■■ NHKスペシャル「シリーズ人体  ~神秘の巨大ネットワーク」

 

NHK-G 2017年9月から2018年3月まで全8回。

 

9/30(土)21:00~21:59「プロローグ」

10/1(日)21:00~21:49「第1集  "腎臓"が寿命を決める」

11/5(日)21:00~21:49「第2集 "脂肪と筋肉"の会話がメタボを治す」(仮)

12/3(日)21:00~21:49「第3集 発見 ! "骨"が若さを呼び覚ます」(仮)

2018年

1/7(日)21:00~21:49「第4集 アレルギーのカギは"腸"にあり」(仮)

2/4(日)21:00~21:49「第5集  徹底解剖 ! ひらめく"脳"の秘密」(仮)

3/18(日)21:00~21:49「第6集  生命誕生・あなたを生んだミクロの会話」(仮)

3/25(日)21:00~21:49「第7集 人体は謎に満ちている」(仮)

 


■ 概要

タモリ&山中伸弥教授のW司会で、新たな医学の潮流の全貌を全8回に亘ってお伝えする新しい大型シリーズ。

 


神秘的な体の秘密を解き明かして行く知的エンターテインメント!

あなたの知らない、最先端のカラダの話。
見所は驚異の体内映像。癌の早期診断、再発防ぐ最新治療。

今、医学の世界で、これまでの「人体観」を覆(くつがえ)すパラダイムシフトが起こりつつある。
今までは、人体のイメージと言えば、「脳が全体の司令塔となり、他の臓器はそれに従う」というものだった。
ところが最新科学は、その常識を覆した。
なんと「体中の臓器が互いに、直接、情報を遣り取りすることで私たちの体は成り立っている」という驚きの事実が明らかとなって来た。
このいわば「臓器同士の会話」を知ることで、今、医療の世界に大革命が起きている。
例えば、癌や認知症、メタボなどの悩ましい病気を克服する新戦略 (画期的な方法) が成果を挙げ始めているのだ。


■ 司会(MC): 

タモリ・・・1989年の「驚異の小宇宙 人体」以来、28年ぶりに「シリーズ人体」の司会を務める。


山中伸弥・・・京都大学iPS細胞研究所所長・教授。2012年にノーベル医学・生理学賞を受賞。

 

 

■ アシスタント&ナレーター: 

 

久保田祐佳アナ。

 



■ 出演:

石原さとみ
博多大吉

 




 
■■ 「プロローグ」

初放送 9/30(土) 21:00~21:59
再放送 10/3(火) 24:10~25:09 [10/4(水) 午前0:10~1:09]


■ 予告動画


□ 予告動画 「プロローグ」

 

□ 予告動画 NHKドラマ「コンデラタロウ」配信スタート

 



■ 番組概要


最先端の顕微鏡技術で捉えられた驚異の体内映像

癌を早期発見する画期的な検診方法

癌の再発を防ぐ新たな治療方法

---などの最前線を紹介しながら、シリーズの見所を伝える。

 

 

 

■ 番組詳細


今まで身体は脳が司令塔となって信号を出し、他の臓器はそれに従うというものだったが、最新科学はそれを覆した。
体中の臓器が互いに直接情報のやり取りをして、身体は成り立っているということが分かって来た。
臓器同士の会話を知れば、身体の若さや美しさを保つ秘訣、深刻な病気は臓器同士の会話で間違った司令が送られていたなどの異常などが分かるようになる。
その結果、医療の世界に大革命が起きている。
がんや認知症、高血圧、メタボなど、悩ましい病気を臓器の会話を操ることによって治すという新しい治療法が成果を上げ始めた。

山中伸弥さん 「28年前も脳など一部の臓器がメッセージを出していることは分かっていたが、全身の細胞が会話しながら生命が維持されているということが分かって来た」。
脳が優位の考え方から、全身の細胞・臓器が対等だとの考え方へ変化(パラダイムシフト)。


