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世界主要都市で村上春樹氏の報道が相次いでいる。
評価が一層、高まれば、次のノーベル文学賞受賞の機運がいよいよ高まる!?
【追記】
10/9(木)2014年のノーベル文学賞が発表され、今回も村上春樹氏は選ばれませんでした。
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★ ベルリン| 時事通信2014/10/04配信
WELT-Literaturpreis 2014 für Haruki Murakami
Berlin (ots) - Den WELT-Literaturpreis des Jahres 2014 erhält der japanische Schriftsteller Haruki Murakami für sein literarisches Gesamtwerk.
Der Preis wird am Freitag, 7. November 2014, im Rahmen eines Festaktes im Berliner Axel-Springer-Haus übergeben.
Die Laudatio wird der österreichische Autor Clemens J. Setz halten.
ドイツ大手日刊紙ウェルト(電子版)は10/4、同紙の「ウェルト文学賞」を今年は村上春樹氏に授与すると発表した。
授賞式は11/7にベルリンで行われる。
授賞理由として、選考委員会は「村上氏は最も重要な現代日本の作家」であり、「欧米近代という巨大な伝統をポップカルチャーなどの影響と結び付けている」と評価。
「日本の大都市生活者の意識を超感覚的な世界に自然に導く魔術的現実主義とも言うべき独特の作風を打ち立てた」と述べている。
★ 台北| 時事通信2014/09/23配信
淡江大學村上春樹研究中心開幕典禮
村上春樹研究室於2014年(平成26年)8月1日因逐漸壯大、擴大編組,正式命名為「淡江大學村上春樹研究中心」。
今日所成皆承蒙各方先學、前輩不吝提攜與指導,由衷感激。
本中心目前累計舉辦了三次「村上春樹國際學術研討會議」,成果斐然。
今後將秉持繼續舉辦國際學術研討會,廣納世界頂尖村上春樹研究學者參與之外。
並統整村上春樹研究人才、資源,全力推動立足台灣(淡江大學)、放眼全球的村上春樹國際研究,藉以確立「村上春樹學」的新國際學術研究領域。
紀念村上春樹研究中心的正式開幕營運,舉辦下列紀念活動,歡迎蒞臨參加。
台湾・台北市郊外にある私立淡江大学がこの程、作家、村上春樹さんの研究センターを開設した。
9/22には専門家らを招いた記念式典が開かれ、村上さん本人からも開設を祝うメッセージが寄せられた。
村上さんは台湾で最も人気のある日本人作家。
1980年代から頼明珠さんらの翻訳作品が数多く出版され、若者を中心に村上ブームを巻き起こした。
その後、人気は香港、中国大陸など他の中国語圏に広がっていった。
センター主任の曽秋桂教授(日本文学)は「村上作品はなぜ世界中で読まれているのか。
文学のみならず、文化、社会、経済などあらゆる分野への影響を内外の専門家とともに研究し、『村上春樹学』を確立したい」と抱負を語った。
2015年7月には北九州市で国際シンポジウムを開催する予定だ。
★ ニューヨーク| ウォールストリートジャーナル・ジャパンリアルタイム2014/09/01配信
Haruki Murakami’s ‘Colorless Tsukuru’ Tops Best-Seller List Again
After a best-selling run in Japan, the English translation of Haruki Murakami’s “Colorless Tsukuru Tazaki and His Years of Pilgrimage” has topped the New York Times hardcover fiction list for two weeks running.
The formerly reclusive author has been making the international rounds to promote his novel.
New York Times hardcover fiction list for two weeks running, and is seventh on The Wall Street Journal’s list of best-selling hardcover fiction books.
