NHK-Gスぺシャル「未解決事件」File.06「赤報隊事件」

実録ドラマ 1/27(土) 19:30~20:43
ドキュメンタリー 1/28(日) 21:00~21:49
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日本の未解決事件は数多くあったが、1960~2010年の半世紀において、凶悪で社会的影響が深刻だった事件例は、次の通り。
▼ 三億円事件(1968年)
▼ ロッキード事件(1976年)
▼ グリコ・森永事件(1984年)
▼ 朝日新聞阪神支局襲撃事件(赤報隊事件、1987年)
▼ オウム真理教事件(1995年)
▼ 警察庁長官狙撃事件(1995年)
▼ 八王子スーパー強盗殺人事件(1995年)
▼ 世田谷一家殺害事件(2000年)
▼ 島根女子大生殺害事件(2009年)
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■ 「赤報隊事件」とは---
日本中に大きな衝撃を与えた事件を徹底検証、未来への教訓を探るシリーズ「未解決事件」。
今回のFile.06では、31年前、社会を震撼(しんかん)させた「赤報隊事件」を紐解(ひもと)く。
1987年5月3日憲法記念日の夜。朝日新聞阪神支局 (兵庫県西宮市与古道町1-1) に突如、目出し帽を被った男が侵入し散弾銃を発砲、記者2名が死傷した。
朝日新聞阪神支局の襲撃現場
殺害された小尻知博記者
犯人は「赤報隊」と名乗り、その後、全国各地の朝日新聞関連施設を襲撃、さらに中曽根・竹下元首相への脅迫や、リクルート元会長宅への銃撃など事件は全国に拡大した。
朝日新聞の東京本社銃撃事件/阪神支局襲撃事件/名古屋本社社員寮襲撃事件/静岡支局爆破未遂事件、中曽根康弘/竹下登両元首相脅迫事件、リクルート元会長・江副浩正宅銃撃事件、愛知韓国人会館放火事件。
赤報隊は事件の度に犯行声明を送り付けた。「この日本を否定するものを許さない」「反日分子には極刑あるのみ」。「反日」という言葉を執拗に用いて戦後の民主主義を攻撃した。
警察は延べ124万人を投入して捜査に当たったが、全ての事件は未解決のまま公訴時効となった(阪神支局事件は2002 年5月3日午前0時に時効)。
いったい、誰が、何のために事件を起こしたのか?
闇に埋もれた事件の真相に、「実録ドラマ」「ドキュメンタリー」の2夜連続で迫る。
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■■ File.06 「赤報隊事件」実録ドラマ
NHK-G 1/27(土) 19:30~20:43
■ 実録ドラマ あらすじ
警察の捜査とは別に、事件の真相に迫ろうとした男たちがいた-。
同僚を殺された朝日新聞の記者たちが結成した“特命取材班”。
その知られざる闘いを実録ドラマ化する。
特命取材班の中心人物で、真相の解明に記者人生をかけた主人公・樋田毅(ひだ・つよし)記者。
草彅剛さんが演じる。
赤報隊とは何者なのか?その目的は?
