不器用あーやんの日常 -18ページ目

不器用あーやんの日常

気ままに更新していきます
主な内容は、小説や日常について書いていきます







卒業式当日
1日で気持ちの整理ができるわけもなくて
しぶしぶ学校へ行った 

教室に入ればアルバムに寄せ書きをする子たち
思い出の教室で記念撮影をする子たち
最後だからって馬鹿騒ぎする男子たち
みんなそれぞれの時間を過ごしていた
私はただ机に伏せて時間が過ぎるのを待っていた

(アルバム書いてもらってもいいかな?)

「ん、わかった」

たいして話したこともないクラスメイト
名前すら曖昧な気がする
ぼんやりと記憶を探ってありきたりな言葉を書いておく

(廊下ならベー)

書き終わったら丁度担任に呼ばれた
綺麗に整列して体育館への道を歩き出す
すでに泣き出す男子もいて
ああ本当に終わりなんだなって実感が湧く

式も中盤に差し掛かって

(卒業証書、授与!)

これが終われば私たちの卒業式が終わったことと同じ
私は名前が呼ばれるのを待つ
あと2人、あと1人体育館の舞台へと上がる

(古川愛李)

「はい」

校長先生の前に歩いていく
練習通りに証書を受け取り舞台を下りる
自分の席に座って全員が終わるのを待つ  
証書を握る手を見ながらぼーっとしていた

(高柳明音)

名前が聞こえた瞬間にバッと顔を上げてしまった
あきらかに不審な動きだったみたいで隣の子に心配された

「はい!」

明音の声を聞くだけで泣きそうになる
心にできた傷は大きかったんだ
改めて実感する

その後無事に卒業式は終了し解散になった
周りの子達は先生や仲のいい友達と
写真を取り合っていたけど
私はそんな気になれず参加しなかった

ただ明音がくるのを待って
声をかけようとしたけど勇気がなくて
結局、遠くから明音が友達と笑い合ってる姿を
見守っていただけだった

「お母さん、もう帰ろっか」

(写真撮らなくていいの?)

「うん、疲れたから」

(そう?愛李がいいならいいけど)

お母さんは何かを感じ取ってくれたみたいで
それ以上は何も言ってこなかった

これが私と明音の最後の日
この日から明音と会うことはなかった