F-ZERO GXのマシン性能について | 気ままな黒猫の気ままにアップデート

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メダロットシリーズの解析、改造パッチ制作を主にやってます。不定期で更新中。
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約3か月ぶりですね。気ままな黒猫です。

長雨曇天が続いてからの突然の猛暑にやられている人もいるのではないでしょうか?私もその一人です。
 
さて今回は現在改造を行っているF-ZERO GXのマシンの性能について解説しようと思います。
かなりの長文となっていますので気をつけてください。
 
F-ZERO GXをプレイした人は気づくと思いますが、ゲーム上では3つの性能評価と重量が出ていますが、
同じ性能のマシンでもかなり挙動が違ったり、一部のマシンがやたら性能が高かったり低かったり、あるいは一部のマシンのカメラの動きが他と違うものがあります。
はっきり言って重量以外の表示は全く性能に関与してません。F-ZERO GXのISOファイルをとあるソフトで分解するとゲームを構成するフォルダが構成され、その中にマシン及びカスタムパーツの性能に関する設定ファイルがあり、マシンの走行性能に関わる数値が18、カメラの挙動に関する数値が3つあります。他にもマシンの当たり判定に関わる数値などがありますが数については省略します。
なお、このファイルに性能表示を変えるための項目はありませんでした。
 
ではそろそろ、性能について説明していきます。一部項目でオリジナルマシンに言及しているところがありますが、今回はデフォルトマシンに限定しての説明とします。
資料は海外サイトから得たもので、英語で書かれてるため直訳、意訳の混在がありちょっと読みにくいかもしれません。(参考: https://gamebanana.com/tuts/12468 のSpreadsheet with the F-Zero GX Hidden Stats and explanationsの項目)
また、ネット上に出ている基本的なテクニックや応用技、バグ技等のやり方や挙動を理解していることを前提として解説します。
 
・重量:ゲーム中に表示されている性能で、唯一マシン性能に実際に影響している数値。軽いほどターンが速く加速が速くなり、重いほどターンが遅くなりグリップが強くなり、最高速度も上がる。また、ジャンプ中の挙動にも影響し、重いと隙間加速や踏み外し加速、超高速ドリフトでの速度上昇が高くなる。
 
・加速:マシンの加速力に関する係数。オリジナルでは中間セッティングでの値として0.3~0.7の間で設定される。数値が高いと巡航速度までの加速力が高くなるが、その分減速度も大きくなる。ブースト後の惰性やアクセルオフ時の惰性にも影響し、高いと減速度も大きい。
この値が中程度の時は非ブースト時の巡航速度が最も高くなる。大きすぎる値では急激に減速、小さすぎる値では後述の抵抗に負け速度が伸びないためである。ちなみに値が0だと当然発進できず、0.1では加速が非常にゆっくりに、5など異常に高すぎる値だと急加速&急減速の異常な挙動になる。
ブーストの速度には余り影響はないが、値が高いとブースト終了時の到達速度が少し下がるらしい。
エンジンセッティングにおいては加速/最高速バランスで数値が変動し、中央では設定値、右端のセッティングでは常に設定値の0.7倍、左端のセッティングでは設定値が0.6以下の時は設定値の0.7倍+0.42、0.6を超える値では設定値の2倍-0.7となる。
 
・最高速:マシンの最高速度に関わる係数。オリジナルでは中間セッティングでの値として0.1~0.35の間で設定される。数値が高いと非ブースト時とブースト時の最高速度が高くなる。ただし、最高速度はこの数値だけで決まるものではなく、加速、重量、抵抗の影響を受ける。
値が高いと巡航速度へ到達する時間が長くなる。ただし、非ブースト時の最高速度からブーストによる最高速度への到達時間には影響しない。
この値は0でも有効で、解析者によるテストによると値が0でもある程度の速度になるとのこと。
エンジンセッティングにおいては加速/最高速バランスで数値が変動し、詳しい計算式は判明されてないが、同じ設定値でも加速の設定値が0.49以下で最高速セッティングでの係数が大きくなり、0.5以上だと中間より最高速セッティングで係数が下がる。例えば最高速が0.1のブラッドホーク(加速0.54)とワイルドボア(加速0.36)は最高速セッティングでそれぞれ0.1、0.4456となっている。
なお、係数の変化は加速が低いほど大きくなる模様。
 
・グリップ1:グリップの維持力。オリジナルでは中間セッティングでの値として0.25~4.5の間で設定される。単純に数値が高いとグリップを失いにくくなる。
エンジンセッティングにおいては加速/最高速バランスで数値が変動し、左端のセッティングで設定値の0.875倍、右端のセッティングで設定値の1.125倍になる。
ゲーム中でグリップ評価が出ているが、ほとんどがその通りに数値が設定されていない。後述するターンテンション、グリップ2と合わせてグリップ評価となるが、グリップがAでも総合的な性能が低くて滑りやすいマシンやグリップDなのにこの性能が異常に高くスリップはおろかドリフトすら始動できないマシンもある。その例が前者はピンクスパイダー、後者はワンダーワスプである。
 