謎に包まれた事件に挑むことになった樋田記者。
阪神支局の記者の記事が関係しているのではないかと取材を始める。
しかし、赤報隊の脅迫文や襲撃事件は全国に拡大し、時の総理大臣までもが標的となって行く。
何時また襲われるか分からない恐怖と向き合いながら、事件の核心に迫ろうとする記者たち。
彼らは、警察も聴取していなかった重要人物へと辿り着く…。
赤報隊と、朝日新聞特命班の緊迫の攻防を描く。
■ 実録ドラマ スタッフ
脚本: 田子明弘
演出: 谷川功
テーマ音楽: 川井憲次
歌: おおたか静流
語り: 伊東敏恵
撮影協力:
千葉県柏市・流山市、茨城県守谷市、神奈川県川崎市、東京都奥多摩町、京都市東山区/東福寺、他。
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■ 実録ドラマ キャスト
□ 朝日新聞社
・特命取材班
樋田毅 記者⇒キャップ 兼 社会部デスク⇒京都支局次長⇒地域報道部・社会部次長⇒和歌山総局長⇒朝日カルチャーセンター大阪本部長⇒大阪秘書役: 草彅剛
辰濃哲郎 記者⇒東京社会部遊軍キャップ⇒デスク⇒ノンフィクション作家: 上地雄輔
粕谷卓志 記者⇒東京社会部長⇒東京編集局長⇒取締役東京本社代表・社長室長: 長谷川朝晴
岡田伸之 記者⇒広報部長: 丸山智己
・阪神支局(兵庫県西宮市)
小尻知博 記者(殉職): 笠原秀幸
犬飼兵衛 記者(右手薬指・小指を失う): 芝崎昇
高山顕治 記者⇒秩父支局長: 光山文章
佐伯芳明 記者: 宮川一朗太
折井邦生 デスク⇒高松支局長: 遠山俊也
大島次郎 支局長: 松澤一之
澤崎みどり アルバイト: 木下桜
・神戸支局
伊藤景子 記者: 朝倉えりか
・大阪本社社会部
法花敏郎 記者⇒地域報道部長: 中島一浩
記者: 古川悦史
記者: 須田邦裕
木村卓而 デスク: 木下政治
・東京本社社会部
臼井敏男 記者(右翼担当)⇒論説委員⇒東京社会部長: 清水一彰
□ 阪神支局
・小尻知博記者の家族
妻 裕子: 堀内敬子
娘 美樹(幼少期): 落井実結子、(小学生期): 竹野谷咲、娘(高校生期): 山田杏奈
父 信克: 渡辺憲吉
母 みよ子: 佐藤直子
・樋田毅記者の家族
妻: 中越典子
長女: 野澤しおり
次女: 宝辺花帆美
三女: 本保佳音
□ 右翼団体関係者
林 大物右翼: 村田雄浩
東京の右翼団体会長: 阪田マサノブ
和歌山の右翼団体幹部: 大河内浩
右翼団体関係者: 大鷹明良
佐藤明彦(島村征憲がモデル) 大日本憂天会の活動員⇒富良野で自殺: 今野浩喜(元キングオブコメディ)
□ その他
玉置孝匡
小林一英、久保山知洋、鈴木将一朗、浜田道彦、
大友律、五森大輔、重住綾、歌川椎子、
景山慶一、若林秀敏、中村元気、谷仲恵輔、森一生、藤原邦章、真鍋誠志、
中田裕一、岐部公好、加藤照男、西岡健太郎
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■ File.06 「赤報隊事件」 ドキュメンタリー---戦慄の銃弾 知られざる闇
NHK-G 1/28(日) 21:00~21:49
■ ドキュメンタリー スタッフ
ディレクター: 新名洋介、中川雄一朗、近松伴也
テーマ音楽: 川井憲次
歌: おおたか静流
語り: 伊東敏恵
声の出演: 青二プロ
赤報隊とは何者なのか?
2夜目は、謎に包まれた犯人像にNHKの独自取材で迫る。
取材班は、360人を超す捜査関係者を徹底取材。
知られざる捜査の内幕が明らかになって来た。
さらに、2000ページに及ぶ警察の極秘資料も入手。
そこから事件の“重点捜査対象”として、9人の右翼関係者が浮かび上がった。

取材班は捜査線上に浮かんだ人物たちに接触し、事件の深層を探る。
さらに赤報隊が事件の度に送り付けた犯行声明文を、事件当時には無かった最新の技術で解析する。
そこから浮かび上がる犯人像とは・・・。
犯人の狙いは何だったのか?
未解決となった赤報隊事件は今の社会に何を突き付けているのか?
日本を揺るがした事件の闇に迫る。
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一体何者なのか?
