
我が夫婦とも金沢の出なので、こういう古い思い出の話は通じやすい。
先ず、妻に訊ねてみた。
小学校に上がる前、母に連れられて、香林坊の松竹劇場で『君の名は』(1953年公開)を観に行った。
満員で通路に新聞紙を敷いて観はじめたものの、頭痛がして来て帰りたいと途中で出てしまったらしい。
その他では、同じく松竹の『二十四の瞳』(1954年公開)が記憶にあるようだ。
夫の方は、小学校の先生・生徒たちが、浅野川沿いの並木町にある北国第一劇場で、
ディズニーの記録映画『百獣の王ライオン』(1957年日本公開)と松竹映画『黄色いからす』(1957年公開)を観に行ったこと。
『黄色いからす』を観て泣いたのは覚えている。
後は・・・、
母と姉の三人で、尾張町の新東宝劇場で『ひばりの雪之丞変化』(1957年公開)を、そして母と二人で十一屋町の再映館で『エノケンのとんちんかん八百八町』(1957年公開)を観た記憶がある。
父とは、森本町の再映館で『錆びたナイフ』『無法松の一生』(ともに1958年公開)を観たのではないかと思う。
今にして思えば、母と父の好みの違いがハッキリと表れているような(笑)
以上のように、1950年代(昭和34年頃まで)は劇場映画の最盛期だったが、テレビの普及によって急速に斜陽化して行った。