昨年発表され、日本でベストセラーとなった村上春樹氏の長編小説「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」の英訳版が、米紙ニューヨーク・タイムズのベストセラーランキングで、2週連続でハードカバー・フィクション部門の首位に立った。
ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)の同ランキングでも7位に入っている。
以前はほとんど公の場に登場していなかった村上氏だが、先日、英訳版の宣伝のため海外を訪れ、8月24日に英北部エディンバラで開かれた国際ブックフェスティバルに登場したほか、ニューヨークでAP通信のインタビューに応じた。
英紙ガーディアンによると、村上氏はエディンバラで行われたトークイベントで、若い頃はいかに静かな生活を送りたいと考えていたかを話し、「生涯の夢は井戸の底に座っていることだ」と語った。
また、自分の作品を読み直すことはないとも話した。そのためか、自身の最も有名な作品の1つ「ねじまき鳥クロニクル」の粗筋の一部について聴衆から質問され、答えに詰まる場面もあった。
「それは覚えていない」。村上氏はこう返答して笑いを誘い、それが20年前に出版された作品であることを指摘した。
村上氏は2004年にパリス・レビュー誌に掲載された米作家ジョン・レイ氏との対談で、「私は1人が好きだ。団体や学校、文壇は好きではない。日本には作家の友人は1人もいない。距離を置きたいからだ」と話していた。
しかし、最近は以前よりも自らの殻から出てくることが多くなっている。
昨年、京都で講演を行い、18年ぶりに公の場で話をしたほか、先日、エディンバラのブックフェスティバル登場に加え、AP通信のヒレル・イタリー記者のインタビューに応じ、リアリズムや自らの小説の中でときどき描く超常現象などについて語った。
「猫が話すのは私にとってはリアリズムで、とても自然なことだ。(しかし)もし私が26歳のときに、誰かが『君はいずれ有名な作家になり、米国に来てAP通信にインタビューされるだろう』と言ったとしても、私は信じなかっただろう。
『冗談だろう』と言ったことだろう」。村上氏はこう述べた。
「私の人生は奇妙な偶然でいっぱいだ」。ガーディアンによると、村上氏はエディンバラのフェスティバルで、多くの作家は通常、偶然の出来事を避けたがるが、村上氏が小説の中でしばしばそれを用いるのはなぜかと聞かれた際にこう答えた。さらに「私は井戸にとりつかれている。
象や冷蔵庫、猫、アイロンがけもそうだ。それをどう説明していいか分からないが」と作品に繰り返し登場するモチーフについても言及した。
村上氏は「色彩を持たない多崎つくる」では超常現象とは距離を置いている。同著は36歳の主人公つくるが若い頃に親しい友人4人から絶縁された理由を探るストーリー。
その英訳を手掛けたフィリップ・ガブリエル氏はWSJに宛てた電子メールで「米国と日本の両方の読者を心から引きつける理由は同じだと思う。それは、現代世界の生活の非現実感を描く村上氏の能力だ」と説明した。
さらに「この小説を最も際立たせているのは、その真剣なトーンだ。つくるは過去を理解することで現在の恋人との関係をうまくいかせようと、その答えを真剣に探っている。彼にとっては本当に生きるか死ぬかの問題なのだ」と述べた。
村上氏の作品の翻訳者2人に、同氏の作品をまだ読んだことがない読者にお薦めの3冊を挙げてもらった。
フィリップ・ガブリエル氏:「象の消滅」「ノルウェイの森」「ねじまき鳥クロニクル」
ジェイ・ルービン氏:「象の消滅」「めくらやなぎと眠る女」「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」
★ ロンドン| 時事通信2014/08/30配信
London fans in 18-hour queue for Murakami
Fans queued for up to 18 hours to meet Haruki Murakami for the last stop on his first book tour in 10 years.
The book lovers began queuing outside Waterstones Piccadilly in London from 5pm on Friday (29th August) to meet their much-admired author at 11am the following day for a book signing.
Publishers at Harvill Secker told The Bookseller that 400 people were waiting diligently in line by 5a.m. and by 7a.m.
Waterstones booksellers had to close the queue because it was too long.
Murakami also appeared at this year's Edinburgh International Book Festival.
