NHKの人気番組「美の壺」のアンコール放送を観た。
 
file257 「モンブラン」

NHK-BSプレミアム11/21(金)19:30~20:00アンコール放送
初放送はNHK-BSプレミアム2012/11/14(水)だったらしい。


 



*


日本で絶大な人気のケーキ「モンブラン」は、
栗をふんだんに使い、山の形に似せて作ったことからこう呼ばれる。
19世紀後半にヨーロッパで誕生した、マロングラッセの製造工程でブロークンの(壊れた)マロンの副産物。
滑らかにするため、ペーストに生クリームを混ぜ、細く絞り、空気を含ませフワッと盛りつけた。こうしてひも状の形が生まれた。
茶色はヨーロッパ産の洋栗(ようぐり)の色。


*


 


名前の由来は、アルプス山脈の西ヨーロッパの最高峰(標高4811m)の「モンブラン」(仏語 Mont Blanc)。仏語でモン (Mont、山) 、ブラン (Blanc、白)で「白い山」の意味。
フランス国境のオート=サヴォワ県シャモニー(Chamonix)町が最も近い。


ケーキは、「モン・ブラン・オ・マロン」(仏語Mont Blanc aux marrons、栗のモンブラン)、略して山名と同じく「モンブラン」(Mont Blanc)。
上に降り掛ける白い粉砂糖が雪を表している。
当初は栗のペーストに泡立てた生クリームを添えたデセール(冷菓)であった。
これをもとに、モンブランを看板メニューとする1907年創業のパリの老舗カフェ「アンジェリーナ」(Angelina)が、クリームをメレンゲ上に搾り出した形に発展させた。


フランスから見えるモンブラン山は、等高線の間隔が広くなだらかな姿。フランスのモンブランは、優しいドーム型の山頂を真似(まね)て、マロンクリームが丸みを帯びた形になっています。粉砂糖は、アルプスの雪。

 


*


一方のイタリアでは、「モンブラン」(伊語Monte Bianco、モンテ・ビアンコ)もやはり、「白い山」の意味。
イタリアのヴァッレ・ダオスタ州クールマイユール(Courmayeur)町が最も近い。
尚、1957~65年、仏シャモニー町と伊クールマイユール町を結ぶ全長11.6kmのモンブラントンネルの掘削が行なわれ、現在でもアルプス越えの主要ルートの1つとなっている。


ケーキは、山名と同じく「モンテ・ビアンコ」(Monte Bianco)。フランスのオート=サヴォワ県と隣接するピエモンテ州の家庭菓子が原型であると言う。


イタリアから見たモンブラン山は、フランス側とは対照的に、氷河が荒々しく山肌を削り取ったため、鋭く尖(とが)った形になった。
従って、ケーキの方も生クリームを高く積み上げた険しい雪山になっている。 また、ひも状のマロンペーストは山の麓(ふもと)に鬱蒼(うっそう)と茂る森を表している。

 





温帯に分布するブナ科の栗は、世界各地で貴重な食物として古くから大切に育てられて来た。 世界の栗の種類は、ヨーロッパ栗・アメリカ栗・中国栗・日本栗に大別される。

  世界の生産量(2012年統計で約200万トン=t)
中国が165万t(83%)と圧倒する。2位・韓国(7万t)、3位トルコ(6万t)、4位ボリビア(5.7万t)、5位イタリア(5.2万t)、6位ギリシャ(5.2万t)、7位・日本(2.1万t)。
但し、米国・カナダ・ブラジル・オーストラリア・インド・ロシアなどの国土の広い国にはデータがないが、
例えば、アメリカ栗は渋皮離れが良いが味が良くないため主に木材に利用されている。


ヨーロッパ栗(Castanea sativa、西洋栗) は、バルカン半島(南東ヨーロッパ)~小アジアに自生し、その後、ヨーロッパ中に広く分布している。
果肉は茶色。渋皮離れがよいのでマロングラッセや料理などに加工される。


中国栗は、板栗・茅栗・錐栗に大別される。
最も多く生産される品種の板栗は、 通称・天津栗と呼ばれる。中国以外の土地では育たない。粒が小さくて甘味が強いので焼き栗として適しているが、害虫には弱い。



韓国で生産される栗は、害虫(クリタマ蜂)に強い在来種に日本種を掛け合わせて改良した品種が殆ど。西洋栗に比べて肉質が良い。



 

最後に、日本栗、別称・和栗(わぐり)。果肉は黄色。
日本列島~朝鮮半島南部が原産。
縄文人の主食であり、青森県の三内丸山遺跡から出土された。
野生の柴栗を品種改良したもので、病気に強く粒が大きいのが特長。丹沢・筑波・銀寄などが代表品種。
名産地として丹波地方や長野県小布施町が知られる。

  収穫量としては、茨城県と熊本県で4割強を占めている。
2013年の農水省統計を調べてみた。
全国合計21,000t
茨城4,910t (23.4%)
熊本3,870t (18.4%)
愛媛1,590t (7.6%)
岐阜995t (4.7%)
埼玉669t (3.2%)
宮崎661t (3.1%)


確かに、上野からスーパーひたちに乗って水戸へ何度も出張したが、石岡~岩間~友部辺りの車窓から、栗の花や蓮の見事な花が続いたものだった。






 

番組で、谷中(やなか)で営む和栗の専門店「和栗や」(台東区谷中3-9-14
http://waguriya.com/tokyo.html  )が登場していた。
日本一の生産量を誇る茨城県笠間市岩間地区で収穫された栗のみを使用する。
和栗の魅力は上品で繊細な風味と香り。香り付けの酒・香料・添加物など余計な物を一切加えず、栗本来の味のみで勝負している。
生栗・焼栗・モンブランから栗おこわまで、和栗の魅力をとことん追求。
「栗薫モンブラン」・・・2種類の和栗ペーストで優しい味わいに仕上げたモンブラン。和栗本来の繊細な薫りを味わって頂くため、注文製造を徹底。
和の白玉や寒天も添える。