「如来蔵思想の源泉」

◎子の母を得たるが如く、渡りに船を得たるが如し。

「子の母を得たるが如く」であるが法華経のこの品は、ことに女人の往生が説かれている。日蓮聖人は「薬王品得意沙」で、妙法華経の文に「世尊の法は久しくして後、要ず当に真実を説きたまふべし、妙法華経皆是れ真実なり」と申す文を以って之を思ふに女人の往生成仏決定と説かるる法華経の文は、実語不妄語戒と見えたりといわれるのである、法華経は真実の経であるから「薬王品」で許されている女人成仏もまた真実であるといわれる。「渡りに船を得たるが如し」について「薬王品得意沙」では生死の大海に爾前の経は或いは筏、或いは小舟なり。

生死の此の岸より涅槃の彼の岸に付かんと欲すと雖も、「生死の大海は渡り難し極楽の彼の岸には付き難し」と説かれている。「自我」あるいは「自己」を個物と考えるとき仏教には「固有の性質を持った存在」「それ自体で存在するもの」という意味「自性」という語がある。「中論」「観因縁品」の偈に「諸法は自性無し/是の事有るが故に是の事有りと説くは然らず」とある。また「観四諦品」に自性を固執しているがゆえに滅(涅槃)を破壊することになるのであるという。「苦にもし定性有らば即ち応に滅すべからず。何となれば性は即ち滅することを無きが故なり」という無自性の思想である。   小島雅代さんの著書より

◎法華経の仏身論が如来蔵思想形成の基盤となります。

=一乘会からのお知らせ=

8月21日、写経会(親睦を兼ねて納涼会を開催します)

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