個人で出版プロデュース業をしている人がいる。
その方の依頼で、編集の仕事をしていたのだが、最終原稿が先月完成した。
さっそく初校ゲラにしてもらおうとその方に連絡した。
本当は、メール添付で送ってもいいのだが、どうやらその方は事務所を構えておらず(知人の事務所に居候しているようだ)、FAXやメールやら、そうしたことでの連絡はなかなかできないようで、
「では、近々都合を見つけ、そちらへ受け取りに参ります」との返事だった。
が、その後、連絡もなーんもなく、「どうしたんだろ?」という感じになっていた。
「印刷所に支払う金がなかったりしてな」
と、ボスにいたっては、そんな冗談を言い出す始末。
しかし、まったく音沙汰がないため、こちらから再度連絡したところ
ようやく、一カ月以上たった今日、来てくれた。
「あぁ、よかった、ホッとした」
と、思っていたところ、それから一時間もしないうちにその方から連絡が入った。
出てみると、なんか、のっけからカンカンに怒っている![]()
なんでも、著者に連絡したところ、今日オラが渡した原稿と同じものが、著者の元には届いていない!つまり、チェックできないじゃないの!ってクレームだった。
「実は、すでに三度も校正いただいていて、次回のチェックはゲラになった段階でお願いしますと著者にはお話していたのですが」
と、わけを話してみたのだが
「でも、ってことはとにかく著者の手元には、この原稿送ってないわけでしょ!」
と、ものすごい剣幕で攻めてくる。
オラはオラで、同じことをまた言ったうえに、
「では、今回はとにかくこの原稿を送るだけでいいですね、この原稿にチェック入れらても、どうどうめぐりになってしまうので、あくまで次回校正はゲラの上でお願います」
なんて言ったものだから、火に油をそそぐことになっちまったようだ![]()
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「その言い方だと、面倒だからもうやりたくありませんって感じじゃないですか! さっさと金だけ支払わせといて! おたくじゃなくたって、頼む会社はいくらでもあるんですから」
なんてすごいことを言われてしまった![]()
それはこっちのセリフだい!
と、思ったが、個人事業主ではない立場のオラゆえ、とにかく謝っといた。
もしや、ゲラに出す段階では同じ原稿を著者に送るというしきたりがこの業界にはあるのかもしれないな。オラ、経験浅いからそういうしきたり知らなかったのかも。などという思いもあり、ちょっと反省モードにもなった。
とにかくそういったわけで
「おっしゃるとおりです」
「申し訳ございません」
を繰り返していたら、今度は、原稿をゲラ初校にするのが遅れた理由を「弊社も編プロも繁忙期にくわえお盆休みなどあったのでって、うまくごまかしておいたから!そちらからも一本謝罪の電話を入れといて!」と、あろうことか、そんなことを言ってきた。
理不尽きわまりないと思いつつも、なんかきっと、どっかで大きな勘違いをしているんじゃないんだろうか?と、ふと思った。
そもそも、あきらかに著者自体が、「次回はゲラ初稿の段階で校正お願いします」って話を忘れている。が、一か月以上も前の口約束なのだから、忘れられてもいたしかたあるまい。
でもって、このカンカンになっている電話の向こうの彼にしても、このやりとりを実際の場で見ていたわけでも聞いていたわけでもないのだから、著者に頭ごなしに叱られたのなら、こっちに矛先が向くのも、しょうがないといえばしょうがない。
とにかく、今なにをどう言ったところで、かえって相手は逆上するばかりという感じだったので、弁明一切は言わない方がいいかなと判断。
もちろん、著者あてに原稿は送るが、原稿遅れの謝罪の電話は入れるつもりはなかった。が、「はいわかりました」とか言っといた。
こうしたこともあり
相手もだいぶ落ち着いてきて、用件終了。
ところが、それからまた数十分後に件の彼から電話が!
出てみると、なぜか今度は態度がチョー軟化している!?
「原稿は私のほうでコピーして明日著者のところに持っていきますから、そちらで送っていただかなくて結構です」
との連絡だった。
なんか変なの…。
そもそも、なんで原稿をずーっと受け取りにきてくれなかったのさ。
だいたい、なんで今日著者にわざわざ連絡をとったのだろう??
むこうから偶然かかってきたのかな??
でも、なんでわざわざ著者のところに届けに行くことになったんだ?
宅配便でもいいじゃん。
っていうか、うちにそのままやらせときゃ宅配便だってうくじゃん。
・・・腑に落ちない。
が、帰宅した瞬間ハッと思い出した!
数週間前のボスのジョークを
なるほど、引き換えに、やっとご入金が成立したってことか…