ずいぶんご無沙汰しております。強化の枠組みが教科指導中心にシフトし、書くことがマンネリ化して書けなくなっているようです。簡単に実践を報告する機会がありましたので、そのレポートをほぼそのまま掲載したいと思います。


1 報告に至る経緯


 作業学習や生活単元学習、日常生活の指導、自立活動中心の実践から、病弱特別支援学校高等部に異動し、教職生活で初めての教科指導(社会科)を担当することになった。

本稿の目的は、教科指導ビジターの中堅教員が、生徒の実態をどのような観点で把握し実践を行ったのかを紹介するし、実践での有効面を報告することである。



2 教育課程と生徒の実態

教育課程は生徒の実態から2つに分かれている。

A課程は、高等学校とほぼ同一で自立活動が加わる。近年は身体的な病弱の生徒より、精神的な問題を抱えた生徒が多い傾向にある。

B課程は、高等学校に準じた教育課程で、生徒の実態を踏まえた生活につながる視点で構成されている。生徒の実態の幅は極めて広く、知的な問題を抱えていなくても、様々な事情で学習に遅れがある生徒が多い。



3 指導の実際

()A課程「地理A」「現代社会」

①生徒の実態

 地理Aは3名、現代社会は2名である。聴覚認知が弱く視覚認知が優位で、聴覚認知が圧倒的優位(中途失明)な生徒もいる。また、ノートをとるのが苦手な生徒が多い。さらに、前方より手元に意識が向きやすい生徒もいる。

 さらに、社会への関心が高く、時事にも詳しい生徒がいる一方で、興味関心の幅が狭く、教科書に沿った展開のみでは授業に集中できない生徒もいる。

②困り感への対応

PCiPadを板書としてモニタ提示し、画像も多く掲載し、状況に応じて拡大提示を行い、中途失明生徒には、世界地図パズルを活用したり教科書音読の工夫を行なった。また前方注視のため、モニタ提示資料をワークシート化したものを配布し、必然的にモニタを見るようにした。さらに、学習意欲を高める手立てとして、関心の幅の狭い生徒には、内容と関心の高い項目を結びつけ(例:銀行金利自由化→阪神定期預金)たり、最新の時事を教材化したり、Eテレビを補助的に使用したり、突発的な疑問にも、iPadによる調べ学習で対応したりした。(県サーバのネット規制対策の意味も大きい)



()B課程「社会」

①生徒の実態

 視覚優位の生徒が多く、ノートをとるのが苦手である。既学習内容(主に中学校段階)の欠落した生徒や思考の整理が難しかったり、コミュニケーションの問題から質問や発表が苦手な生徒も見られた。さらに、教室に入れない生徒、生活リズムの問題から教科の設定時間帯に登校できない生徒も存在した。出席できている生徒は、関心にはバラつきが多いものの教科への関心は高かった。

②困り感への対応

 身近な地域、行ってみたい地域の歴史、地理、観光、産業について学習した。視覚情報を多用し、iPadで副教材の段階的使用(関心の状態による掘り下げ)を行った。(動画やサイト、アプリ)また、質問発表項目の事前周知(個々の関心に応じて)を行い、授業への積極的な参加につなげることができた。授業中の発問回答時には、個々に応じた強化(褒め方)を行なった。さらに教室には入れない生徒には、時間外に別室で授業データを入れたiPadで個別授業を行なった。このことで授業に見通しが持てたのか、この生徒は教室で社会の授業を受けることができるようになり、他の教科の授業への出席にもつなげることができた。

*副教材としてGoogleEarthPC版)の活用が、具体的な提示や操作ができて有効であった。(iPad版は機能的にやや劣る?)



()B課程「情報」

本年度から、Ⅱ課程全学年の「情報」の授業を担当することになった。生徒の教科に関する実態は、次のとおり。

PCに触れる機会の少ない生徒 
・メディアリテラシーの不足
・国語力の弱さ←文章作成
・数学力の弱さ←表やグラフの意味
・英語力の弱さ←ローマ字入力
・伝える力(方略)の弱さ

 1学期は、具体的な実態把握の意味も含めて、使用機会の多い発表(伝える力)に向けた諸活動に、自立活動の視点を踏まえて取り組んだ。

 具体的には、目的に応じた同一情報の異なる表現について学習した。①読む情報(原稿作文)②見る情報(ポスター)③発表情報(プレゼンテーシ)の作成である。

 これに加えて、授業の冒頭に個々の実態や関心に応じたタイピング練習ソフトを複数用意し、入力練習にも取り組んだ。

 さらに発表練習では、様子をiPhoneで録画し、即大型モニタに接続して再生し改善点を指摘しつつ、良かった点を評価した。グループ内での発表時には、生徒が相互に評価できるように評価の観点を分かりやす示した。この相互評価に教師の評価を上乗せする手法は、教師だけが評価するより極めて有効な感触を得た。

情報「読む情報」


☆自己紹介

わたしの名前は、前田あつこです。

おとめ座でA型、性格はロマンチックでき几帳面です。わたしの夢は、いつかイギリスやフランスを旅することです。イギリスでビートルズのふるさとを訪ねたり、フランスでルーブル美術館を見学したり、本場のフランス料理を食べたりしたいです。

将来の夢は、AKB48に入り、女優になりたいです。そのため、今はダンスや歌、演技のレッスンにかよっています。

こんな、わたしの夢、わかってくれる人はいませんか。



情報「見る情報」(掲示情報)


       自己紹介

★☆名前☆★

前田あつこ (おとめ座 A型)

★☆性格☆★

☆ロマンチック    ☆きちょうめん

★☆夢☆★

イギリスやフランスを旅してみたい。

・イギリスでビートルズのふるさとを訪ねたい。

・フランスでルーブル美術館を見学したい。

・本場のフランス料理を食べたい。

★☆将来の夢☆★

AKB48に入り、女優になりたい。

そのため、今はダンスや歌、演技のレッスン中。

こんな、わたしの夢、わかってくれる人はいませんか?


発表情報(パワーポイント)は省略 上記の掲示情報をさらに簡素化し、イメージや写真を加えて、視覚的に目を惹くようにしたものです。


*1学期末の職場実習報告会では、これまでにない分かりやすいプレゼンテーションを行う生徒が多かった。

4 現在の課題

・同一クラス内の個々の生徒間の実態差への対応。

・汎化の検証をどうするか。

・進度の差の埋め方(欠課生徒への対応)

・卒業後の生活に向けた社会科的内容(年金、選挙、保険制度等)の授業をm幅広い実態や進路に向けて、どのように展開すればよいか。

iPadの活用(公的に入った場合の規制への対応含)

長々とご覧いただきありがとうございました。

応用行動分析の文脈中心では、現在の状況からすると定期的な更新は厳しいようです。

少し時間をかけて、今後の更新方針を考えて、リニューアルするか辞めるか検討したいと思います。