□ 必見!健康常識の大転換 世界初 驚異の体内映像

米国ハワードアヒューズ医学研究所のエリック・ベツィグ氏が新時代の顕微鏡を開発した。
この格子光シート顕微鏡はミクロの細胞をまるごとスキャンし、コンピューター上に立体的に再現できる。
米ハワード・ヒューズ医学研究所のエリック・ベツィグ氏、独マックスプランク生物物理化学研究所のシュテファン・ヘル氏、米スタンフォード大学のウィリアム・モーナー氏の三氏は、「超高解像度の蛍光顕微鏡の開発」によって、2014年のノーベル化学賞を受賞した。
免疫細胞ががん細胞に食らい付く瞬間、攻撃物質の粒を癌細胞に向けて発射する瞬間。

日本でも栃木県下野市の自治医科大学(教授・西村智さん)では、特別に開発した顕微鏡とハイビジョンの16倍の高精細8Kカメラの生体イメージング「フルフレーム高速共焦点スキャナユニット CSU-W1」で生きた身体を映し出し、免疫細胞の球が敵を探して血液中をパトロールする様子が映し出された。
こうした技術革新で従来の16倍もの広い範囲で見渡すことができた。血栓という塊ができて血管を詰まらせる一部始終を撮影。
さらに、東京大学坪井貴司研究室では、臓器同士の会話を捉えた。腸の絨毛の表面付近にある細胞(1/100mm)から放出されたミクロのメッセージ物質(1/100,000mm)は、血液に乗って全身に運ばれる。脳や胃や膵臓などの他臓器に腸からのメッセージを伝える。
スタジオではその腸から送られる信号に驚いた。「ご飯が来たぞー!」


□ 「人体」驚きの新世界 がんの転移を防ぐ大発見!

大阪府吹田市の国立循環器病研究センター理事・研究所所長の寒川賢治さんは、身体の中を分子レベルで研究する世界的権威。
かつてはメッセージ物質を出すのは脳など限られた臓器だけというのが常識だった。
脳が出すメッセージ物質はホルモンと呼ばれて来た。しかしその後、脳以外の心臓からもホルモンが出されていることが分かった。
この心臓が出すメッセージ物質の一つを「心房性ナトリウム利尿ペプチド ANP」と名付けた。
それはどんなメッセージか?
血圧が上昇し心臓に大きな負担がかかると、ANPを大量に放出する。「疲れた」「しんどい」という心臓の呟き。ANPは血管を通じて全身に運ばれ、ANPをキャッチする装置を持つ腎臓は、尿の量を増やし血液の量を減らして(血圧を下げて)心臓の負担を軽くする。脳とは独立して心臓と腎臓が直接会話しながら助け合っていたことが分かった。

 



その後、メッセージ物質ANPの更なる働きが判明し、それが意外にも、癌治療の世界に革命をもたらしつつある。
臨床研究の現場、大阪府豊中市・国立病院機構刀根山病院では、心臓が出すANPが新薬として利用されている。癌手術の際に患者にANPを投与するとその後の再発や転移が大幅に抑えられることが明らかになって来た。
ANP投与すると、2年無再発・生存率67%⇒91%という劇的な効果が出ている。それはANPが(腎臓以外に)全身の血管と直接会話しながら助け合うから。つまり血管にもANPをキャッチする装置があったのだ。
血管の壁に傷んだ所があると、流れが滞り負担をかける。また、癌細胞が侵入し転移しやすくなる。
そこでANPを投与すると、メッセージを受け取った血管はささくれを修復し心臓を楽にする。それにより癌の転移を防ぐことができる。

野尻崇(生化学部ペプチド創薬研究室長)、細田洋司(組織再生研究室長)、徳留健(情報伝達研究室長)、大阪大学呼吸器外科 奥村明之進教授らとの共同研究で、心臓から分泌されるホルモンであるANPが、血管を保護することによって、様々な種類の癌の転移を予防・抑制できること、そしてその詳細なメカニズムについて明らかにした。

 



 

今や心臓だけでなく様々な臓器や細胞からもメッセージが発信されていることが明らかになりつつある。
腎臓が酸素が足りない時に出すメッセージ物質EPOは、持久力をアップする重要な働きをしている。
なんと身体の脂肪は、メッセージ物質レプチンを放出し、脳に働きかけて食欲・性欲までコントロールしていることが分かって来た。

