【檻の中】1 | Funeral Wreath

【檻の中】1

*ナイトレイ家を出たギル。捏造話。暗い。













―――仕方ない。仕方が無かったんだよ兄さん。













―――だって、兄さんが逃げるから―――











【檻の中】1―籠の鳥―











――――――――――――コトン。






「・・・・・・・・・ぅ・・・」

小さな物音にヴィンセントが目を覚ました時、窓の外はまだ暗かった。
先程の物音は隣の兄の部屋から聞こえたようだ。

――――――こんな夜中に?

重い目蓋を擦り、足音を立てぬように静かに部屋を出た。
軽いノックをして声をかける。

「・・・ギルバート?」

返事は無い。首を傾げながらも躊躇わずに戸を開けた。

「・・・・あれ」

その部屋にはにはいるべき人がいなかった。
ベッドの布団は綺麗にたたまれ、一時的に起きた様子では
なかった。

「ギル・・・?」

部屋はは何時も通り綺麗に片付いていたが、どこか違和感がある。
そこは綺麗すぎた。

「―――――――――――っギル!」

衣装棚を開ければ、よく来ていた洋服が無い。
彼の使う日用品はごっそり無くなっていた。

愕然としながらベッドの元へ歩き、シーツに手を触れた。

――――温かい―――――

そこには微かな温もりが残されていた。

「出て・・・行ったんだね・・・ギル・・・」

手のひらをシーツに滑らせ、そこに頬を寄せる。



―――愛しい人は行ってしまった――――



(僕は、ギルの為なら何でもするのに・・・)
(そう・・言ったのに・・・・)



―――鳥は、籠の中から出て行ってしまった―――



(君はまだ、『主人』に縛られたままなんだ)




―――鳥は、籠の中で愛でるものだ―――
 












「きっと僕が、兄さんを解放してあげるから・・・」
















―――鳥は、籠の中にいなければ―――














唇が孤を描いた。
















「まっててね・・・ギル・・・・」














―――すぐに籠から出してあげるから―――















【檻の中】1―籠の鳥― end


















≫矛盾は彼にとって正論である。
 と、思われたので。
 嗚呼、長くなりそうな予感が;;;