
NHK連続テレビ小説
「半分、青い。」
■放送概要
□4月2日〜9月29日放送(全156回)
□NHK総合
(月~土)午前8時~8時15
(再放送)午後0時45分~1時
□BSプレミアム
(月~土)午前7時30分~7時45分
(再放送)午後11時30分~11時45分
(1週間分)(土)午前9時30分~11時
■登場人物
永野芽郁(ヒロイン・楡野 鈴愛)
松雪泰子(鈴愛の母・楡野 晴 役)
滝藤賢一(鈴愛の父・楡野宇太郎 役)
中村雅俊(鈴愛の祖父・楡野仙吉 役)
上村海成(鈴愛の弟・楡野草太 役)
風吹ジュン(鈴愛の祖母・楡野廉子 役 / ナレーション)
佐藤 健(鈴愛の幼なじみ・萩尾 律 役)
原田知世(律の母・萩尾和子 役)
谷原章介(律の父・萩尾弥一 役)
余 貴美子(町医者・岡田貴美香 役)矢本悠馬(鈴愛の同級生・西園寺龍之介 役)
六角精児(龍之介の父・西園寺満 役)
広岡由里子(龍之介の母・西園寺富子)
奈緒(鈴愛の同級生・木田原菜生 役)
高木渉(菜生の父・木田原五郎 役)池谷のぶえ(奈生の母・木田原幸子 役)
豊川悦司(鈴愛の師となる少女漫画家・秋風羽織 役)
井川遥(秋風の仕事上の?パートナー・菱本若菜 役)
清野菜名(鈴愛の生涯の親友となるアシスタント仲間・小宮裕子 役)
志尊淳(鈴愛のアシスタント仲間・藤堂誠 役)
中村倫也(律の大学の同級生・朝井正人 役)
古畑星夏(律が運命を感じる美少女・伊藤清 役)
近藤芳正(秋風羽織作品掲載誌の編集長・北野 役)
塚本晋也(律の通う理工学部の教授・宇佐川乙郎 役)
■第5週 「東京、行きたい!」
4月30日(月)〜5月5日(土)
秋風のトークショーに律と2人でやってきた鈴愛は、意を決して自ら描いたマンガを秋風の前に差し出す。そこで、「弟子にならないか」と鈴愛に切り出す秋風。鈴愛は秋風の誘いを家族に言い出せないでいたが、数日後マンガ家になるため東京に出たいと晴に打ち明ける。
思いもよらない告白に、烈火のごとく怒る晴。そんな中、楡野家に秋風のマネジャー、菱本(井川遥さん)から電話があり、父・宇太郎(滝藤賢一さん)の発した失言が元で、鈴愛の東京行きはなくなってしまう。それでも秋風の弟子になりたい鈴愛の熱意は秋風に届き、後日、楡野家に菱本がやってくる。
■第25回 あらすじ
「これ、とても美味しかったです…」
秋風の礼に鈴愛の顔が綻びます。
「五平餅と言います!炊きたてのご飯を熱いうちに潰して、串にこう握ってつけて、タレをつけて…」
「ほう…これが五平餅。うん、聞いたことはあった。これはどちらの…?」
「うちです…」
「すごいな。…美味しかったです。売れますよこれ…」
昔からある田舎の食べ物を何か目新しいもののように言われて戸惑う2人でしたが、秋風に促されてそのままソファー腰掛けました。
「くるみが入ってるんですが、それ一個一個砕くんです」
「…くるみ。いい仕事してる」
「あの先生…」
「先生はやめて」
「…秋風さん。写真撮ってもらっていいですか?」
「ああ、どうぞどうぞ」
そう言って気さくに写真撮影にも応じてくれた秋風羽織。
秋風を挟んで鈴愛と、やはり律がいて、3人。
「はい、では参りまーす。五平餅」
もちろん、この写真撮影も秋風の五平餅へのお礼です。
いい記念になりました。
鈴愛は律とともにお礼を述べ、部屋をあとにしようとしました。
その時です。
入口付近で鈴愛は立ち止まります。
複雑な表情を浮かべてしばらく思案した鈴愛でしたが、おもむろに引き返し、再び秋風と向かい合いました。
「あの…先生!…私、漫画書いてるんです。今日持ってきてるんです…!」
驚いて振り向く律。
「…えっ!?」
鈴愛の漫画が秋風に一枚一枚読まれていきます。
それを真剣に見つめる鈴愛と、戸惑いつつも見守る律。
「あ…、1つ質問してもいいですか?」
口調は丁寧ですが、独特のトーンで威圧してくる秋風。
「はい…」
「あの、このギザギザはもしかしてスケッチブックを破った…?」
紙に疑問を抱いた秋風。
「あ…はい。最初スケッチブック開いて書いてたんですが、書く時に当たってしまって邪魔なんで…」
「…画用紙に鉛筆で漫画が書いてある。…ベタは?」
「ベタ…?」
「こう、黒く塗りつぶすとこ」
「あっ、それは筆ペンで…」
「そこだけは奇跡的にあってる…」
考え込む秋風。
「漫画はねぇ…インクで書くんだ。Gペンとか丸ペンとかケント紙とか知らない?」
「…丸ペン」
ちんぷんかんぷんの鈴愛。
聞いたこともない言葉のオンパレードです。
「律くんだっけ?」
隣の律に尋ねます。
「あぁ、はい、律です。苗字は萩尾ですがどちらでも…」
「この人、バカなの?…だってこれ…トーン、スクリーントーン。みんな手で書いてある」
「スクリーントーン…」
また聞いたこともない言葉です。
「これ、貼るの。透明なシートに模様が付いてて、それカッターで切り抜いて貼るの」
「…へ?」
律、前のめりに説明します。
「ああ、すいません。うち田舎でして、スクリーントーン売ってるようなところはなくて。まぁ、本人が手で書くっていうんなら、それでいいんかとほっておきました…」
「…君は少し賢い」
そう言って、突然のまじまじと律を見つめる秋風は一言。
「タジオ…」と律に告げました。
「…タジオ?」
後ろから菱本女史が説明します。
「映画ベニスに死すに出てくる美少女です。美しい少年を彼はタジオ、と呼びます」
要領を得ない律。
つまり自分が美しいってこと?