記者を殺害した犯人は身長165cm程、年齢は20~40歳。目出し帽に眼鏡をかけていた。自らを赤報隊と名乗る犯行声明文では朝日社員へ殺害宣言を行い報道姿勢を反日と断じた。
当時の国内には散弾銃が45万丁流通、犯人が使用したワープロ、シャープ書院WD20・25も大量生産されたもので所有者特定は難航した。
そこで、警察は犯行動機から探るため右翼関係者6,900人をリストアップ。
事件後も朝日新聞には真偽不明の脅迫電話が相次いでいた。実際の電話音声を紹介。朝日系統を全部を爆破することが目的などと話している。
右翼関係者
この頃、中曽根首相の靖国参拝、歴史教科書の記述などで激しい議論が行われていた。朝日新聞は公式参拝を問題だと指摘、過去の戦争を正当化するかの動きを批判していた。
当時警察にマークされていた右翼関係者は、事件の起きる前に「赤報隊」という同名の右翼団体を組織し街宣活動を繰り返していた。
事件は 散弾銃と "肉体言語" を使って、朝日を糾弾したことには非常に共感を覚えたという。犯人だったら名乗っているし、それなりの作法でけじめはつけるとも。"國報生七"
当時警察からの事情聴取では事件関与を強く否定、人を殺めた以上は責任を取るのは侍の流儀。赤報隊事件は右翼によるものではないと主張した。
戦後起きた右翼による事件は、浅沼稲次郎刺殺事件、三島由紀夫事件をはじめ絶対隠れず行われている。

暴力団、ブローカー、宗教団体
兵庫県警は別の動機からの捜査を行った。
朝日新聞の記事に恨みなどを持つ暴力団・ブローカー・宗教団体を調べた。
元捜査員・巻野利秋さんは、極道から散弾銃の話を聞くため会った際、宗教団体が裏にいると言われ関連施設から関係者をリストアップ、団体と接点を持つ者が各地で経営する銃砲店の情報も集めた。当時宗教団体への捜査は殆ど前例がなく、しかも1カ月後に上司から捜査中止を言い渡されたこともあって、最終的に核心に迫る容疑者情報入手には至らなかった。
当時警察から聴取された宗教団体(統一教会)元関係者は、内部で一部信者による活動を "詐欺的商法" と批判する朝日新聞への反発が広まっていたと話す。
反感を持ち "無言電話" をかけたという証言が資料に複数記されていた。
しかしその団体は警察の調査対象となっていた認識が全くなく、事件に関わった事実もないと回答して来た。
事件はその後 予想外の展開に
朝日新聞への恨みが動機と見られていた事件は、その後、予想外の展開を見せて行く。
阪神支局の後、各地の朝日新聞の施設を次々と襲った赤報隊は、中曽根康弘前総理大臣を標的として狙った。赤報隊は中曽根を裏切りものと断じ、実際にある寺で命を狙ったと声明文で明らかにした。中曽根が一度行った靖国神社への公式参拝を外交への配慮などから取り止めていたからだ。さらに当時現職の竹下登総理大臣も脅迫していた。
事件の度に赤報隊が送りつけていた一連の犯行声明文は、戦後の民主主義を攻撃する姿勢で貫かれていた。赤報隊の事件の50年前の1937年は、日中戦争が始まった年。新聞をはじめとした報道機関は軍を支持し、国民を戦争へと巻き込んで行った。
戦争へと至る過程で軍人や右翼が総理大臣らを殺害する事件が相次ぎ、日本全体が異論を許さない社会へとなって行った。赤報隊はその時代に帰れと主張したのだ。

9人の右翼
警察は犯人を戦後体制に激しい憎悪を向ける人物と見定め、約10年かけて9人の右翼関係者をリストアップした。その9人は「反日」という言葉を使って過激な発言を繰り返していたり、銃刀法違反で逮捕歴があったり、殺人未遂事件で服役して人物などだった。
取材班はその9人に接触を試み、政治活動を続けて来た人物が取材に応じた。朝日新聞に対して今も昔も批判的な気持ちは変わらない、自分はやらないが、非合法な手段を取るのも一つの選択だと語った。
また関東で右翼団体を主宰していた人物は、赤報隊事件で自分が疑われたのは知っている。長年、警察に尾行され、何度も捜索を受けた。我々はテロそのものは否定しないと語った。
"新右翼"
赤報隊事件で犯人候補としてリストアップされた9人の中には、1970年代頃から台頭した"新右翼"と呼ばれる過激な活動家もいた。
