何年も誰にも言えずに

ずっと抱えていた不安を

女子部の先輩は

静かに聞いてくれた。

 

 

「つらい思いを

してきたね。」と

言ってくれた。

 

 

子どもの頃、

お母さんとおばあちゃんに

厳しく口止めされていた

わが家の事情。

 

 

ばらしたら

大変なことになると

脅されていて

とても怖かった。

 

 

でも私は楽に

なりたかった。

 

 

1人で抱えるには

とても重すぎた。

 

 

生まれて初めて、

わが家の「秘密」を

他人に打ち明けて

 


とても怖かったけど

先輩が静かに

受け止めてくれて、

とてもホッとした。

 

 

 

それからどれくらいたったかは

覚えていないけど、

 

 

お母さんとたわいもない話をしていて

私が先輩に、自分の悩みを聞いてもらったって

言った。

 

 

悩みを聞いてもらえて、

とてもホッとしたって

言っただけなのに。

 

 

お母さんは

「まさかうちのことを

話したんじゃ

無いでしょうね!?」と

すごんできた。

 

 

 

さっきまで楽しそうに

話していたお母さんの

顔つきが

一瞬で変わった。

 

 

ヒェッ

なに?

お母さん・・・こわっ。

 

 

 

私は

「うん、まぁ・・・」と言った。