小学4年生の頃。

 

 

お父さんが出て行ったのは

我々の生活のため

だということを

頭で理解できるようになっていた私。

 

 

夏休み、

お父さんが帰省する代わりに

お姉ちゃんと私を迎えに来て

関東の親戚の家に

連れて行ってくれる

ことになった。

 

 

初めて乗せてもらう

お父さんの長距離トラックは

とっても大きくて

 

 

運転席も広くて

その後ろには

大人が横になって寝れるくらいの

広いスペースがあった。

 

 

お父さんはいつも

このトラックに乗って

仕事をしてるんだ。

 

 

私は日常からいなくなった

お父さんの存在を感じることができて

とっても嬉しかった。

 

 

夜の高速道路。

オレンジの街頭。

パーキングエリア。

 

 

普段、お父さんがいない

暗い気持ちでいっぱいの日常が

吹き飛んでいくぐらいの

ワクワクだった。

 

 

大きなトラックを

簡単に操作する

お父さんが

すごくカッコよく見えた。

 

 

ただ、

せっかくあんなに

会いたくて会いたくて

待ち望んでいた

お父さんとの時間も

 

 

何を話したらいいのか

分からなくて

ほとんど黙っていた。

 

 

お母さんの彼氏のこととか

お母さんがいつもいないとか

 

 

絶対にお父さんに

言っちゃいけないと思って

 

 

余計なことを言ったら

ボロが出てしまいそうでこわくて

 

 

お父さんに会えなかった間の

私の嬉しかったことや

私の悲しかったこと

困ってることとか

 

 

私がこんな風にして

過ごしてきたんだよーって

本当はお父さんに聞いてもらいたかったけど

 

 

一つも言えないまま

親戚の家に着いてしまった。

 

 

言ってたら、どうなってたんだろう。

 

 

多分、言ってたら

私とお父さんの関係が

本当に絶たれる気がしていた。

 

 

お父さんに

会えなくなるのは嫌だよ。

 

 

だから

私もお母さんのこととか

お父さんに気付かれないように

しようと思った。