テレビ朝日=ABC「土曜ワイド劇場」枠の単発ドラマ

「臨場する女 捜査検事 雨音香」


1/23(土) 21:00~23:06


【スタッフ】


脚本: 鈴木智

・・・1963年生まれ、早稲田大学教育学部。報道・ドキュメンタリーのディレクター、脚本家、シナリオ作家協会シナリオ講座専任講師。
金融腐蝕列島・呪縛(99)・・・「日本アカデミー優秀脚本賞」「キネマ旬報 最優秀脚本賞」受賞、金融腐蝕列島・再生(05NHKBSi)、ローレライ(05)、燃ゆるとき(06)、ベルナのしっぽ(06)、誰も守ってくれない(08)・・・「モントリオール国際映画祭:最優秀脚本賞」受賞、東大落城 安田講堂36時間の攻防・40年目の真実(09日テレ)、青い文学 人間失格(2009日テレ)・・・イタリア・ボローニャFFF映画祭 グランプリ受賞、インシテミル 7日間のデス・ゲーム(10)、示談交渉人 ゴタ消し(11読売)、秘密諜報員 エリカ(11読売)、ちはやふる(2011-12日テレ)、赤川次郎原作 毒<ポイズン>(12読売)、トクソウ(14WOWOW)、死の臓器(15WOWOW)。


監督: 吉川一義

・・・1935年1月28日生まれ、日本大学藝術学部、東映、今井正に師事、1968年監督デビュー、瀬川塾講師。
はぐれ刑事純情派シリーズ(88-09テレ朝)。

エンディングテーマ: 「スカーレット」スキマスイッチ

プロデューサー: 深沢義啓(ABC)、黒川浩行(ユニオン映画)

制作: ABC、ユニオン映画


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撮影協力:

kikuichi (鎌倉市小町2-17-30)、ナポリの窯(横浜市西区みなとみらい2-2-1)、横浜第二港湾合同庁舎(横浜市中区海岸通1-1)、米屋煎餅(湯河原町宮上458)、東京自治会館(府中市新町2-77-1)、Think、他。





偽名の多用はミステリーのトリックとしては安直。


【キャスト】 <ネタバレご注意>


雨音(あまね)香: 稲森いずみ・・・横浜第二港湾合同庁舎に在る横浜地方検察庁刑事部検事・神奈川県警本部係。理由あって異動となった横浜地検で、新しい仲間とともに連続放火事件をめぐる不可解な謎を、"自分の目で見る"をモットーに現場に臨場しながら解明して行く。


雨音大樹: 星田英利(旧芸名・ほっしゃん。)・・・香の夫、カフェ「AMANE」主人 <少々、違和感のある夫婦>

篠山茜: 山田スミ子・・・居酒屋「朧月(おぼろづき)」女将、大樹と学生時代からの友だち


吉沢喜一郎: 東幹久・・・横浜地検検察事務官

本条さくら: 篠田麻里子・・・横浜地検検察事務官の新人


柳橋裕: 岸部一徳・・・横浜地検公判部検事⇒刑事部検事・分室室長

稲村士郎: 中丸新将・・・三浦海岸で自殺? した横浜地検刑事部検事、香の前任者

稲村直子: 奈良富士子・・・士郎の未亡人


大館佳彦: 神保悟志・・・神奈川県警刑事部捜査一課刑事・警部補

竹本雅史: 菅裕輔・・・大館の相棒

毛利: まいど豊・・・神奈川県警刑事部鑑識課員

皆方明子(旧姓名・牧野美緒): 黒谷友香・・・神奈川県警刑事部捜査一課管理官、大館・竹本の上司

新庄洋子(本名・牧野理恵子): 大島蓉子・・・神奈川県警の掃除婦、皆方明子とは不自然な仲良し

本田清美: 円城寺あや・・・神奈川県警の掃除婦
渡辺五月: 松井紀美江・・・神奈川県警の掃除婦


牧野吾郎: 伊藤晃一・・・小田原の煎餅店「舟波」店主、DV・不倫、殺害
牧野理恵子: □□□□・・・吾郎の妻、殺害??
牧野美緒: 
□□□□・・・吾郎と理恵子の娘、行方不明

エリ: □□□□・・・不法滞在・就労=「舟波」の住み込み従業員、行方不明
田所浩一郎: □□□□・・・「舟波」の住み込み従業員、焼死 
佐藤恵: 水木薫・・・「舟波」の住み込み従業員、実家は北区赤羽


飯田春子(本名・池田沙織): 萩尾みどり・・・意識不明、棟木進と不倫していた主婦

棟木雄介: 池田努・・・元「ナポリの窯」配達員、獄中死した放火殺人犯・棟木進(「舟波」の住み込み従業員)の弟

斉藤清六・・・「ナポリの窯」店長

庄司直次: 小栗健・・・松本市出身、宝石店の強盗殺人罪で服役⇒仮釈放・駐車場管理人、焼死

石井テルユキ
五頭岳夫
税所伊久磨
小山大揮




【あらすじ】


ニューヒロイン登場 !法曹界に斬り込む捜査検事 !! 

