前日に続いて、6/6(土)も丑三つ時にJ:COM / FOXムービーで、
映画「モンスター」を観た。

原題: 「Monster」
製作: 2003年米国
配給: ギャガ・コミュニケーションズ
日本公開: 2004年


本作で実在した元娼婦の連続殺人犯、アイリーン・ウォーノスを演じた
シャーリーズ・セロン(Charlize Theron)は、アカデミー主演女優賞、ベルリン国際映画祭銀熊賞、ゴールデングローブ賞主演女優賞(ドラマ部門)に輝いた。

 


■ 略歴


彼女は、1975/8/7南アフリカ共和国生まれ。仏系の父と独系の母の一人娘。
幼少からアルコール依存症の父によるDVに悩まされ、15歳時、娘の命の危険を感じた母が父を射殺し正当防衛が認められた。

16歳時、美少女モデルとしてミラノやパリで活動。17歳時、バレエを学ぶため米NYへ移住するも膝の怪我で断念。
その後は、女優を目指しLAに移る。1996年に「2 days トゥー・デイズ」で映画本格デビュー。

2003年、本作「モンスター」で連続殺人犯アイリーン・ウォーノスの役作りのために14kg体重を増やし眉毛を全部抜き持ち前の美貌を拭い去って取り組み、遂にオスカー女優として認められる。
 

06年、米「The Hollywood Reporter」誌で上位7番目の高額出演料女優に、07年、米男性誌「エクスワイアー」で最もセクシーな女性に選ばれた。

過去に、俳優のクレイグ・ビアーコ、ミュージシャンのステファン・ジェンキンスとの交際を経て、俳優のスチュアート・タウンゼントと同棲、07年、米市民権取得、事実婚宣言をしたものの、10年に破局。

08年、国連平和大使に任命された。09年、2010FIFAワールドカップ南アフリカ大会の組み合わせ抽選会で司会を務めた。
14年、俳優のショーン・ペンとの交際が伝えられている。15年、「マッドマックス 怒りのデス・ロード」ではスキンヘッドにした。


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■ 主な作品

☆印は、私が観た作品とブログ


1999年、「サイダーハウス・ルール」キャンディ・ケンドール役・・・バンビ賞(ドイツ)シューティングスター賞受賞

☆2001年、「15ミニッツ」ローズ役(特別出演)  デ・ニーロの映画「15ミニッツ」(2008/09/21)

☆2003年、「ミニミニ大作戦」ステラ・ブリジャー役  映画「ミニミニ大作戦」(2009/03/07)

☆2003年、「モンスター」アイリーン・ウォーノス役・・・第76回アカデミー賞主演女優賞受賞、第61回ゴールデングローブ賞主演女優賞(ドラマ部門)受賞、第54回ベルリン国際映画祭銀熊賞受賞

2004年、「ライフ・イズ・コメディ! ピーター・セラーズの愛し方」ブリット・エクランド役・・・第62回ゴールデングローブ賞助演女優賞(ミニシリーズ・テレビ映画部門)ノミネート

☆2004年、「トリコロールに燃えて」ギルダ・ベッセ役 映画「トリコロールに燃えて」(2008/07/28)
 

2005年、「スタンドアップ」ジョージー・エイムズ役・・・女性映画批評家協会賞女性イメージ賞受賞、第78回アカデミー賞主演女優賞ノミネート、第63回ゴールデングローブ賞主演女優賞(ドラマ部門)ノミネート

☆2007年、「告発のとき」エミリー・サンダース役

2008年、「ハンコック」メアリー・エンブリー役・・・サターン賞助演女優賞ノミネート

2008年、「あの日、欲望の大地で」シルヴィア役・・・サターン賞主演女優賞ノミネート 

2011年、「ヤング≒アダルト」メイヴィス・ゲイリー役・・・第23回パームスプリングス国際映画祭チャアマンズ・ヴァンガード賞受賞、第69回ゴールデングローブ賞主演女優賞(ミュージカル・コメディ部門)ノミネート

2012年、「スノーホワイト」ラヴェンナ役・・・ティーン・チョイス・アワード映画部門ヒステリー賞受賞、サターン賞助演女優賞ノミネート

2012年、「プロメテウス」メイディス・ヴィッカーズ役・・・ティーン・チョイス・アワードChoice Summer Movie Star賞(女性部門)ノミネート、ピープルズ・チョイス・アワードFavorite Dramatic Movie Actress賞ノミネート

