父帰る1 | 負けるが勝ち犬

負けるが勝ち犬

40歳を前に突然会社を辞めてしまった女、独身。しかし、ここからが真骨頂の「リアルタイムサクセスストーリー!」…勤労意欲をなくすこと1年10カ月。のち、不惑にして東京デビューの荒技に出るも、2年後の春にリストラに!またまた崖っぷち~!

昨年秋、夜中容体急変(嘔吐)で救急搬送された父。

単なる胃の荒れだったようで退院となったが

嚥下障害があり(食事の際むせこみがひどい

歩行も つたい歩き状態のため

引き続きリハビリしようということで、昨年末に転院したのだった。

一時的にけっこうリハビリ効果があらわれていたものの

小食(好き嫌いあり)のため激やせしてしまい体重が大幅減。

リハビリもできないほどに、もはやミイラ化していた。

転院当初は要介護1だったものが、3月には要介護4にまでダウン。

食事も鼻からチューブを通して採るとういう経管栄養方式に。

 

これ以上リハビリの効果は見込めない。

ということから、リハビリ療法は終了。

 

起き上がることもままならなくなり

ついにオシッコもチューブで排出状況に。

普段はずっと目をつぶったまま寝て過ごしていると

意識もほぼないと

リハビリ担当だった看護師さんから聞いた。

 

申し込んでいる介護施設に入居が決まるまで単なる入院状態となったわけだ。

ただ、それは病院側の好意であり、よって長らくいられるわけでもなく・・・

 

また、そこの病院は自宅からものすごく遠いため

父はこのままアウェイの地で逝ってしまうのかと

せめて最後は地元のデイサービスで通っていた介護施設(特養)に連れていきたかったと

じつに無念でならず・・・

 

出入りのクリーニング屋さんがとても心優しい方で

クリーニング集荷ついでに ときおり父の様子をラインで教えてくれていたんだが

無念でならぬ。

と、オラがもらすと

でも、病院で最期を迎えるというのは一番安心ですよ。

とか、いろいろ慰めてもろたりしていた。

 

ところが

リハビリ中止から一週間もしないうちに

なかなか空き室が出ないはずの介護施設から「空きましたよー」と連絡が!?

しかし

このような、植物状態になってしまっては、入居など無理だろうと思い

その旨伝えたら

医師の判断になるので、と言われ、とりま、「入居します」と返事をした。

 

すると、医師判断は入居OKと。

なにやら、要介護5とかでも介護施設には入れるんだそうだ(施設にもよると思うが)。

 

ともあれ、最期はホームに帰れてよかった。と、胸をなでおろした。

 

このようなご時世のため、面会はもとより、退院、入居にも立ち会えず。

イコール、すべて介護施設の方にやっていただくことになる。

病院から介護施設の移送の途中

介護施設入居に必要なアレコレを自宅に一度立ち寄って積み込み。

その際、母がストレッチャーに載せられて帰ってきた車の中の父のところへ行って

「いま、家の前だど!」「かえってきたんだど!」「わがるが!」と、声をかけたら

かすかに、うなづいていたとか・・・

差し入れでバナナを持ってったようだが、むろん食べることもできず。

(じつは母には鼻管とか尿管とかしてるとは話してなかったのだ)

 

あれはもう長いことないだろうから「覚悟しておけ」と

オラはすでに知っていたが、母から連絡があったのだった。

 

つづく