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松本清張スペシャル「かげろう絵図」
松本清張スペシャル「かげろう絵図」
【原作】
松本清張の長編時代劇小説
「かげろう絵図 上巻・下巻」
「かげろう絵図 上巻・下巻」
・・・東京新聞夕刊1958年5月~59年10月に連載。新潮社単行本1959年11・12月に刊行。
文春文庫2004年8月に刊行。
文春文庫2004年8月に刊行。
◇
【スタッフ】
脚本: 浅野妙子
監督: 林徹(フジ)
音楽: 石田勝範
編成企画: 保原賢一郞・羽鳥健一(フジ)
プロデューサー: 林徹(フジ)、金丸哲也・小柳憲子(東映)
◇
【撮影協力】
姫路城、姫路FC、国宝・彦根城、滋賀LO、彦根市FC室、上賀茂神社、柳谷観音楊谷寺、旧嵯峨御所大覚寺、本山立本寺、黄檗山(おうばくさん)黄檗寺、大本山随心院、八幡堀を守る会、ギャラリースペース新町浜、アニマルプラニング、自然派企画、エクセリ、東映太秦映画村、他。
【所作指導・語り】 鈴川法子
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【キャスト】
お登美こと縫(ぬい): 米倉涼子
[幼少期 かわさき鈴乃(子役)]
[幼少期 かわさき鈴乃(子役)]
・・・粕谷市太夫の娘 ⇒ 父の敵でもある現政権の悪事と裏事情を探るためスパイとなって大奥に潜入 ⇒ 中臈・菊川の部屋付き雑用女中。
知略と剣術を自在に操る男勝りの女スパイでありながら、幼馴染みの男への淡い恋心を隠し、ただただ男の士官の道を願って、身を差し出して大奥に入り、
島田新之助: 山本耕史
[幼少期 二宮輝生(子役)]
[幼少期 二宮輝生(子役)]
脇坂安薫(やすただ): 竹中直人・・・築地の下屋敷に住む淡路守。縫と新之助の後見人で、縫を大奥に送り込み、汚職の摘発と大奥の粛正に務めようとする切れ者・硬骨漢の寺社奉行。
*
水野忠篤: 木下ほうか・・・大奥女中に人気のある側衆 ⇒ 中野石翁 = お美代の方の腹心で様々な陰謀を謀(はか)る老中(御側御用取次)・美濃守 ⇒ 後に老中首座・水野忠邦によって失脚させられた。
奥村大膳: 宇梶剛士・・・前田家の本郷・江戸屋敷の用人、中野石翁の右腕として暗躍している。
林忠英(ただふさ): 柴田善行・・・呉服橋の屋敷に住む若年寄・肥後守 ⇒ 後に老中首座・水野忠邦によって失脚させられた。
岡部: いわすとおる・・・因幡守。
水野忠邦: 西田健・・・大名小路(現在の丸の内、後に麻布)の屋敷に住む越前守で家慶補佐役⇒本丸老中首座。大御所の放漫政策に批判的⇒天保の改革を断行。
*
徳川家斉(いえなり): 津川雅彦・・・在位50年(1787~1837年)、50人以上側室を持ち、50人以上の子を儲(もう)ける ⇒ 第11代将軍職を退いてもなお江戸城西ノ丸の大御所として実権を握り続ける(1837~41年)。
寔子(ただこ): 白石加代子・・・家斉の正室(御台所)でありながら、一度も愛されたことなく苦渋を舐(な)め続けている。
お美代の方: 中村優子・・・法華宗住職の娘で、中野石翁を養父とする ⇒ 家斉の側室 ⇒ 大奥第一の権勢を振るって来た中﨟(ちゅうろう、年寄)。
樅山(もみやま): かとうあつき・・・年寄。お美代の方の腹心となる。
樅山(もみやま): かとうあつき・・・年寄。お美代の方の腹心となる。
お多喜の方: 高月彩良・・・寔子の側仕者 ⇒ お美代の方に代わって家斉の寵愛を最も受けている若い側室。
徳川家慶(いえよし): 石橋保・・・家斉の次男 ⇒ 第12代将軍(在位:1837~53年)。
溶姫: 白谷さおり
犬千代: 南岐佐(子役)
溶姫: 白谷さおり
犬千代: 南岐佐(子役)
*
菊川: 富永沙織・・・豊春の妹 ⇒ 大奥の女中・中臈(年寄)、お美代の方の腹心 ⇒奥村大膳の子を身籠り殺される。
落合久蔵: 木村祐一・・・西ノ丸大奥の添番。お登美として大奥に上がった縫の行動に目を光らせる。
日祥: 金子昇・・・元歌舞伎役者 ⇒ 江戸・雑司ケ谷の感応寺の僧侶。その美貌をもって大奥の佐島や大名家の女中らを誘って姦淫に及んだ。
*
笹木俊志・小峰隆司(東映剣会)
藤沢徹衛
矢部義章
富永佳代子
まつむら真弓
高野由味子
中村彩実
小林茉莉江
窪田弘和
小林真由
下元佳孝
吉田輝生
時光陸
岩坪拓磨
坂口勝紀
井上暉之
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【概要】
江戸時代は後期、世間を騒がせた一大ゴシップ "感応寺事件" (実在モデルとなったのは荒川区西日暮里3-10-1 "延命院事件" ※) を元に描く驚異の歴史サスペンス!