・グリップ3:ドリフトターン時の旋回力。オリジナルでは中間セッティングでの値として0.07~0.35の間で設定されている。高いほどドリフト時に深く曲がり、低いほど曲がりにくくなる。超高速ドリフトを使用する場合、低い値の方が同じ旋回量でマシンの向きを深く変えられるためやりやすい。
エンジンセッティングにおいては加速/最高速バランスで数値が変動し、左端のセッティングで設定値の0.875倍、右端のセッティングで設定値の1.125倍になる。
 
・ターンテンション:マシンの向きの変えやすさ。旋回範囲、旋回角度とも言う。オリジナルでは0.008~0.22の間で設定されている。
値が低いほどステアリングで向きが変わりやすく、超高速ドリフトを連続で行える。また、グリップの失いやすさにも影響を与え、値が高いと曲がりにくくなるがグリップ1が低くてもスリップしにくくなる。例として、最もグリップ1の低い(0.25)ソニックファントムが最高速セッティングでスリップしにくいのはグリップ1が上がるだけでなくターンテンションの値が0.22と高いためである。
ただし、値が高すぎたりマイナスになると異常な挙動を起こすので設定する値は0.4未満が望ましい。
 
・ドリフト加速:ドリフトターン、内ドリフト、ドリドリ中の速度増加、速度ロスを決める値。オリジナルでは中間セッティングでの値として0.2~1.9の間で設定されている。
値が1より小さい場合はドリフトで失速することを意味し、1以上の場合は加速することを意味する。設定した数値によってエンジンセッティングごとの速度変化の挙動が変わる非常に特殊な値である。以下は設定した値に対する数値の変動である。
設定値≦1のとき 右端:設定値と同じ
設定値>1のとき 右端:設定値*0.1
設定値<1のとき 左端:2
1≦設定値<1.4375のとき 左端:設定値*1.6
設定値≧1.4375のとき 左端:2.3
 
・旋回移動量:コーナリング能力の基本となる数値。旋回半径、旋回力とも言う。オリジナルでは中間セッティングでの値として75~190の間で設定されている。
高い値であればスティックを軽く倒しても多く曲がって微調整が難しくなり、低い値であれば曲がりにくくなる他、ドリフトターンや内ドリフトを始動させるのが難しくなる。なお、ドリフトターン、あるいは超高速ドリフトでの旋回力には影響しない。
この数値はマシンの重量と対になる数値として設定されていて、重量の1/10の値が基準となっている。単純に同じ値ならば同じ挙動をするというわけではなく、基準から多いか少ないかでコーナリング性能が評価される。同じ数値(175)を持つレインボーフェニックス(1080kg)とファットシャーク(2490kg)のコーナリング挙動を見ると分かるはずである。
エンジンセッティングにおいては加速/最高速バランスで数値が変動し、左端のセッティングで設定値の1.1倍、右端のセッティングで設定値の0.7倍になる。
 
・スライドターン性能:スライドターン時のコーナリング性能を示す数値。オリジナルでは5~100の間で設定されている。
高い値であればスライドターン時により鋭く曲がり、ジャンプ中の旋回力が高くなる。また、非常に高い値だとL+スティック右のように相反する左右の操作をするとスライドの操作が優先され、低い値だとスライドターンと普通のステアリングとで旋回力が変わらなくなる。
なお、内ドリフト時にはこの値は反映されない。
 
・スライド性能:スティックを動かさない直進スライド時の移動性能を示す数値。オリジナルでは15~40の間で設定されている。
値が高いと単位時間におけるスライド量が大きくなり、超高速ドリフトの加速性能が上がり、マシンの傾きが大きくなる。また、スライドターンの性能や内ドリフトの性能にも影響する。
 
・ターンリアクション:コーナリングの始めと終わりの慣性の強さ、またはマシンの向きの変化の遅さ。オリジナルでは0~30の間で設定されている。
高いほど向きを変えにくく、ステアリングを戻すときに倒した方向と逆方向に弾かれるような動きをし、高速時に急ハンドルや連続してステアリングを動かすとグリップ1の大きさに関わらずスリップしやすくなる。マシンの向きを微調整してて突然腰砕け的にバランスを失うのはこの数値が高いことが原因である。また、低いほど超高速ドリフトによる加速が大きくなる。これはドリフト時のマシンの旋回角とスライドの方向と実際の走行方向が揃うためとされている。
 
・グリップ2:ドリフトしているマシンの滑り具合とグリップの回復力を示す数値。オリジナルでは0.26~1の間で設定されている。
高いとスリップからの回復が早くなり、低いとスリップからの回復やコントロールが難しくなる。ドリフトターン、内ドリフトの応答性にも影響を与えるとされ、また超高速ドリフト中の速度の増減の速さにも影響するとされている。体感では0.5未満になるとスリップからの復帰が難しくなる。
グリップ1とは違い、余り注目される値ではないが、組み合わせることで「グリップの維持力が高いが回復力が低く、スリップに注意が必要なマシン」「グリップの維持力が低いが回復力が早く、ドリフトで駆けるマシン」などができる。困ったことにオリジナルマシンのパーツはグリップ評価が高いほどこの値が低くなる傾向がある。
 