2015年、「マッドマックス 怒りのデス・ロード」フュリオサ役


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■ 映画「モンスター」の概要


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脚本・監督: パティ・ジェンキンス


□ キャスト

アイリーン・ウォーノス: シャーリーズ・セロン
セルビー・ウォール: クリスティーナ・リッチ
トーマス: ブルース・ダーン
ヴィンセント・コーリー: リー・ターゲセン
ドナ: アニー・コーリー

スコット・ウィルソン
プルイット・テイラー・ヴィンス
リー・ターゲセン
マルコ・セント・ジョン
ババ・ベイカー



□ あらすじ


アイリーン・ウォーノス。
1956年2月29日に生まれた彼女は、母に去られ、8歳の時から父の親友にレイプされ続けていたため精神を病んでいる父に言ったが取り合ってもらえない。彼女が13歳の時にその父は少女強姦罪で服役中に自殺した。
祖父母に預けられた彼女は、その祖父にも近親相姦され妊娠が分かると、家から追い出される。

生きるために娼婦として街に立って生活する。
それでも、「私はダイヤの原石だ。いつかはスターになる夢が適う」と、心から信じ続けていた彼女。

1986年のフロリダ。
30歳を過ぎてしまった彼女は相変わらず、ヒッチハイクをしながら毎晩、路肩に立っては男の車に乗り込み身体を売る。
流しの娼婦生活に疲れ果て、自殺する覚悟を固めた日々。
「男には愛想がつきた。だからもう死ぬだけ」。

有り金の5ドルを使い果たそうと飛び込んだバーで、彼女は一人の若い女性、セルビーと運命的な出会いを果たす。
同性愛の治療を強制されフロリダにやって来たセルビーもまた、自分と同じように社会からの疎外感を抱いて生きていた。
セルビーは、居候していたドナの家での生活に居心地の悪さを感じていた。

アイリーンの荒んだ様子にも拘わらず、セルビーは彼女のことが好きになり、やがて彼女たちは愛し合うようになる。
セルビーは、アイリーンを一人の人間として認めて愛してくれた最初の人だった。「あなたが私のすべてだ。もう最高だ」「もう客をとるのはやめるから」。
初めて自分を偏見なく受け入れてくれるセルビーに「一緒に暮らそう」と。

アイリーンは、ひたすら自分を頼ってくれるセルビーとの当面の生活を支えるため、これが最後と決めて街娼に立つ。
ところが、その相手は異常性格者だった。鉄パイプを陰部に突っ込む性的虐待で殺されそうになり、身を守ろうとして男の拳銃を見つけて撃ち殺してしまう。彼の車を奪いセルビーを誘って町から逃げ出すことにする。

その後、二人の生活のためにアイリーンは堅気の仕事を探し回る。「人生で大事なのは人と自分を信じること。そうすれば夢も適う」。
しかし、現実は甘くない。過去の前科に加えて娼婦だった上に、職業訓練すら受けておらず世間的な常識もない彼女が職に就くのは難しいことだった。

社会に受け入れられず、金に窮した彼女は、娼婦の仕事に戻るしかなかった。
再び取った客の男がまたしても変態。また衝動的に殺人を犯してしまう。

セルビーと酒場へ行って騒いで刹那の楽しい時間を過ごす。
セルビーとの車や家のある普通の生活を作りたい。買春男のどれもこれもに、鬱積した嫌悪感を抑えきれない彼女は、更に殺人を繰り返す。

遂に、アイリーン逮捕。しかし証拠を消そうと努めて来たので、警察は立証にセルビーを利用する。彼女の自白を引き出すための囮電話。
そしてセルビーは、法廷でもアイリーンの犯行を証言する。

 実話の犠牲7件、うち1件は立証できず。

リチャード・マロリー(TV修理業、51歳)
デイヴィッド・スピアーズ(重機オペレーター、43歳)
チャールズ・キャルズカドゥーン(ロデオライダー、40歳)
ピーター・シームズ(キリスト教系新興宗教団体の伝道師、65歳)・・・遺体発見できず
トロイ・バーレス(トラック運転手、50歳)
ディック・ハンフリーズ(元警察署長・ソーシャルワーカー、56歳)
ウォルター・ジーノ・アントニー(トラック運転手、60歳)

アイリーンにとっての「モンスター」は、子供の頃見た町の巨大な観覧車だった。いつかそれに乗れる楽しい生活をするのが夢だった。
愛と財産と聖書のある普通の家庭に育ったセルビーに、「あなたにとって人間は善良で親切な存在なのね」「あなたを永遠に忘れない」と心で叫ぶ。

有罪判決を下され、6件の死刑宣告を受け、
2002年、最期の晩餐は、ケンタッキーフライドチキンのフライドチキンとフライドポテトだった。薬物注射によって死刑執行。