エッセイストの阿川佐和子さん(61)と千葉県船橋市の非公認キャラクター「ふなっしー」が対談を繰り広げた11/15(土)22時~1H,放送されたNHK-Eテレ「SWITCHインタビュー達人達」が、早くも12/20(土)13:05~1H, NHK-Gでアンコール放送される。


 


今や、ゆるキャラの枠を超えた存在になった「ふなっしー」に、著書「聞く力」で知られ、雑誌「週刊文春」の連載対談1000回を達成した阿川さんが切り込む。
「着替えは何着あるの?」「本業は?」「ふなっしーになる前は?」「結婚は?」---阿川さんの猛攻に、さすがの「ふなっしー」もKO寸前!?
終盤には、「ふなっしー」の人生哲学ならぬ「梨の妖精哲学」も飛び出し、思わずホロリ。
番組史上、最も予測不能なトークバトルは必見!!



[その佐和梨(笑)、サワリ]


佐和子 「ホントは、30分が限界って聞いてるんですけど」

ふなっしー 「そうなしな~。諸事情によって休憩入れないと、ドライフルーツみたいになっちゃう。下手すると救急搬送される。ふなっしーはまだないけど、仲間内では結構多い」

佐和子 「仕事してきて一番暑かったのは?」

ふなっしー 「直近で覚えてるのは、台湾行った時に気温38度、湿度70何%だったなしな。向こうのタレントさんが出るイベントに呼ばれて行ったんなっし。小龍包食べたいから行ったら、めちゃくちゃ暑かったなっしー!」

佐和子 「一番辛かった仕事、悲しかった仕事は?」

ふなっしー 「切なかった、か・・・。喉元過ぎれば何とやらで、忘れちゃうなっし。でも長時間、拘束された割にこれだけ?ってテレビの仕事、たまにあるなっし。これは短い方なっし。8時間待って5分だけってのもあった。とりあえず、みんなから声掛けられるうちはやろうかなって。やりたいことやってる最中に死ねればいいかな」

佐和子 「マネジャーはいるの?」

ふなっしー 「マネジャー的な存在はいないなっしー。電話受けたり、請求書を書いたりとか、全部自分でしてるなっしー。ギャラの交渉も自分。めんどくさいったらありゃしないなっしー」

阿川さんからの矢継ぎ早の質問に、
ふなっしーは 「内角ストレートをガンガン投げ込んでくるなっしー。危険なっしー」と押され気味ながらも、誠実に答えた。


 


超が付く人気者になった今も、束縛されることなく自由な生活をこだわっていると言う。
元々、裕福な暮らしには関心がなく、自分がやりたいことにこだわってきた。過去には5万円ぐらいの手作り小屋で3,4年間、生活していた時期もあったと言う。
今は人に喜ばれることが何よりうれしい。
「少々、梨持ちにはなったけど、それだから幸せかというと微妙な話なっしー。死ぬまでにどれだけ楽しい思い出をつくれるかなっしー」。
地元・船橋市のOPやタレント活動で経済効果は8000億円ともいわれる存在。

「自由と孤独は表裏一体なっしーな。一人でやって自由なんだけど、常に孤独感はあるなっし。でもその孤独感が自分を強くしているような気がして…。自分に酔っちゃてるなっしー」。
梨の妖精のロマン。
阿川さんの“聞く力”の前に、普段はオチャメな「ふなっしー」もかたなし!?






【ふなっしーの略歴】


2011年


11月
船橋市名産の梨をモチーフにして、いち船橋市民が「個人的に」始めたゆるキャラである。
「ふなっしー」が振り返る。
「船橋の特産品調べたら結構あるんですね。農産物で出荷が多かったのは梨だったなしな。梨は鳥取ってイメージが強いけど発祥は千葉なしな。 梨神様が「船橋」と「梨」をかけて 「ふなっし~」と考えてくださった」。
平面イラストとして誕生し、ミニブログ「Twitter」上で活動を開始した。
2011.11.22初ツィートふなっし~は元々ツイッター上だけの生き物だった。



2012年

3月
着ぐるみが製作され立体化する。

4月
動画投稿サイト「YouTube」上での活動も開始した。
着ぐるみがあり、かつ、「ご当地キャラ」とみなせる活動実績があれば個人でも加入できる『日本ご当地キャラクター協会』(滋賀県彦根市)に入会した。
すると、広告代理店の博報堂から「ご当地キャラ協」を経由して「ふなっしー」に千葉県で開催される6月のイベントに出演依頼があった。

