風邪引きで休んでいた間、久し振りに、宮部みゆき・著の「三島屋変調百物語」シリーズに触れた。
総覧表・・・「小説野性時代」2018年2月号(vol.171)より引用。

■ 五作目「あやかし草紙 三島屋変調百物語伍之続」
(収録作品「開けずの間」「だんまり姫」「面の家」「あやかし草紙」「金目の猫」。KADOKAWA2018年4月)
※あやかし・・・海上の妖怪や怪異。
※※筋違御門(すじかいごもん)
・・・出典 viva-edo.com「江戸城 内堀・外堀」
人間の愚かさ、残酷さ、哀しみ、業――これぞ江戸怪談の最高峰!江戸は神田・筋違御門先にある袋物屋の三島屋で、風変わりな百物語を続けるおちか。
「開けずの間」塩断ちが元凶で行き逢い神を呼び込んでしまい、家族が次々と不幸に見舞われる。
「だんまり姫」あやかしを呼び寄せ、亡者を起こすという“もんも声”を持った女中が、大名家のもの言わぬ姫の付き人になってその理由を突き止める。
「面の家」屋敷の奥に封じられた、世に災いをもたらす面の監視役として雇われた女中の告白。
「あやかし草紙」読んではいけない冊子を写した侍の話 (同じ顔をした六人の男と結婚した老女の話)。
「金目の猫」<新作読切> 百両という破格で写本を請け負った男の数奇な運命が語られる表題作に、三島屋の長男・伊一郎が幼い頃に遭遇した椿事。
----選り抜き珠玉の全5編。
人の弱さ苦しさに寄り添い、心の澱(おり)を浄め流す極上の物語、シリーズ第一期完結!
語り手
「開けずの間」どんぶり屋・平吉
「だんまり姫」紙問屋の美濃屋・房之助の母・おせい
「面の家」奉公人・お種
「あやかし草紙」瓢箪古堂・勘一
「金目の猫」三島屋長男・伊一郎
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「三島屋変調百物語」シリーズ
■ 一作目「おそろし 三島屋変調百物語事始」
(収録作品「曼珠沙華」「凶宅」「邪恋」「魔鏡」「家鳴り」。角川書店2008年7月/新人物ノベルス2010年6月/角川文庫2012年4月)
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川崎宿の旅籠・丸千の娘・おちか(17歳)は、或る事件を境にぴたりと他人に心を閉ざした。塞(ふさ)ぎ込む日々を、叔父夫婦が江戸・神田の筋違御門(すじかいごもん)先で営む袋物屋「三島屋」に行儀見習いとして身を寄せ、黙々と働くことでやり過ごしている。或る日、叔父の伊兵衛はおちかに、これから訪ねて来るという客の応対を任せると告げ、出かけてしまう。客と会ったおちかは、次第にその話に引き込まれて行く。次々に訪れる自分と同様に心に傷を負った人たちの語りに耳を傾け、それらふしぎ話はおちかの心を溶かし始める。
語り手
「曼珠沙華」建具商・藤吉
「凶宅」錠前直し屋の娘・おたか
「邪恋」川崎宿の旅籠・丸千の三島屋に預けられている娘・おちか
「魔鏡」仕立て屋・お福
「家鳴り」おたかの弟・清太郎
□ NHK-BSプレミアムドラマ「おそろし~三島屋変調百物語」
2014/8/30(土)~9/27(土)全5話
第1夜「曼珠沙華」8/30(土) 20:00~21:00
第2夜「凶宅」9/6(土) 20:00~21:00
第3夜「邪恋」9/13(土) 20:00~21:00
第4夜「魔鏡」9/20(土) 20:00~21:00
第5夜(最終夜)「家鳴り」9/27(土)20:00~21:00
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■ 二作目「あんじゅう 三島屋変調百物語事続(ことのつづき)」
(収録作品「逃げ水」「藪から千本」「暗獣」「吼える仏」。中央公論新社2010年7月/新人物ノベルス2012年2月/角川文庫2013年6月)
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一度に一人ずつ、百物語の聞き集めを始めた三島屋伊兵衛の姪・おちか。或る事件を境に心を閉ざしていたおちかだったが、訪れる人々の不思議な話を聞くうちに、徐々にその心は溶け始めていた。或る日、おちかは、深考塾の若先生・青野利一郎から「紫陽花屋敷」の話を聞く。それは、暗獣“くろすけ”にまつわる切ない物語であった。人を恋いながら人のそばでは生きられない“くろすけ”とは----。
語り手
「逃げ水」金井屋丁稚・平太こと染松
「藪から千本」住吉屋のお路
「暗獣」深考塾教師・青野利一郎
「吼える仏」偽坊主・行念坊
■ 三作目「泣き童子(わらし) 三島屋変調百物語参之続」
(収録作品「魂取の池」「くりから御殿」「泣き童子」「小雪舞う日の怪談語り」「まぐる笛」「節気顔」。文藝春秋社2013年6月/角川文庫2016年6月)
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三島屋伊兵衛の姪・おちか一人が聞いては聞き捨てる変わり百物語が始まって一年。幼馴染みとの祝言を控えた娘や田舎から江戸へ来た武士など様々な客から不思議な話を聞く中で、おちかの心の傷も癒えつつあった。或る日、三島屋を骸骨のように痩せた男が訪れ「話が終わったら人を呼んでほしい」と願う。男が語り始めたのは、或る人物の前でだけ泣き止まぬ童子の話。童子に隠された恐ろしき秘密とは----。
語り手
「魂取の池」甚兵衛の我が儘な一人娘・おもん
「くりから御殿」白粉問屋の長治郎・お陸の夫婦
「泣き童子」甚兵衛
「小雪舞う日の怪談語り」井筒屋七郎右衛門、武士・豊谷、岡っ引き・半吉親分、など
「まぐる笛」若侍・赤城信右衛門
「節気顔」夫を亡くした傷心のお末
■ 四作目「三鬼(さんき) 三島屋変調百物語四之続」
(収録作品「迷いの旅籠」「食客ひだる神」「三鬼」「おくらさま」。日本経済新聞出版社2016年12月)
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鬼は人から真実を引き出す。人は罪を犯すものだから。不思議な話に心が震え、身が浄められる。
江戸の洒落者たちに人気の袋物屋、神田の三島屋は“お嬢さん”のおちかが一度に一人の語り手を招き入れての変わり百物語も評判だ。訪れる客は、村で唯一人お化けを見たという百姓の娘に、夏場はそっくり休業する絶品の弁当屋、山陰の小藩・栗山藩の元江戸家老、心の時を十四歳で止めた老婆。亡者、憑き神、家の守り神、とあの世やあやかしの者を通して、切ない話、恐い話、悲しい話を語り出す。「もう、胸を塞ぐものはない」それぞれの身の処し方に感じ入る、聞き手のおちかの身にもやがて、心揺れる出来事が----。
語り手
「迷いの旅籠」鶴見川の北・小森村小作人の娘・おつぎ
「食客ひだる神」仕出し弁当屋のだるま屋・房五郎
「三鬼」栗山藩の元江戸家老村井清左衛門
「おくらさま」香具師の老婆・梅

