【檻の中】3 | Funeral Wreath

【檻の中】3

*【檻の中】2の続き。生ぬるく暗ーいので注意ですよ。









カツ、カツ、


――――――――足音?


きゅ


―――――――腕が、イタイ―――


ここは、何処だ?



【檻の中】3―もがれた翼―




全ては黒だった。

否、眠っているのか起きているのか解らない程に目の前が暗いのだ。

背に感じる感触から、どうやらベッドの上らしい。


兎に角明りを―――


と、手を伸ばそうとしたがそれは叶わなかった。

手首に痛みが走り持ち上げかけた身体が再び落ちる。

「―――!?」

両腕は頭上に括られていた。余程きつく縛ってあるのか、

全く余地がない。

「――――そうだ・・・ヴィンス!ヴィンス何処だっ!!」

「そう大声出さないで。此処にいるよ?」

「――!」

突如耳元に囁かれ硬直する。暗くてよく見えないが、慣れてきた目が

人影を認識し始めた。その影の声は確かに弟のものだ。

「此処はナイトレイ家なんだ。誰かに気付かれたら兄さんも

 マズいでしょ」

「ッ!どうしてっ」

「・・・言ったでしょ?『―鳥は籠の中に―』って・・・」

ギルバートは言葉を失った。この弟は、永遠に自分を檻の中に入れる

つもりなのだろうか。

「ギルはね、綺麗な黒い鳥なんだ・・・だけどね、黒は何物にも支配され

 ないけれど、兄さんの心は真っ白だから・・・」


―――だから、閉じ込めておかないと―――


「―――――ッ!!」


冷たい金属の感触。頬に触れた『ソレ』は輪郭をなぞる様にして

首筋に滑り降りてきた。

―――これは、鋏だ

彼が愛用するものが脳裏に浮かぶ。

そして、その予想はすぐに肯定された。


ちょきん


鼓膜に響く、擦れるような金属音。髪が首筋に落ちる感覚。

冷や汗が頬を伝った。

「何か、分かった?」

くすくすと笑う声。それは自分の上から降ってきた。

ぐっと身体の上に体重がのしかかり、ヴィンセントが馬乗りに

なった事を知る。彼は子供のようにギルバートの胸に頬を寄せ、

落ちた髪を掌に握った。

「飛び立ってはイケナイ鳥が飛び立とうと言うなら・・・」

手にした髪に息を吹きかける。


「羽をモイデしまわないとね?」



―――嗚呼、目に入るのは「黒」ばかりだ―――


飛ばされた黒髪は羽のように宙を舞い


地に、ちた。





【檻の中】3―もがれた翼―





end




≫・・・実はちょっと気に入ってたり。

 終わってないけど・・・終わって置きます。