「プレシャス」という黒人少女が主人公の映画を、著者は
傑作の、もの凄く良くできたホラー映画だと断じています。
レンタルショップのジャンル別では感動の物語として紹介していましたが・・・。
本を読み始めて、私の感じていたことを代弁してくれた文章でしたので、感性が似ていると思い、最後まで本を読めました。洗濯機が壊れたおかげで、この本に出会えました。
著者は、「生き地獄を描いた映画はホラー映画だ」と述べています。本当に、そう思います。
サスペンス映画の主人公のような生活を送っている人が、感動ドラマの登場人物に、アドバイスを求めても、さらなる地獄への道標をしめされるだけです。
私?もちろん・・・サスペンスドラマのヒロインです。