今日は出掛ける用事があったので電車に乗りました。
すると、席が一つ開いています。
焦らずゆっくりと、しかし確実に席に足を進め近づきました。
イスをめがけ尻を垂直に焦らずゆっくりとしかし確実におろしました。
すると、
「シャカァァァッ!!」
「こ、この音は!?」
私は戸惑いをかくせませんでした。しかし、焦ってはダメだと自分に言い聞かせ、我が家の家訓である「近くにジジイがいたら疑え!!!!」という父の教えを思い出し、辺りを見渡しました。
すると、
「ジ、ジジイだ!!」隣には、特有の香りを放つ自信に満ちたジジイがいました。我が家の家訓からいくとこのジジイが音の原因であります。しかし、何一つヒントを得られず外人のように手を頭に当てようとした瞬間、 「シャカァァァッ!!!」
その瞬間謎が解けました。ジジイは化学繊維つまりナイロンのジャンパーを着用していたため私のナイロンと噛み合いぶつかり合い、共鳴したのです。
メキシコの陽気な人のマラカスを彷彿とさせる、はたまた冬の陸上部を思い出させる乾いた下品でありながら痛快な音は車両を騒然とさせ、互いに一歩も譲れない高次元の土俵へ導いていました。