たかが遺言、されど遺言 ~たかが・されどシリーズその3~

 

 

こんにちは。司法書士の須永みわこです。

千葉県松戸市で司法書士事務所を開業しています。

裁判関係業務をメインとしている、司法書士では珍しい事務所です。

 

今回は、「たかが、されどシリーズ」第3弾の遺言です。

第1弾「相続放棄」、第2弾「遺産分割協議」につづく、相続関係のお話です。

このブログも~相続道~になりそうですね。

 

遺言を作られたことはあるでしょうか?

私は毎年1回は作っています。

 

え?!まだ若いのに?と思われるかもしれませんが、自分の財産の棚おろしの機会として、年始に作り直すようにしています。

といっても、公証人や法務局などの関与しない「自筆証書遺言」です。

 

一般の方が遺言をつくる場合、大まかに分けて以下の3パターンがあり、その中から選んでいただくことをお勧めしています。

1つは、自分自身で遺言を書いて自分で保管しておく「自筆証書遺言」

1つは、自分自身で遺言を書いて法務局に保管を依頼する「自筆証書遺言書保管」

1つは、自分で遺言の内容を公証人に話し、その内容に基づき公証人が文章をまとめ、公証人と保証人立会の上、署名捺印する「公正証書遺言」

 

なんといっても、手軽に作成できるのは1つめの「自筆証書遺言」です。

ただ、手軽さゆえに後々の争いの種になる可能性が高いものです。

 

今日は、自筆証書遺言のお話だけで終わりそうですあせる

 

さて、自筆証書遺言はどのように作ればいいのでしょう?

 

必ず守らなければならないことがあります。

〇遺言者自身が全文・日付・氏名を自署(自分で記載)し、かつ押印しなければなりません。

 

 但し、全文自書した本文に財産目録を貼付する場合、財産目録については自書の必要がなくなり、パソコンなどによる作成が可能となりました(平成31年1月13日以降作成の遺言書から適用)

 

財産目録については、パソコンではなく、遺言者以外のものによる代筆も可能であり、さらには、第三者が発行した対象財産について正確な内容が記載された書類(不動産の登記事項証明書、預貯金通帳の写しなど)に「別紙〇」などと記載して貼付する方法も可能になっています。

 

誤りを訂正した場合には、遺言者が、その訂正した箇所を指示し、これを訂正した旨を付記して、そこにも署名し、かつ、その訂正した箇所に押印をしなければならないなど、方式が厳格なので、方式不備で無効になってしまう危険もつ                                                                                                                                                                                                            きまといます。

 

言ってしまえば、紙とペンとはんこ、朱肉があれば1人ですぐに作成できてしまう遺言です。

遺言書作成だけで見た場合、コストがダントツに安いということもメリットの1つです。

 

自筆証書遺言は、方式を満たしておけば有効ですが、この他にも細かい決まりがありますので、作成の際にはやはり専門家に相談していただくことをお勧めします。

 

また、相続開始の際に、実家の引き出しから自筆証書遺言が出てきたとしても、すぐにそれを使用して、銀行預金の解約などの手続きをすることはできません。

まずは、裁判所に「遺言書検認の申立」が必要になります。

 

これは、遺言書の有効無効を判断するものではなく、相続人に対し遺言の存在及びその内容を知らせるとともに,遺言書の形状,加除訂正の状態,日付,署名など検認の日現在における遺言書の内容を明確にして,遺言書の偽造・変造を防止するための手続です

 

この「検認手続き」も意外に時間がかかります・・・。

 

 

自筆証書遺言は、公的・中立的な第三者の関与なしに作成されるため、のちに遺言書自体の真否や遺言者の意思能力の有無をめぐって争いとなる余地が大きく、これが自筆証書遺言最大のデメリットとなっています。

 

遺言の有効性をめぐる相続人間の争いは泥沼化しがちで、紛争処理のコストもバカにならないので、「自分の死後はどうなろうとも構わない」という特異な場合でなければ、専門家の立場からはあまりお勧めはできません。

 

私が思うベストな遺言書の作り方としては、まずは自筆証書遺言で遺言を書く練習をしておき、ある一定以上の年齢になったら、公正証書遺言を作成しておく、というものです。

 

 今日は、やはり自筆証書遺言のお話だけで終わりましたね。

 次回は、法務局保管制度と公正証書遺言のお話をいたしましょう照れ