3日のライブは対バンさんたちが素晴らしくて、自分らのことをそっちのけで楽しんできました。中でもNightwishのカバーバンドが出色でした。
ナイトウイッシュをやるってだけでも凄いのに急造バンドであのレベルは凄いなと。
そんなわけでナイトウイッシュ熱にまた火が着いてしまい、ここ2日間聴きまくっています。
それで今日はNightwishのOnceです。フィンランド産シンフォニックメタルです。
少し前に「ロックは死んだ」なんて記事を書きましたけど、これはファンの生き方やアティテュードに影響を与えるムーブメントとしてのロックは死んだ、という意味で記しました。
面白いグループ、アーティストは出続けているわけで、このバンドは僕が90年代以降に聴いたものでは、こんなのがあったんだとびっくりしたものです。
クラシック・オペラの要素を取り入れてもプログレじゃなくてバリバリのメタルなんですから。
それで今日は2004年リリースの5th"Once"であります。初代シンガー、ターヤ・トゥルネンの最後の参加作品にして最高傑作と言われているアルバム。
ソプラノの歌唱と魔女のようなビジュアルは好き嫌いあると思いますけど圧倒的な存在感です。このグループ以降、雨後の筍の如く出現した女性フロントのシンフォニックメタルのパイオニア的な存在ですね。
これまでの作品よりヘヴィになっていてドラマティック感が増しています。楽曲の完成度も過去最高っていうぐらい高くてプレイして音が聴こえてくる瞬間から背筋をピンッと伸ばして聴かなければならにような荘厳で勇壮に曲が始まります。
このアルバムでは本格的に本物のオーケストラを導入していてこれが凄い!これまでロックグループがオーケストラと共演した作品は幾つか聴いたことがしましたが、ここまで見事に融合して音に彩りを添えているアルバムは初めてでした。
それでいてゴリゴリとうなるベースやギターは全面に出ていてバンドを引っ張りオペラ歌唱と見事に絡んでいるんだから素晴らしいというほかないです。
聴き所は、メタリカやパンテラのような超ヘヴィなギター・リフと従来のオペラティックな歌唱のミスマッチが面白い#1"Dark Chest Of Wonders"が、もはや女性Voを擁するこのバンドにしか成し得ないシンフォニックメタルの超名曲となっています。続くダンサンブルとさえ形容できる#2"Wish I Had An Angel"は、リズミカルでダンス・ビートのようなアレンジが脳裏に焼き付き、ターヤの優しい歌唱とベースのマルコの野獣のようなヘヴィなボーカルが見事な対比を際立たせています。
アルバム全体に歴史大作映画を観ているようなストーリー性がありまして、押し寄せる音の波を感じることができます。
映画音楽の壮大なストーリーとメタルのアグレッションが見事に融合した傑作です。
対バンしたカバーバンドのボーカルさんとも話したんですけど、ナイトウイッシュはアメリカやヨーロッパではスタジアムクラスのバンドなのになんで日本では人気ないのか不思議。Evanescenceが結構売れたのに日本ではいまひとつなんでしょ?
ライブハウスで演るバンドではないと思うんですけど。
観たライブは本当に演奏が上手くて音の壁のような音圧でした。これは大会場で観たいです。
では、3日のライブでカバーバンドさんも演奏していた"Dark Chest of Wonder"を。Live End of An Eraのバージョンで。
Nightwish/Dark Chest of Wonder (Live End of An Era 2005)