病を背負った身体でラオウに挑む為に、最終決戦では、自らの残命を縮めても生を呼び覚ます秘孔「刹活孔」を突く自治で一時的に剛力を得る。こうして死を覚悟して、ラオウと同じ 『剛の拳』で対抗し、「天翔百烈拳」でラオウに膝をつかせるまで追い詰めたが、「刹活孔」を突いて徐々に弱っていく拳では、悉くとどめを刺すに至らず、ラオウの涙と共に繰り出された拳により敗北した。このラオウ対トキの決戦は、ケンシロウの関わらない戦いの中では、「北斗の拳」のベストバウトの一つ。

「せめて奥義で葬ろう」の言葉は、この決戦においてトキがラオウに発したものだった。


対ラオウとの決着の後、ラオウは『拳王を目指した男トキは死んだ。此処にいるのはただの病と闘う男トキ』とトキの命を取らず、体をいたわるように告げ立ち去る。トキも「刹活孔」を突いてからは、もはや余命も僅かで、病の進行は著しいものがあり、村人達への医療活動すらも苦しい状況だった。そこに追い討ちをかけるかの如く天狼星のリュウガに襲われてしまう。しかし病んでなお眼力の高いトキは、リュウガの真意を読み取ると自ら甘んじて致命傷を受け、リュウガの居城へ連れて行かれる。トキは、危急の知らせを聞き駆けつけたケンシロウが、真の怒りを覚え、リュウガに対しとどめを刺さんとする刹那に現れると、ケンシロウに『 哀しみを怒りにかえて生きよ 』と諭し、彼に未来を託して、既に事切れたリュウガを腕に抱え、最期は立ったまま世を去った。

ラオウがついに見抜けず、ケンシロウも一度惨敗して二度目の戦いの中でようやく気付いたサウザーの身体の秘密も密かに察していたほどその才は図抜けており、病さえなければ…とラオウとケンシロウの両雄からも繰り返し惜しまれた拳士だった。ことにラオウの彼の宿命への憎悪は常人では計り知れないものがあった。


その風貌はイエス・キリストそのもので、得意技有情拳や弱者救済のエピソードなども、これに準じたものといえる。

ケンシロウ達を守るために浴びた放射能の量は致死量の約1億倍とされ、北斗神拳抜きでも超人的な肉体を持っていた事が窺い知れる。




- おわり -


しかし、当のトキにとって『柔の拳』はあくまで彼自身の才能で体得したものに過ぎず、彼自身は、少年期よりラオウの『剛の拳』を目指していた。それ故、後述するラオウとの最終決戦ではあえて『剛の拳』を使った。

又、『剛(の)拳』を食らうと激痛の後絶命する事が多いが、トキは苦痛を与えずに相手を葬る『北斗有情拳』を使う。特にトキの有情拳にかかると天国すら感じると言われ、トキが劇中最初に見せた有情拳(有情破顔拳)では、二人の敵が腕や脚が妙な方向に勝手に曲がっていくのを目にしても快感を覚えながら破裂していった。このように『北斗有情拳』は、どんな悪党に対してでも、必ず憐れみを持って葬り去る拳で、ケンシロウを上回る優しさを持つ彼ならではの持ち技である。

北斗有情拳はトキの代名詞的技ではあったが、後にケンシロウが、聖帝サウザーにとどめを刺す際に、相手に情けをかける技として「北斗有情猛翔破」を使った。 この事から有情拳は、『柔の拳』特有のものではなく、北斗神拳の拳技か奥義の一つと推測


ラオウと二人、養子に迎えるのはどちらか一人として崖に突き落とされたが、ラオウが彼を抱えて崖をよじ登ってみせた為、リュウケンの養子となった。当初は伝承者候補ではなく、ラオウがその面倒を見るという条件での養子入りであったが、リュウケンとラオウの稽古を覗き見しながら北斗神拳の技を体得してしまうほどの天与の才を発揮、彼自身の希望もあって道場での稽古を許され、伝承者候補となる。カイオウ、ラオウと共に傍系ではあるが北斗宗家の血を継いでいる。

少年時代のラオウは、もし自分が道を外れた時にはトキの手で自分を倒してくれと約束し、この言葉をトキは終生忘れなかった。その野心さえなければ喜んで伝承者の座をラオウに譲っていたと涙した事もあった。

- 3/3へ続く -