「あと、これもう一つ聞きたいのは漫画ってまずネームってストーリー考えてシナリオみたいなの書いてコマ割りして当たりつけて鉛筆で下書きしてそのあと本番なんですよ…」
目を丸くして鈴愛。
「知りませんでした…いきなり書くと思っとった…」
「君、漫画描くの初めて?」
「はいっ…二作目です。まぁ一作目もこんな感じで…」
「何も考えないでいきなり本番?」
「はい…」
すると下描きなしに書き上げたものに感心したのか、秋風は鈴愛を「天才」と評したのでした。
慌てたのは律です。
「あの…秋風先生、大丈夫ですか?あの…こいつが規格外すぎて何かやられてませんか?本当に天才かどうかはこの漫画が面白いかどうか…かと」
「タジオ…君はやっぱり賢い」
鈴愛と共に律も随分秋風に気に入られたのかもしれません。
「ところで君…えっと」
「名前は鈴愛です。楡野鈴愛」
秋風は突然きびしい顔つきになり、考え込んだあとに切り出しました。
「私の弟子になりませんか?」と。
「…なります!!」
即答してしまう鈴愛でした。
「なぜ名古屋まで出て、結局ここでお好み焼きを食べるのだ…」不機嫌に呟く律。
「作戦を立てるのだ…!」と鈴愛。
そう、作戦と立てるといえば喫茶「ともしび」です。
まずは誰から説得するか順番を練っています。
「ソウタ…センキチ…ウタロウ…ハル…」
そんな鈴愛を心配する律。
「でもさぁ…お前本気なの?」
「はい…!もう決めました」
「…すっげえね。鈴愛って脳みそあんの?」
「失礼やな。生まれた時から猿だと思っとるやろ?…とにかくこのプロジェクトは説得の順番が鍵や」
「…まあ、でも最大の難関は晴おばちゃんだよな。錯乱することは間違いないからな」
「錯乱?」
「激怒して錯乱やろ…?でも、前ももう一回ちゃんと考えた方がいいよ。本当に東京に行けるんか…?秋風先生の弟子やれるんか…?あの人…明らかに変人や」
「律…。天才が変人なのは当たり前や」
と最もなことを言う鈴愛。
突然瞳を輝かせ熱弁します。
「それよりいつもポケットにショパンが出来上がるところを…!おしゃべり階段が出来上がるところを…!横で見られるんやぞ?!アンコールが3回を書くところ…海の天辺が作られるところ…凄いことや!夢の世界が作られていて、これを生で見られる…!私は秋風先生の漫画で世界を知った。世界が作れる…見られる…。絶対に行く…!東京に行く!先生の仕事を見る!農協で野菜は売らん!そして私は自分の世界を描くんだ!…私は漫画家になる!!」
とうとう鈴愛は宣言しちゃいました。
「えっ、いつ決まったの?」
「今…決めました」
最後にはいつもお手上げになってしまう律。
「なんか…お前すげえな。もうアホなんか天才なんかわからん」
東京に戻った秋風。
酒をたしなんでいると背後から菱本女史が現れ「どういうおつもりなんですか」と訊いてきます。
「岐阜行って猿1匹拾ってくるなんて…。まさか、五平餅目当てじゃ」
「まあ見てなさい。面白いことになりますよ…」
秋風には何か確固たる自信があるようです。
しかし、鈴愛はあれから結局、1週間誰にも言い出せないまま過ぎてしまいました。
よくよく考えれば、就職祝いも盛大に開いてもらい、皆の熱唱に涙して、すべてを覆すのは相当の勇気が必要でした。
でも鈴愛の心の中の熱い思いは変わらず、そのポケットにはお守りのように秋風羽織の名刺が入っていて、東京へ行く気持ちは切れずに熱くなるばかりでした。
その日鈴愛の家ではオーダーメイドのスーツが出来上がってきて、菜生のへの母親が訪ねていました。
そこへ鈴愛が帰宅してスーツを着せられます。
それはもうピッタリの採寸で、晴も大喜び。
「やっぱりこのウエストちょっと絞って良かったねぇ…」
「うん。モデルがええもん…!」
2人のやり取り鏡越しに見つめながら、そして鏡の中のスーツ姿の自分がもはや自分でないような気持ちに襲われながら、鈴愛は打ち明けたくなる衝動をとうとう抑えきれずに…
「お母ちゃん…私農協には勤めん…」
突然の告白に晴はイマイチ何を言い出したのか理解に苦しみました。
「…んん?」
「私、農協にはいかん」
「何言っとる…?」
「明日にでも農協行って内定取り消してもらう。…鈴愛は東京に行く!」
「…は?!」
「そいで漫画家になる!!」
「はぁ?!」
まさに、まさに青天の霹靂でした。
※あらすじは完全に再現させたものではありません。台詞以外の文章には憶測も含まれます











