NHK-Gスペシャルドラマ

「ストレンジャー ~上海の芥川龍之介~」(A Stranger in Shanghai)

12/30(月) 21:00~22:13
<BS8K・BS4K・総合テレビで3波同時放送>

 



<追記>
第46回放送文化基金賞番組部門ドラマ番組の奨励賞を受賞ビックリマーク


■ スタッフ

原案: 芥川龍之介

 『支那游記』 改造社・単行本1925年10月刊行

 『上海游記・江南游記』 講談社・文芸文庫2001年10月刊行


脚本: 渡辺あや

演出: 加藤拓

音楽: 稲本響

撮影: 北信康・・・映画『十三人の刺客』で第34回日本アカデミー賞最優秀撮影賞を受賞。

人物デザイン監修: 柘植伊佐夫

日中関係史考証: 貴志俊彦

制作統括: 勝田夏子


■ キャスト


松田龍平: 芥川龍之介・・・作家、大阪毎日新聞の特派員。

岡部たかし: 村田孜郎(しろう)・・・大阪毎日新聞の上海支局長。

 



中村ゆり: 秀しげ子・・・龍之介の愛人。

奈緒: 芥川文・・・龍之介の妻。



金世佳(ジン・シージャー): 李人傑(本名・李漢俊)・・・後の中国共産党の設立メンバー。1902年(14歳)に来日、東京帝国大学を卒業し、帰国後は21年の中国共産党設立に関わり、1927年に軍閥により殺害された。

章炳麟(しょう・へいりん): 任洛敏・・・孫文のかつての同志で、辛亥革命を理論的に支えた思想家。

鄭孝胥(てい・こうしょ): 邱必昌・・・清の遺臣、後の満州国国務院総理。



林黛玉(りん・たいぎょく): 徐玉蘭・・・妓女。

玉蘭(ぎょくらん、ハクモクレンの漢名): 胡子玫・・・妓女。

楽々(ルールー): 薛薛・・・男娼。



■ 概要


日本有数の知性と巨龍・中国、20世紀史に刻まれた知られざる魂の交流を描く。

8Kで映像化!

 



■ あらすじ


1921年(大正10年)、芥川龍之介(当時29歳、松田龍平)は大阪毎日新聞社の特派員として激動の上海に渡る。

 

3月30日~7月11日の104日間に、上海・杭州・蘇州・揚州・南京・漢口・廬山・長沙・洛陽・北京・天津などを遍歴し、「老大国」が中華民国になって10年に満たない初期の有りのままの姿を目撃した。

芥川は、幼少期から『西遊記』『水滸伝』など古典文学を読んで憧れていた中国だった。



しかし、辛亥革命により長い清朝の皇帝政治を倒したが、やがて軍閥の割拠という混乱に至り、西欧諸国や日本が上海の租界を我が者顔で闊歩(かっぽ)していた。

 



近代化の波と外国による支配が社会を混乱させ、民衆は壮絶な貧困に喘(あえ)いでいた。



困惑し理想と現実のギャップに絶望感すら覚えながらも、芥川の知性は巨龍・中国の精神世界へと分け入って行くのだった。

芥川は政治家や革命家にインタビューをして回る。

或る日、裏路地に生きる妓楼の人びとと知り合い、耳の聴こえない青年と交流する。

だが、旅は思わぬ事態を迎えて行く・・・。



そこで出会うのは、革命の世で政治と向き合う知識人たちと、裏路地で日々を強(したた)かに生き抜く妓楼の人びとだった・・・。

 



若き日の文豪・芥川が克明に活写した100年前の激動の中国を旅する。


 

 

この旅行後、芥川の心身の衰えが始まる。いったい芥川は中国で何を見たのだろうか?

 

一方、1920年~22年~25年に男児3人が立て続けに誕生。1923年に湯河原で湯治。9月1日に「関東大震災」勃発。1926年に再び湯河原で湯治。1927年5月28日に帝国ホテルで平松麻素子と心中未遂。

 

芥川自身は1927年7月24日に自宅の家族4人が眠る床で睡眠薬の服薬自殺した時、上海で買った布地で仕立てた浴衣を着て、事切れていた。