父が、退院した。
手術前の1日は
以前泊まった介護施設と
勘違いしていたせいか
大人しく、夜中も徘徊せず
看護師の2時間おきの尿の計量にも応じていたらしく、
翌朝夜勤の看護師に、「とても優しく接してくださって、ありがとうございました。」なんて、普通は患者が看護師に言う言葉をいただいた。
父は、まだ自分が手術する当人だと言う自覚がない中、精一杯の気遣いをしたのだろう。
そして手術室への移動の時間が来た。
変な術衣に着替えさせられ
、なんだこの服は?と不思議がってはいたものの、車椅子に乗せられて、動き出すと、別の事が頭に浮かんだのか、一人で喋り出し、後ろから、家族が付いて行っているのも目に入らず、
独り言を言いながら手術室の中に消えて行った。
3時半から始まった手術は、何の問題もなく、早目に終わり、ベッドに寝かされた父は、5時に病室に戻って来た。声をかけると「おしっこがしたい。」と答えが帰って来て、ひとまず現世に戻って来たのを喜んだ。この時点では膀胱に入れた管に慣れていないので、痛がったり、尿意を感じると、麻酔科の医者が言っていたとうりの、症状であった。
が、この後から私はいまだかつてない経験をしてしまうこととなった。
可愛い小柄の看護師さんが、大きい袋を肩からぶら下げて部屋に入って来た。
「ご家族さんが帰られた後に管を抜かないように体を固定しますので、その準備をさせていただきます。ご家族はサンルームでお待ちください。」と言うので、拘束の準備をするのだな、と思った。認知症でもあるし、拘束はしてもらった方が良いと思い私が、同意書にサインした。
しかし、私は実は、介護の世界しか知らないので、拘束器具を見た事がなかった。あの袋の中身が気になり出した。・・・        続く