・ブーストの強さ:ブーストの使用やダッシュプレートを通過した時の加速性能。オリジナルでは11.2~22.0の間で設定されている。実際はこれに0.57をかけた値が適用される模様。
単純に高いほどブーストやダッシュプレートで得られる速度や加速性能が良くなる。エンジンセッティングにおいては加速/最高速バランスで数値が変動し、左端のセッティングで設定値の0.95倍、あるいは1倍、右端のセッティングで設定値の1.05倍になる。
ゲーム中ではブースト評価が表示されているが、ほとんどがその通りに数値が設定されていない。後述するブーストの持続と合わせてブースト評価となるが、評価Bにも関わらずデフォルトマシンで最もブーストの強いファットシャーク(22.0、持続も最も長い2.0秒)や、評価Eにも関わらずブーストが弱くないブラックブル(15.5、持続はデフォルトマシンでは2番目に長い1.85秒)、評価Aにも関わらずデフォルトマシンで最もブーストの弱いシルバーラット(11.2、持続も1.3秒と4番目に短い)といい加減な性能付けが多い。
 
・ブーストの持続:1回のブーストの持続時間を秒単位で表す。オリジナルでは1.1~2.0の間で設定されている。ダッシュプレートによるにも適用され、加速時間は常にこの数値の半分である。
高いほどブーストやダッシュプレートの持続が長くなるが、その分ブーストのエネルギー消費量も増える(エネルギー消費量はブーストをしている時間に比例する、ブーストの強さは関係ない)。低いとその逆の傾向になる。
基本的にブーストができない1周目において加速はダッシュプレート頼りになるため持続は長いほうが良い。特にダッシュプレートが多いコースでは持続の差がラップタイムに直結するため重要である。ダッシュプレートが少ないコースや安定してブーストができる区間が短いコースなどの場合は持続が短いほうが有利になるときがある。
時間を設定するときは4.25秒(255フレーム)以上ではブースト直後にブーストが切れる動作異常を起こすのでそれ未満にすること。
 
・ターン減速:ステアリング、スライド、スライドターン、ドリフトターンでの減速の強さを示す値。オリジナルでは0.01~0.07の間で設定されている。
値が高いと減速が強くなり、低いと減速が弱くなる。値がマイナスになると各種ターンで速度が増える。
エンジンセッティングにおいてはどのような計算がされているか不明だが、加速セッティングでは数値は変わらないが、最高速セッティングでは0.01を下限に数値が減少するが、中には変化しないマシンも存在する。
 
・抵抗:いわゆる空気抵抗。最高速度、ブーストによる速度増加を阻害する力の係数。オリジナルでは0.01~0.015の間で設定されている。
走行中常に働く減速要素であり、単純に値が高ければ速度が上がりにくくなり、ブーストによる加速が悪くなり速度上昇後の減速も早くなる。またアクセルオフによる減速も多くなる。値がマイナスになると減速しないどころかアクセルオフで加速する現象が発生する。ただ、減速要素は他にもあるので無限に加速するわけではない。
通常は0.01で統一されているが、ダークシュナイダー、スペースアングラー、コズミックドルフィン、グルービータクシーは0.011以上に設定されている。後ろ3台はただでさえ性能が低いのに性能が下がる追い討ちをかけているのは何の嫌がらせだろうか?
 
・ボディのダメージ係数:壁への接触、他のマシンによる衝突やアタック、地雷、溶岩、レーザーなどのダメージを与える要素からどのくらいエネルギーを失うかを決める値。オリジナルでは0.35~1.3の間で設定されている。
高い値ほどダメージを受けやすく低い値ほどダメージを受けにくい。
ゲーム中ではボディ性能として評価されているが、その割に数値の設定に曖昧なところがある。ボディ評価Aのものは硬いものでファットシャークの0.35、脆いものでファイアスティングレイの0.8。BとC、DとEで数値の範囲が重複しておりおおよそ当てにならない。
 
・0x48:正式名称不明。アドレスの0x48番目にある数値ということで仮の名前がついている。他が4バイトの浮動小数点数(いわゆる正負・小数ありの数値)であるのに対し、この数値は1バイトの正のみの整数で定義されている。通常は1~8の間で設定されている。
この数値を変えると連続で超高速ドリフトができるかが変化し、4以下では簡単にでき、5~6では難しくなり、7~8ではほぼできなくなる。
他にも値が高いと内ドリフトの操作をして始動するまでのタイムラグが大きくなったり、超高速ドリフトからの復帰でアクセルを押した時にカメラの正面でなくマシンが向いている方向に発進してしまうことから、スティックの向きに対するマシンの向きの追従速度ではないかと推察される。
 
マシン性能の説明については以上です。画像等がなくて分かりにくかったら申し訳ありません。元となったExcelデータは今翻訳を行っているのである程度形になったら公開しようと思ってます。
次回はオリジナルマシンのパーツが関わる性能について解説していこうと思います。こちらも性能付けに一癖ありです。
 
(19/8/11加筆)