冤罪を叫ぶ連続放火魔が謎の女に迫る ! 開けてはならないパンドラ の箱とは? 正義を貫く悲劇と驚愕(きょうがく)の結末。

"断崖シーン" のない新境地のサスペンスドラマ。


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雨音香(稲森いずみ)は、東京地検から横浜地検分室に異動を命じられた本部係検事。

冤罪などを未然に防止し、警察と連帯して捜査を円滑に行うために近年、全国の検察に配備された現場に臨場する "捜査検事" だ。


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赴任前夜、香は管内中区の中華街周辺で発生したアパート火災に遭遇する。

被害者は2名。逃げ遅れた飯田春子(萩尾みどり)が意識不明の重体となり、庄司直次(小栗健)は遺体で発見される。

現場で遺体の死斑を確認した香は、死因が火災によるものではないと識別。事件の可能性を頭に置きながら捜査を開始する。

死亡した庄司には前科があった。15年前、長野で宝石店を襲撃し強盗殺人の罪で服役。昨年、仮釈放になったばかりだった。

また、出火の原因は放火であることが判明する。


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管内では放火事件が連続して4件(緑区2件・磯子区2件)ボヤが発生しており、香は資料提供を県警に求めるなど、精力的に捜査に携わる。

しかし、分室室長の柳橋裕(岸部一徳)は、定時になると「店じまい」だと、香以下、事務官の吉沢喜一郎(東幹久)、本条さくら(篠田麻里子)に申し渡し、自らも業務を終了。

また、香の目にはのんびりとした動きに映る、県警刑事の大館佳彦(神保悟志)からは、積極性が災いしやや疎(うと)まれてしまう。

それでも自分のペースを貫く香は、その後、何度も火災現場に足を運ぶ。


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すると、40歳前後の男性が焼け跡に菊の花を手向けている現場を目撃。男は香の存在に気付くと、逃げるようにその場から居なくなってしまう。
香は直ぐに、庄司の関係者に該当する男、例えば共犯者の存在がないかどうか大館刑事に捜査を依頼する。

大館にはいい顔はされないが、そんな香に強い味方が現れる。
県警の管理官・皆方明子(黒谷友香)。警察という男社会にありながら若くして管理官になり、女性の能力が生かされる職場づくりを目指している明子は、香と直ぐに意気投合する。


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明子の一声で過去の放火事件の資料の入手に成功した香は、吉沢やさくらの協力を得て一つずつ事件の検証を重ねて行く。そんな中、相変わらず室長の柳橋だけは香の行動を冷めた目で見ていた。

過去4件の放火はいずれも今回同様、古新聞に火が点けられていた。
香は、同じような事件が他に発生していないか、また火がつけられた新聞が何時のものかを全て調べる。
すると管外ながら、更に2件の放火が浮上する。

最新の火災と合わせて7件になった放火は何れも、或る事件について扱った記事が掲載されている共通点が明らかになる !
その事件とは、25年前の平成2年2月10日未明、小田原市で起きた老舗せんべい店「舟波」における放火殺人。3名の犠牲者を出し、娘・美代の証言により犯人・棟木進は死刑が確定していた。

7件目に使われた新聞は、その死刑囚が獄中死を遂げたことを告げていた。
今回の連続放火事件が始まった時期と、獄中死の時期はぴたりと一致する。

香は二つの事件に関わりがあると睨(にら)む。



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ところが、柳橋から香の捜査に待ったが掛かる。庄司は自然死だったという検死結果が出たというのだ。

どこか釈然としない気持ちを抱える香に、新たな情報がもたらされる。
意識不明で入院中の春子が、一と月ほど前に配達業者と近所の人が知るほどの喧嘩をしていたという。
相手の名前は棟木雄介(池田努)。何と、獄中死した放火犯・進の弟だったのだ !


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遂に、二つの事件の明らかな繋(つな)がりに辿り着いた香は、更に細かく過去の資料を調べ直す。

すると、或るファイルに欠番があることに気づく。それらの資料は香の前任者であり、自殺した横浜地検の検事・稲村士郎(中丸新将)に貸し出された切りだということ、室長が承知のことだったと分かる…。