「るりる」って言う名前の、
カエルが出て来る詩があってね、

そのカエルが、
「幸せを夢みてはいけませんか?」
って聞くんだよ。


その詩を初めて読んだのは、
私がまだ10代の頃だったけど、

未だに答えがみつからない。




知ってるさ、みんな誰だって、
答えを探しながら、
もがきながら生きている。




言われなくても、
分かってはいるけれど、


みつけられない自分がはがゆくて、
悔しくて仕方がない。



こんなにみんなが探してるのに、
どうして誰にも見つけられないのか、

もしかしたら答えなんか、
もう、どこにも無いのかもしれない、と、

そんな風に気弱になったり、
ヤケになったりもする。




それでもみんな、
生きていかなきゃいけないんだ!




ただ今日は、
台所に立って、

トントンと野菜を刻んでね、
美味しいスープが出来上がったから、


あなたにも届けたいと思ったよ。



辛い運命でも逆境でも、

たとえ端末越しにでも繫がっている温もりに、
この同じ空の下、どこかに存在するあなたという事実に、

救われる時がある。



決して1人じゃない、
あなたも私も。







草野心平「蛙のうた」
http://www.kuniomi.gr.jp/togen/iwai/kaeruuta.html

すかんぽさん。夢みることはいけないでせうか。
眠ってみる夢ではなく眼をあいて見る夢です。
あたくしたちの幸福を夢みることはいけないでせうか。
あたくしがこの耳で雨の音などを聞くことが出来ました頃。
お母さんはあたしたちの先祖のお話をしてくだすったことがあります。
それはまだこの世に雪のないずっと遠くのことなんですけれど。
あたくしはそのお話を半分ほどもきかないうちにもう泪がでてなりませんでした。
でも御覧。こんなにあたしたちは立派なのです。
楽しく歌ひ。自然は泪も出しきれないほど美しく。
ねえほら。みんな泳いだり浮んだり。さ。ね。お前も歌ふんだよ。るるっていって御覧。
さうさう。もう少しづつけてるるるっていって御覧。
そんな風にしてあたくしは歌をおぼえました。
すかんぽさん。ずゐぶんおしゃべりをしました。御免なさい。


草野心平(1903年 - 1988年)は、蛙を題材にした詩を多数書いた福島県生まれの詩人。
http://www.k-shimpei.jp/life.html










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