寒川賢治さん「生体内のあらゆるところにある未知の物質を明らかにしたい」。

 



□ 必見!健康常識の大転換 人体は巨大なネットワーク

スタジオに細胞からのメッセージを体感できるタモリさんの人形が登場。
その人形でどういう風に細胞がメッセージを送っているのかを学んだ。

 



人体をネットワークと言う見方で捉え直すことで、様々な病気の治療戦略にも革命が起きている。
インターネットの生みの親、米国の国防総省高等研究計画局(Defense Advanced Research Projects Agency)では今、ハーバード大学、マサチューセッツ工科大学と共同で、人体のネットワークの構造に迫り、臓器たちの会話を解き明かすことで新薬を開発しようとする。


□ 1滴の血液で丸わかり!13種類の癌を早期発見

日本では今年7月、国立がん研究センター(研究所主任分野長・落合孝広さん)で新たな成果が発表された。
これまでの癌検診は癌の種類ごとに異なる方法(内視鏡検査、マンモグラフィーなど)で調べていたが、今は1滴の血液で13種類の癌を早期発見できる。しかも判定精度は95%以上。
この検査で調べるのも血液中を巡るメッセージ物質。メッセージ発しているのはなんと憎っくき癌細胞。癌細胞が分泌したエクソソームと呼ばれる小さなカプセル(1/10,000mm)が、隠されたメッセージ、癌細胞を全身に広める武器を全身へと送り込む。

例えば乳癌は転移し難い脳に転移する。その理由はエクソソームにある。乳癌細胞はエクソソームを血液中に放出し血管の細胞へと侵入させると、仲間と誤認しバリアを緩めてしまい、脳に運ばれて転移を果たす。落合孝広さん「癌細胞は非常に悪賢く、インターネットで言うとウィルスメールのようなもの。うっかり開けてしまうととんでもないものが感染する」。

この癌細胞のメッセージを逆利用するのが、血液一滴からの最新癌検査なのだ。
エクソソームは、癌の種類によって中に含まれる物質が異なることが分かっている。それを調べれば体内にどんな種類の癌細胞が潜んでいるか分かるという。
3年後の実用化を目指している。


□ 撃退!免疫の大暴走 人生を変える最先端治療

清水絵美さんは小学5年生の時に関節リウマチを発症。国内の患者数は約70万人。全身の関節に激しい痛みや腫れが起こり、骨が変形してしまう病気。
清水さんは30年近く様々な治療を試して来たが病気の進行を止めることはできなかった。
この病気もメッセージ物質の異常で起こる病気だと分かった。異常を起こすのは免疫細胞。本来病原菌などの外敵をやっつけて身体を守る味方が、免疫細胞の出す謎のメッセージが病気を引き起こす。
メッセージ物質TNF-αは敵がいるとの警告を送り、仲間の免疫細胞に伝わる。外敵はいないはずなのに関節細胞を敵と勘違いしデマ情報を振り撒いている。免疫細胞が増殖・合体を繰り返し、大炎上状態になり、異常な破骨細胞となり骨を破壊してしまう。
この仕組みの解明によって新薬が開発された、4年前からその薬を使い始めると、病気の進行は見事に抑えられた。生物学的製剤は血液に乗って関節の内部に到達。メッセージ物質TNFαにくっ付き、誤ったメッセージが伝わらないようにブロックする。新薬の治療で密着していた骨に本来の隙間が回復し始めた。

東京医科歯科大学生涯免疫難病学講座・教授の森雅亮さん「本当にパラダイムシフトの衝撃を受けた。この新薬をいかに早めに適切に使えるかにかかっている」。
山中伸弥さん「30年前整形外科医になろうと、自分が最初に受け持った患者さんが関節リウマチの人で、一年経った時にはみるみる悪くなり、寝た切りになってしまった。それが切っ掛けとなって研究者を志した」。
 





■■ 「第1集 "腎臓"が寿命を決める」

初放送 10/1(日) 21:00~21:49
再放送 10/4(水)25:00~25:49 [10/5(木)午前1:00~1:49]

 

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