※ 延命院事件 日本大百科全書(ニッポニカ)の解説
※ 延命院 私のブログ: 西日暮里「延命院」などを巡る
※ 延命院事件 日本大百科全書(ニッポニカ)の解説
※ 延命院 私のブログ: 西日暮里「延命院」などを巡る
権力を握る大御所・徳川家斉も晩年、江戸城“大奥”の支配を目論む巨悪の腐敗に迫るため、毒々しくも華やかな“大奥”に身ひとつで潜入することとなった縫。
国を揺るがす陰謀、大奥と感応寺に蔓延(はびこ)る悪事…。
全てはお世継ぎを決める権限を握っている家斉のお墨付きを巡って繰り広げられる抗争、策略に満ちたし烈な争いに繋がって行く…。
点と点がつながったその時、明かされる真実…。果たしてお世継ぎはどうなるのか!?
厳かに張り詰められた松本清張の重厚なサスペンスを軸に、大奥の豪華絢爛(けんらん)な時代絵巻が繰り広げられる究極のエンターテインメント!
◇
【あらすじ】
養父の御納戸役・島田又左衛門を突然の死で失った縫(米倉涼子)。
かつて実父も幕府の腐敗を暴こうと動き、非業の最期を遂げていた。
又左右衛門の息子・島田新之助(山本耕史)は刀を捨て、長崎で蘭学(医学)を学ぶと言う。
二人の後見人である先の寺社奉行・脇坂安薫(竹中直人)に見送られ、二人は別々の道を歩むことになった。
*
5年後の天保11年(1840年)、第11代将軍・徳川家斉(津川雅彦)は晩年となって第12代将軍職を家慶(石橋保)に譲ってもなお実権を握っていた。
正室の寔子(白石加代子)を余所(よそ)に、長きに亘り家斉の寵愛(ちょうあい)を受けて来た側室のお美代の方(中村優子)は、家斉が没した後も富と権力を握り続けるため、次期第13代将軍職に自身の孫・前田犬千代を据えたいと強く願っていた。
お美代の方の後ろ盾である中野石翁(國村隼)は腹心の水野美濃守(木下ほうか)らを使って、次の将軍を定めるお墨付きを家斉に書かせるべく策を弄(ろう)していた。
一方、堕落した幕府と大奥を粛正しようと動いていたのが脇坂安薫。
脇坂安薫のもと、縫は大奥の実態を探るためお登美と名乗って大奥へ潜入していた。
桜が満開となった春の日、江戸城内・吹上の庭にて、大御所・徳川家斉の臨席する風雅な観桜が催された。大奥女中による歌くらべが始められるが、お美代の方と多喜の方による競争となり、大御所の軍配は多喜の方の詠んだ歌に上がった。大御所の意を受け、桜の梢に歌を結ぼうとする多喜の方。しかし、縫が運ばされた踏み台には蝋(ろう)が塗られ、それに乗った多喜の方は、女中の注視を集める中、突如、転び落ち身籠っていた多喜の方は流産し、そのまま息を引き取った。
桜が満開となった春の日、江戸城内・吹上の庭にて、大御所・徳川家斉の臨席する風雅な観桜が催された。大奥女中による歌くらべが始められるが、お美代の方と多喜の方による競争となり、大御所の軍配は多喜の方の詠んだ歌に上がった。大御所の意を受け、桜の梢に歌を結ぼうとする多喜の方。しかし、縫が運ばされた踏み台には蝋(ろう)が塗られ、それに乗った多喜の方は、女中の注視を集める中、突如、転び落ち身籠っていた多喜の方は流産し、そのまま息を引き取った。
加担する結果となった縫はお美代の方に気に入られ、中臈(大奥の女中)・菊川(富永沙織)の部屋付きへと昇進する。
*
やがて縫は、お美代の実父が住職を務める感応寺の僧侶たちと佐島(高畑淳子)ら中臈たちが密通しているという動きを突き止める。
自らの身を危険に晒(さら)してでも暴かねばならない感応寺と大奥の癒着、奥女中と僧侶の許されざる関係...。
縫が危険を顧みずに潜入捜査を引き受けたのは、密かに想いを寄せる新之助のためでもあった。
政権が正された後に、また侍として表舞台に出て欲しい...。
現在の新之助は闇医者となって富本節の師匠・豊春(夏川結衣)という女性の元に身を寄せていた。
*
或る日、城下町にて菊川が水死体で発見された。実は菊川は豊春の妹だった。
この事件が大奥の腐敗に絡んでいるに違いないと睨(にら)んだ豊春は真相を探るべく中野石翁邸に潜入する。
そんな中、家斉が脳卒中で倒れてしまう。
家斉の弱っているところを利用し、中野石翁は遂にお墨付き(後継ご指示書)を手に入れることに成功する。
そこには次期将軍は前田犬千代と記されていた。
後継者争いはこれで決着がついてしまうのか!?
そして縫、新之助、豊春、三人の恋の行方は...?
◇