緊張感のせいか、
今日は朝からアドレナリンが出っぱなしで、
口にしたのは、いなり寿司3個だけ。

そうして何とか切り抜けて、
ようやく一日が終わろうとしている。



カツの部屋は、
比較的若い男性ばかりの5人部屋。
脳外科の病室なので、
頭に手術の跡のある方ばかりだ。


案内されたカツのベッドは、
両側を他の方に挟まれた場所だった。


おまけに、リハビリ病院などとは違って、
ベッドとベッドの間隔が狭い。


これは結構、移乗に苦労しそうだなあ、
と思ったけれど、
さすがに文句は言えなかった。



ところが、担当の看護士さんが来て、
色々と既往症の問診や、
必要な介助について話をしていると、
隣のベッドの男性が、場所を変わりましょうか?
との提案をして下さった。


彼のベッドは、部屋の端の壁際で、
他のベッドより多少スペースが広かったからだ。



こっちの方が、
車椅子には楽でしょ?



嬉しかった。
ありがたかった。


彼だって入院患者だ。
しかも、カツと同じ病室に入院していると言う事は、
それはおそらく「簡単な病気ではない」事を意味している。

それでも私達を気遣う、
心の広さを持っていらっしゃる方なんだと、
心から感謝した。


本当に、良いんですか?と、うかがったら、
いいんですよ、おたがいさまです。
と言って下さった。




おたがいさま。

この美しい日本語に、
胸が熱くなった。