日本政府の科学者迫害は凄まじい

私は今はしがない会社員だが、以前はある程度のレベルの科学者だった。しかしずいぶん前から未開の地のつくばという場所に研究学園都市の名のもとで人工の都市が作られ、都内にあった国立研究所は皆すでにつくばに飛ばされていた。私は六本木にあった東大の附設研究所で大学院生として基礎研究をしていたが、その東大の研究所までもが私が博士号を取った頃には千葉と茨城の県境に近いジャングルのような場所へ飛ばされることが決まっていた。私は博士号を取った後本郷で2年間ポスドクを務めて(その間の１年以上はヨーロッパに留学していたが)、その後つくばの研究所の常勤の研究員に就くことになった。つくばに赴任して驚いたのはあまりにも活気がないことだった。そりゃそうだ。もとは都内で勤務していた若手研究者は、いまやど田舎の中高年研究者になってしまったのだから。現在、科学者が都内に住むことは非常に困難だ。東大の本郷か駒場や東工大の教員になるくらいしか選択肢はないんではなかろうか。私はつくばという人工の街が嫌で嫌で仕方なくて(実際に発狂して自殺した人が多かったと聞いた)、とにかく東大の准教授の公募が出るたびに毎回応募していた。何回か惜しいところまで行ったが、結局採用には至らなかった。実力不足だったのだろう。

ところで、ここで大問題が生じていることに皆さんはお気づきだろうか？優秀な研究者がみな田舎に飛ばされてしまい、優れた理系のDNAを受け継ぐ子供たちが都内御三家中をはじめ、東京都や神奈川県の名門中高で提供される最良質の教育を受ける機会を逸している状態になってもう数十年が経過しているのである。したがって、理系の優秀な人材育成は明らかに阻害されているのだ。

私の次男は理系なので、つくばの研究員になったら子どもは寮に入れてでも必ず灘中に入れろと言ってある。都内御三家中などには、寮なんかないし、下宿して通学するなんて認められるはずもない。

このようなわけで今後日本人のノーベル賞受賞者は海外に拠点を置いている方々を除き、出てこないだろう。政府の言う「科学技術立国」なんて達成できるわけないだろっての。

そして、一番腹が立ったのは、六本木にあった東大の研究所の跡地には、なんと政策大学院大学というのが設立されたことである。もはや、文系の政治家や官僚のやりたい放題である。

馬に例えるなって

僕のペンネームから察した人もいるかと思いますが、私は競馬の大ファンです。大学生であった19990年のオグリキャップの時期から競馬を観てます。ブラッドスポーツとしてこれほど面白いスポーツはないでしょう。当然損するに決まっている馬券なんて買いません。

Dubai Millenniumは世界の超名馬で、この馬が幼いときに素晴らしい走りを見た馬主が、この馬は当時世界最高賞金のレースであった2000年のドバイワールドカップを勝つと確信してDubai Millenniumと名付けたのですが、その期待通り楽勝しました。

Dubai Millenniumの生涯成績は10戦9勝。1999年にドイツの研究所に留学していた私はわざわざイギリスまで行ってこの馬が出走した英ダービーを観戦しました。一番人気だったんですが惨敗しました。レースの距離が長すぎたんですね。この馬の唯一の敗戦しか観ていない私はアンラッキーそのものです。

Dubai Millenniumは当然かなりの期待を持って種馬になりましたが、なんと一年で死んでしまいました。しかし数少ない子供の一頭Dubawiは種馬として大成功して世界中に数多くの名馬を輩出しています。Dubai Millenniumの母の母のFall Aspenは息子に4頭の大レース勝ち馬がいるだけでも有り得ないくらいすごいのに、そんなこととは比較にならないくらいすごいのは、娘が稀代の名馬Dubai Millenniumを生んだことです。その血はその息子のDubawiを通じて世界中に広まってます。ということは、あと10年もすれば世界中のサラブレッドの半分くらいにはFall Aspenの血が入っているのではないかと想像しています。

私は妻のことを日本の超名馬ビワハヤヒデとナリタブライアンの二頭を立て続けに生んだパシフィカスだ、と以前から呼んでおり、馬になんて例えるな、といつも怒られてましたが、今後は世界スケールでFall Aspenと呼ぼうと思っています。

なお、僕の友達は東大卒の女性と結婚した者が多いですが、僕は名馬を産むメス馬は現役の競走馬時代にはそんなにいいレース成績をあげていないことを知ってたので、結婚する際に嫁の学歴なんてまったく気にしませんでした。僕の嫁は学歴的には東大卒の女性よりはるかに下です。しかし、どの友達の子供よりも優秀な子どもたちを生んでくれました。競馬の知識がこんなことで役立つとは思いもしませんでした。

東大入試の実態

僕は当時都内トップ校であった武蔵で圧倒的なトップ(武蔵は各科目絶対評価で10段階の成績で、成績10の人は学年に2、3人なんですが、僕は体育以外全部10だったので原理的にこれ以上の成績はあり得ない)だったので高３のときに当然トップだと思って駿台予備校の東大実践模試を受けました。試験ではかなりヘマをしたのでトップでないかもしれないと思っていましたが、結果はなんと12位。僕よりできる人が10人以上もいるなんて夢にも思いませんでした。日本は狭いと思っていたんですが、実は広いんですね。僕は大勘違い野郎でした。

ところで東大模試で10位以内に入るような連中は、半分以上は医学部進学の理科三類でなく、理学部進学の理科一類に進んで、物理学科や数学科に進むって知っていました？理科三類ばかりマスコミによく取り上げられますが。

僕は息子たちには大学は当然東大以外あり得ないと話してたら、長男も次男も拒否反応をずっと感じてたらしく、東大(というか国立大学)を受験することすらしませんでした。まあ、今さら東大という時代ではないですよね。

長男は文系ですが、読書量が凄まじく、ものすごい博識で、なんでも知っています。人工知能の最新の進歩も彼から教えてもらったくらいです。

とにかくこんな優秀な子どもたちを生んでくれた妻には感謝しかないです。

しかし、私立大学の学費の高さには閉口しています。世間知らずの私と妻はまったく知りませんでした。