Nightwish/Oceanborn | カルロスのブログ

カルロスのブログ

オリジナルのヘヴィメタルバンド、Hollywood Lippsでドラムを叩いています。KISSのカバーバンドKISS HORNET、Raise The DEVILでも活動しています。
バンドのこと、好きなロックについて語ります。

ここ数年嬉しいことにまたライブを観に通えるようになりましてバンド活動と共に楽しんでおります。どのライブもよくて印象深いのですが、演奏が上手いなあと感心したのが一昨年に観たナイトウィッシュでした。

アルバムと寸分違わぬ音で再現していたのですが、けっして機械的ではなくてライブ特有のダイナミズムがあって迫力満点。それと大きい歌姫フロール・ヤンセンのパフォーマンス。美人なんですけどバレーボール選手みたいな体格であの髪の毛をぐるんぐるん回すアクションがこれがまた迫力ありまして。日本の嬢メタルの子たちがちょこまか動くのが凄く可愛く感じます。

そんなナイトウイッシュですけど、1998年リリースのOceanbornから聴き始めました。

ソプラノで歌うメタルがあると知り、「どれどれどんなもんだべや?」と聴いてみましたけど90年以降に知ったバンドでは一番衝撃的でした。

1曲目のイントロの数秒でただならぬ雰囲気があって今聴いても鳥肌が立つほどの完璧さであります。今でこそシンフォニックメタルと称されていますが、北欧パワーメタルにターヤ・トゥルネンの本格的なオペラの歌唱が乗るという傑作です。あの歌唱が苦手という方もいますけど、緊張感と重苦しさのある演奏の間に浮遊するような歌唱は天女の声のようで聴きこむと癖になってきます。所々登場してくる木管楽器にあよる美しい旋律にも和みます。

 

このてのはともすると大仰でダサくなりがちなのですが、本当に完成された上品で高尚な音です。クラシックとの融合とのことでプログレなのかと思えばプログレに非ず、進化したメタルですね。シンフォニックの様式美を確立したバンドと呼べるでしょう。この後女性フロントの似たようなバンドが雨後の筍の如く登場してきましたが、彼らは一線を画する存在ですね。

このアルバムには私が勝手に想像するフィンランドの光景が見えてきます。森の奥の静かな湖、雪に覆われた大地、空に揺らめくオーロラ、そんな北欧の風景をイメージ出来ます。

演奏、曲の構成と凄く複雑でハイレベルのアルバムなのですが、今聴くとB級感も少しはあって、この後、メジャー感を増していってファンタジー路線も踏まえて進化していって続々と名盤を生み出してきたわけです。今のボーカルになって普通の歌唱だなとも思ったのですが、元々のクオリティが高いのですからライブも圧倒的な凄さを感じられたわけですね。

 

Nightwish/Stargazers