作家の村上春樹さんが8/30、ロンドン市内の書店でサイン会を開催した。
最新の長編小説「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」の英訳版発売を受け開かれたもの。
書店前には約400人のファンが行列をつくり、海外での人気の高さを改めて印象付けた。
ノーベル文学賞候補とされながら、公の場にあまり姿を見せない村上さん。
サイン会を行うのは異例とあって、書店前には前日午後4時頃から熱心なファンが並び始めた。
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【参考】 私のブログ
「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」感想 (2013/04/17)
【第一印象】
□ 村上春樹氏の作品群の集大成であり、作家としての心(思想)の軌跡を表わしていて、エッセイ的な小説。・・・タイトルで明示。
更に、「TAZAKI TSUKURU」(多崎つくる)⇒並べ替え⇒「TSUZUKU TIKARA」(続く力)の隠喩。
□ 日米欧を渡り歩く無国籍(ボーダーレス)作家から、日本(ナショナル)作家へ回帰することを志向している。
これまで、デタッチメントから1990年代のコミットメントへの飛躍を果たして来たが、それにアジアの民族文化が加わった。
・・・本文のプロット(登場人物の名付け)、表紙の装丁画(モーリス・ルイス「Pillar of Fire」)で明喩。
但し、引き続き政治的平和運動に参画するスタンス(立ち位置)は取らない。
ノーベル文学賞受賞の壁、アジアの連続受賞は難しいと考えられている。
【作品のキーワーズ】
■ ジェットコースター(ハードボイルド)ではなく、メリーゴーランド。
村上春樹ワールド(ハルキズム)の集大成、心の旅(駅路)。
■ 仏教の五色 (あるいは陰陽道の五色? ) を引用した主人公の巡礼(名誉・信頼の回復)の旅。
仏教(真言密教・不空伝)・・・青(紫)・赤・黄・白・黒(緑)。
青海悦夫・・・自動車レクサスのディーラー、エネルギッシュ。
赤松慶・・・経営コンサルタント、同性(平等性)愛者。
主人公・多崎作・・・東京私鉄の建築技師、没個性(無色)。
白根柚木・・・ピアノ教師。 不条理な悲劇(絞殺)に遭遇。
黒埜恵里(エリ・クロノ・ハアタイネン)・・・陶芸家、北方・フィンランドへ。
中央(大日如来)を司るべき主人公が、黄色を拒んで色彩(深いリレーションシップ)を持たなかった上に、名古屋(中部地方)から逃避し、東京(中央首都圏)の工科大学へと去った。
⇒ 白根柚木の虚偽証言で冤罪(レイプ犯)。
⇒ コミュニティーが崩れた喪失感、トラウマ(心の傷)。
木元沙羅(娑羅双樹の花の色)・・・旅行会社員(海外ツアープランナー)の登場により、巡礼の旅が誘導される。
■ 春樹ワールドに不可欠な要素、音楽によるナビゲートを怠らない。
同性愛の灰田文紹が教えてくれた、フランツ・リストのピアノ独奏曲集【「巡礼の年」「第1年スイス」「第8曲」 「Le mal du pays ル・マル・デュ・ペイ、ノスタルジア」】 http://www.youtube.com/watch?v=Y-oZPh3LzNg
・・・オーベルマンの内面の軌跡。
試聴した印象では、非常に重々しく寂寥(せきりょう)を感じる曲だった。
尚、個人的に、「第9曲」「ジュネーヴの鐘」が心地良かった。
■ 主人公を始め登場人物は、いわゆる団塊ジュニア(我が子供達)、就職氷河期の失われた世代だ。
一方の春樹そして私は、団塊世代であり、70年安保闘争・全共闘とそれらのサポーター、ノンポリラジカルは、ドッと企業戦士や文化・芸術家へとシフトして行った。
でも、地元・金沢に残った者、中部地方の大都会・名古屋の企業に就職した者、そして首都圏の企業に就職した者、何れも希望がほぼ叶った。
それに対して、彼ら団塊ジュニアは希望通りの就活がままならなかった。
そういう人達にとって、我々のような新宿というハプニング・ジャングルに郷愁、同質な連帯感を感じるだろうか?
■ 私見としては、主人公のような人格では、相手と距離を置いてしまうので、無二の親友や深い愛人はできないのではないか!?
村上春樹は、そういう人間関係を是としている気がする。
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