不器用あーやんの日常 -2ページ目

不器用あーやんの日常

気ままに更新していきます
主な内容は、小説や日常について書いていきます






今日はあったかいから散歩しようと
理佐を誘ったのは15分くらい前
ついでだから公園でお昼ご飯を食べよって
近所のパン屋さんで焼きたてのパンを買った

♪さーくらさいたらいちねんせー
♪ひーとーりーでいけるかなー

いい感じのベンチをみつけて
ご飯の準備をしていると聴こえてきた
幼稚園生くらいの声この歌を歌ってるから多分
新1年生なんだろうな

「どうしたの?」

「懐かしいなって」

頭にハテナを浮かべる理佐に
ほらって幼稚園生のことを教える

「あーなんだっけあの歌」

「えっとねー……なんだっけ?」

「調べる?」

「うん」

スマホを取り出す理佐に返事して
また幼稚園生の方を向くと
気づいた女の子が手を振ってくれて
手を振り返したら近くに来てくれた

(おねーちゃんたちなにしてるの?)

「かわいいお歌が聴こえるねって話してたんだよ」

「友香わかった。ドキドキドン!1年生だって」

(おうたしってるの?)

「え、あ、うん」

女の子が来ていたことに気づいてなかったみたいで
大げさに肩を揺らしたから笑ってしまった
それに気づいた理佐に睨まれた

(おねーちゃんこわい)

「ほらっ怖いって」

ケタケタと笑っている女の子を味方につけて言えば
今度は困った顔になった

(なーちゃん?お昼だから帰るよー)

(はーい!おねーちゃんたちバイバイ!)

「またねー」

お母さんらしき人に呼ばれて女の子は
さっきまで一緒にいたお友達と帰っていった

「ご飯食べようよ」

ちょっと拗ね気味の声に呼ばれる

「お腹すいたね」

「うん」

袋を開けるとふんわりと香っていた
バターの匂いが強くなってグゥっと小さくお腹がなった
それぞれ選んだパンを取り出して食べはじめる
半分くらい食べたところでふと隣から視線を感じた

「…理佐、あーん」

「……ん」

少しちぎって差し出すとすんなりと受け入れて食べた
普段は恥ずかしがるのによっぽど気になってたのかな

「これ美味しいでしょ?」

「美味しい」

理佐からもひと口貰って仲良くごちそうさました
のんびりと日向ぼっこしてたら

「これ桜の木っぽいよ」

上を見上げてた理佐に言われて私も上を向く

「桜……」

「ん?」

「あの子の入学式に咲いてるといいな」

きっともう少ししたら
蕾がつきはじめる桜の木に呟けば
そっと手を重ねられたから
理佐も同じ気持ちなんだろうな