6月
赤ちゃん本舗(大阪市)が創業80周年を記念し実施していた、全国の店舗に各1体ずつ合計約80体のキャラクターを招いて一日店長をしてもらうイベント「全国子育て応援! ご当地キャラ1日店長リレー!!」で、アカチャンホンポ幕張イトーヨーカドー店の一日店長をふなっしーが務めた。これが「ふなっしー」にとって初のイベント出演となった。このときアテンドなしで出演したため、イベントの司会者から自己紹介を要求された際、中の人が自ら「ふなっしーなっしー」と答えた。これがふなっしーの第一声。

 


7月
自治体の公認が参加条件となる『ゆるキャラさみっと』に出演するため船橋市役所を訪れたが、 「推薦状が欲しくて市役所行ったんだけど、たらい回しされてるんだ」って言ったためか、公認を得られなかった。
また、船橋商工会議所も訪れて、ふなばし市民まつりへの出演を願い出たが認められなかった。市の公認が得られないまま、ふなばし市民まつりに自主的参加した。

8月
東京都内での船橋市の梨のPRイベントに自主的に参加する一方、ゆるキャラ仲間の誘いなどによって様々な地域イベントに出演が始まった。



 

11月
「ご当地キャラ協」系の「第3回ゆるキャラさみっとin羽生」が開催された。このときゆるキャラ仲間のニャジロウ(秋田県代表)が、イベント参加資格が無くて困っていた「ふなっしー」を、秋田県の物販ブースを手伝うアルバイトとして誘ってくれ、自治体未公認ながらイベント参加が叶った。
2日間のイベント期間中、秋田県や東北地方のブース前で、アテンド無しで客の呼び込みや客とのふれ合いをする必要に迫られた「ふなっしー」は、中の人が自ら話すスタイルになっていった。
かくして、自主的に参加した地域イベントなどでの活動やインターネット上の活動でじわじわと浸透して行った。


2013年

2月
CM出演を機に一気にブレークした。
アサヒ「十六茶」の新CMを請け負った博報堂から「ご当地キャラ協」を経由して再び「ふなっしー」に声がかかり、新垣結衣や多数のご当地キャラと共に出演したCMが、2月初旬からテレビで放送開始された。このとき新垣は、最も印象的だったご当地キャラが「ふなっしー」だったと述べた。

 


2月11日、日本テレビ『スッキリ!!』に出演すると、テリー伊藤とのやり取りや加藤浩次との相撲対決などがネットユーザーの間で話題となり、「ふなっしー」の認知度や人気が急激に上昇した。

3月
こうなると、3月5日、船橋市議会で「ふなっしー」の市公認問題が議題に上がったが、「ふなっしー」自身がもう公認を望んでいないことから、市が公認しない方針が示された(船橋市非公認が決定した)。

6月
6月15日、ららぽーとTOKYO-BAYの公認ゆるキャラに就任した。
6月23日、船橋市長選で4期続いていた藤代孝七氏から交代し、新市長の松戸徹氏が選出されると、市と「ふなっしー」との間の溝が埋まり、「ふなっしー」が市に迷惑をかけたことを謝罪し、市からは感謝状が贈られ和解に至った。だが公認された訳ではない。

8月
8月6日、日本百貨店協会の「ご当地キャラ総選挙2013」で優勝した!!

11月
11月20日、「現代用語の基礎知識」選の『2013年ユーキャン新語・流行語大賞』の候補50語の1語に、「ふなっしー」が選ばれた。

12月
12月11日、レコチョク「年間ランキング2013」着信ボイスランキング部門の1位に選ばれた。
12月24日、「ふな ふな ふなっしー♪」をプロデュースした高見沢氏が所属するTHE ALFEEの日本武道館公演にゲスト出演し、武道館デビューを果たした。


「ふなっしー」は、千葉県船橋市在住の「梨の妖精」という設定のシンボルキャラクターであり、自助努力によって、着ぐるみと中の人が一体となり、地域おこし活動のほかにタレント・歌手・声優としても大活躍している。だが、これだけの人気が出ても、市や県からは公認されていない。