事件以前に自らが発行していた機関紙で、戦後体制の打倒を訴え、テロ行為を肯定する記事を載せていた人物が、カメラの前で取材に応じた。元「一水会」最高顧問の鈴木邦男さんだ。事件から30年が経過したと聞かされると、「ずいぶん昔なんだなと思うけど、ずっとまとわりついている事件だから、そんなに過去のことじゃないような気がする」と語った。鈴木さんは別の容疑で捜索を受け、赤報隊事件との関わりを厳しく追求されたという。事件とは関係ないんですか?との記者の質問に、鈴木は「ないですよ。あったら確実に捕まってますよ。僕なんかこう、かなりだらしない生活してますから。革命的な訓練もしてないですし」と語り、犯人像を自衛隊にいた人だとか、外人部隊で訓練を受けたのかもしれない、僕らの仲間じゃ誰もいない、そんなことやれるやつなんかと推測した。赤報隊事件への関与は否定した鈴木だったが、赤報隊の関係については「犯人から、または犯人とおぼしき人から接触、まあずいぶんある。それはたぶん裏切らないからでしょう」と語った。赤報隊とおぼしき人物が会いに来たこともあったという。
赤報隊事件で犯人候補としてリストアップされた9人の中には、事情聴取を拒否し続けた人物がいる。戦後体制や欧米的価値観を強く否定し、民族派として活動する「一日会」中山嶺雄(本名・長谷川潤)さんだ。
最新技術で犯人像に迫る
警察が16年かけて絞り込めなかった犯人像。今回、最大の手がかりである犯行声明文を最新技術で迫ることにした。
埋もれた竹下元総理へのものも含め。合計で8通。標的が次々と変わることから複数のグループが赤報隊を名乗っているという見方もあった。
文章解析の第一人者、金明哲教授は統計学に基づくテキストアナリティクスという最新手法で分析に当たる。文章を構成する要素にタグをつけて行うと 金明哲教授は語る。品詞を分類し、出現頻度順番、配置を解析する。この他、使用率や長さ、順番などから無数の組み合わせを行い、共通点や特徴を導き出す。比較対象として他の事件の犯行声明文、右翼関係者の文章、朝日新聞への抗議文なども同様の方法で分析。
解析の末、あらゆる側面で、共通の特徴を持つと結果が出た。8つの文章が共通項目を持つ確率は数十億分の一。よって同じ人物が犯行声明を作成した可能性が極めて高いとしている。金明哲教授は1人が書いたと考えていいと見解を述べた。
未解決事件
戦後例を見ない言論への連続テロ事件はなぜ未解決になったのか?
元捜査官である元兵庫県警公安担当: 金持博氏は、右翼の捜査を指揮していた。赤報隊やその関係者が現れて消える特異な事件。本当の話をしているのかハッタリなのか、その辺の線引が難しいと金持博は語る。
その後、赤報隊の名で脅迫する人物が後を絶たない。2005年にNHKにも赤報隊の一員という人物が接触して来た。真偽は不明だが詳細を語っていた。裏付けを取ろうとしたところ、その人物は行方を眩ませた。赤報隊を消えるべくして消えたと語る人物はかつて厳しいマークをされていた。無関係と判断された時には、事件から既に12年が経過していた。赤報隊の目を自分に向け、赤報隊は闇から闇へ消えたとその人物は語った。
金持博氏は警察に勤めて40年、犯人の姿も分からないという事件。何も言うことはない。声明文には、「この活動は続くであろう。我々は日本のどこにでもいる」と綴られている。
エンディング
事件から31年。赤報隊の行動は称える動きさえある。
インターネットでは、赤報隊が使っていた反日という言葉が飛び交う。
石原信雄元内閣官房長官は、7人の総理大臣に使えた。大正生まれの石原氏は言論の自由が奪われて行った戦前を思い起こさせ、国粋主義に繋がっていると語る。
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□ リブログ
▼ NHK「未解決事件」File.5「ロッキード事件」(2016-07-23/24放送)
□ 関連ブログ
▼ NHK「未解決事件」File.01「グリコ・森永事件」(2011-07-29/30放送)
▼ NHK「未解決事件」File.02「オウム真理教事件」(2012-05-26/27放送)、
▼ NHK「未解決事件」File.03「尼崎連続殺人死体遺棄事件」(2013-06-09放送)
▼ 「オウム真理教 地下鉄サリン事件」は、ブログを書いていないと判明したので、NHKの番組HPを掲載した。
NHK「未解決事件」File.04「オウム真理教 地下鉄サリン事件」4-1概要(2015-03-20放送)、
4-2事件の年表
▼ NHK「未解決事件」File.05「ロッキード事件」(2016-07-23/24放送)





